イメージ 1

イメージ 2

タマ SOK655C 14"x 5-1/2" (オーク 9mm)

このスネアドラムは2003年 9月に限定販売されたもの。3mm厚のオークを3周巻きつけて接着、最後に外側の段差を研磨して真円に仕上げたユニークなシェル。同じ構造を持つシェルは世界でも類を見ない。

マテリアルが単一素材で、繊維の方向が揃っているということは、3層構造でありながらソリッドプライ(単板)に近い鳴りが得られるのでは?という独創的なアイデア。

おそらく単板よりも加工が容易なのだろう。よい意味で内容に見合わぬ手頃な価格で発表された当時はかなり話題になった。加工精度も高く、実際に叩いた印象も素晴らしかった。

ただ、標準装備されていた桜材のウッドフープはサウンドは申し分なかったが、余りにも強度が低く、ワンツアー廻り終わる頃には、リムショットでざくざくにささくれてしまったのが残念だった。

そんな訳で写真のスネアはフープをダイキャストに変更済み。元来パワフルでソリッドなアタックと温かみのある鳴りのオークとのマッチングも良く、ライブ、スタジオどちらでも使用頻度が高い。

今回預かってオーバーホールしてみたら、取り付けビスが多少緩んでいた以外に故障・破損箇所は見当たらなかった。4年間無故障とは、なかなか優秀。

完全にバラバラにしてクリーニングした後に組み上げて金属可動部にグリスアップ。たったそれだけのことだが、楽器の疲れが取れるというか、明らかに調子がよくなる。

壊れてから直すより、壊さないように使った方がいいと思う。