Twitterを使って被災地の母子に水を届ける | 神楽坂にある印刷会社のBlog / 第一資料印刷株式会社

Twitterを使って被災地の母子に水を届ける

みなさん、こんにちは。
NBDグループの甲斐です。
今回は震災とTwitterに関するお話です。


3/11に起きた東日本大震災。


その影響で、福島にいる出産したばかりの私の知人が
病院をやむなく退院する事になり、困っていたところを
Twitterを使って助ける事ができたのでご報告します。

事のはじまりは携帯に届いた1通のメールでした。


(以下、ほぼ原文)


▼知人からのメール--------------


強制的に退院状態になり、里帰り予定だったので郡山にはオムツやミルク、水などを用意してなかったので本当に困ってます。


かろうじて電気はついてるんですが、断水なので哺乳瓶の煮沸消毒等ができずにいます。とにかく情報がないのでかなりまいってます。


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このあと、しばらく時間が経ってから、次のメールが。

震災の影響で携帯の電波状況が悪くて思うように接続できず、メールの間隔が長く空きました。


その間は「何かあったのでは・・・?」と心配で仕方ありませんでした。

私でさえそんな心境でしたから、当事者である知人と赤ちゃんの気持ちは、いかばかりか・・・



▼知人からのメール--------------


携帯の繋がりも悪くて…返信が遅れてしまいます
水はいつでるのかわからずお店でも確保ができなかったです。ミルクもありません。


ただ情報がなくて困ってます
テレビが壊れてしまい、ネットも繋がりも悪くて、ラジオもない状態です。


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さらに良くない事には、妊娠中に母体に胆石が見つかったそうで、
みぞおちの辺りに痛みを感じるとの事。


知人が困っていた点をまとめると下の内容で、
とてもじゃありませんが放っておけないものでした。



1.地震の翌々日3/13で、場所は福島県。余震もある。

2.新生児がいる。が、オムツやミルクがない。


3.断水のため水が出ない。


4.テレビが地震で壊れて見れない (落下して壊れた?)

5.携帯も電波状況が悪く、メールの送受信も不安定。


6.インターネットがつながらない。ラジオも無く、情報が不足している。


7.引っ越してきたばかりで、近所の地理が分からない。


8.とにかく情報不足で外の様子が分からず、怖くて外出できない。


9.知人は胆石の症状でお腹が痛む。


10.旦那さんはJR勤務。地震後の新幹線の復旧対応で家にいない!



何とかしてあげたいと思いつつも、
震災直後で現地に行くわけにもいかず・・・


そこでTwitterを使って助けを求める事にして、こんなツイートを流してみました。



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~最初の方に“拡散”と書いたのは“拡散希望”の略で、

より多くの人に「リツイート」をして広めてほしいという意思表示です。
震災直後のこの時期には、Twitter上で多くの方が使っていた表現でした。


さらに、同じ地域に住んでいる方にこのツイートを見てもらえるように
ハッシュタグ「#fukushima」と「#koriyama」を付けてツイートしました。



「今はみんなが緊急事態だから相手にされないかも」
と思っていたのですが、しばらくすると一人、また一人と「リツイート」してくれる人が増えてきました。


さらに現地の病院の情報や、水がまだ買えそうな店の情報を
ツイートしてくださる方も増えてきました(!)



▼つぎつぎと現地の情報が・・・・・


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そして1時間ぐらい経ったころでしょうか、
2名の方が、こんな返信を送ってくださいました。



▼1人目の方


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▼2人目の方


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何とありがたい事でしょうか。

見ず知らずの方にこんな優しい言葉をかけていただけるとは...。


さっそく私は、知人にTwitterの事などをメールで伝えた上で、このうち一人の方とDMで直接やりとりをさせていただき、住所などを伝えました。



ふと、先ほど流したツイートを見たところ
何と100人以上の方にリツイートされていました(!)




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100人以上がリツイートしたという事は、
もし仮に1人当たりが10人のフォロワーがいたとすると
単純計算でも1000人以上の人に私のツイートが拡散された事になります。
しかも、わずか数時間しか経たないうちに。



見ず知らずの人のために、これだけの人が動いてくれたことにも
感動しましたし、短時間で、これだけ大勢の人に情報を拡散できる
Twitterにも改めて感心しました。



その後、名乗り出てくれた方からメッセージが・・・・・




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そして、知人からは下のような
お礼のメールをもらいました。



▼知人からのメール------------


やっと携帯が圏外抜けました。ツイッターの方が夜に水を届けに来てくれました。


~会話の中からインターネットの光回線が落ちていて使えない事、携帯が圏外になっている事など聞きました。


色々調べて頂いたおかげで近くのベビザラスでオムツとミルク買えました。本当にありがとうございます。私達にとって情報が一番不足しています。感謝しきれません。


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こうしてTwitterと、現地の親切な方のおかげで知人の元に
貴重な水と、周辺の様子についての情報を伝える事ができ、
オムツとミルクも入手する事ができました。


水を届けてくれた方や、情報提供をしていただいた方には会ってお礼を言いたいぐらいですが、とりあえずツイートでお礼をしました。(本当にありがとうございました)


その後、母親の胆石も手術で治療できました。
術後の経過も良好で、順調に回復へ向かっているそうです。

もちろん、赤ちゃんも元気です。




~今回、私が経験したようなケースでは、赤ちゃんと母親は、命に別条はないにしても非常に困難な状況に直面していました。


こういった状況はあちこちで起こっている可能性があると思いますが、救急車やレスキューが来てくれるような事態ではありません。


だけど、小さな命を抱えている母親にとっては、相当不安な状況だったことに違いないと思います。


そこでTwitterを利用したことで、大勢の方から情報があつまり、現場に直接行ける人が見つかりました。


しかも短時間で、かつピンポイントで、困っている人を助ける事ができたのです。




このように、Twitterは情報を拡散するのに最適なツールであると同時に
社会における「スキ間を埋める」ためにも大いに役立つツールであると言えるでしょう。


行政や企業では補いきれないニーズを満たすことができる。
しかもピンポイントで、スピーディーに。




今回の震災では、みなさんもご存じのように多くの犠牲が出ています。
連日さまざまなメディアで、被災地の様子が伝えられ、復旧に向けての活動が進められています。


しかし、元どおりになるまでには気の遠くなるような時間と労力が必要でしょう。


私たちには、小さな事でもいいから「いま自分に出来る事」を復興のために「継続」して行う事が大切ではないかと思います。




あらためて、被災地にお住まいのみなさまの無事を心よりお祈りいたしますと共に、震災で犠牲になられた方々、およびご遺族のみなさまに対し、心からお悔やみを申し上げます。