イメージ 1TAMA Starclassic Bubinga Omni-Tune
22"x16" bass drum のパーツ交換開始。

Omni-Tuneとは、打面側からボトムヘッドのチューニングが出来る画期的なシステム。そのためには太いチューブラグの内部にテンションロッドを貫通させ、打面側のテンションロッド先端をボトム側まで届かせる必要がある。

太いチューブラグを配した重厚なルックスは高級感もあり、個人的には好きなデザインではある。しかし、TT/FT:7mm BD:8mmという今どきのドラムとしてはやや厚めのシェルに、これだけ複雑で金属量の多いパーツを組み付けると、バスドラムに至っては相当な重さになってしまう。その重量に持ち主が悲鳴を上げたのが今回のパーツ交換の最大の理由である。

今日は時間が足りず、パーツを外し、シェルのオーバーホールを済ませて作業終了。新しいパーツ取り付けの為の墨出し、穴あけは後日に残す。

イメージ 2左はボトム側テンションロッドにトップから伸びるインナーロッドが噛み合う様子。今のところ、この部分に関するトラブル事例は聞いておらず、システム自体の耐久性には不安はない。

しかし、打面側からのボトム・テンション調整の際、チューニングキーを回す方向が普通と逆になってしまうので、慣れないとかえって面倒。個人的にはボトムを入念に調整してからセットを組むので、残念ながらオムニニューンを活用したことはほとんどない。

イメージ 31年半に渡ってオムニチューンと付き合って大きなストレスだったのは、通常のテンションロッドより極太なボルトとラグナットの噛み合わせの悪さ。

ツアー先でヘッド交換の際には、時間短縮の為にアルバイトに手伝わせたいところだが、このボルトに慣れていないと、キーを渡して緩めてもらっても、ボルトをスムーズに抜き取ることすらままならず…ヘッド交換にかかる時間が増えてしまったのには参った。

使いにくいだけならこちらの努力で使いこなすことも出来る。しかし、ネジの噛み合わせが悪いのはネジ山の磨耗という致命的なトラブルにつながる確立が極めて高いと言わざるを得ない。プロの商売道具というレベルにおいて、便利さ(使いやすさではない)が耐久性よりも優先されることはあってはならない。

少しでも不安を感じるパーツで長いツアーを無事に乗り切れると思うほど、私は自信家でも楽観的な人間でもない。サウンドが申し分ない素晴らしい楽器であるだけに、万全の備えでツアーに望みたい。