今期観ている夏ドラマは、3本だけ。

そのうちの一つ。


●「僕達はまだ その星の校則を知らない」(フジテレビ系、毎週月曜夜22時~)

…磯村勇斗主演、堀田真由、稲垣吾郎、平岩紙、坂井真紀、尾美としのり、光石研、日向亘、のせりん、市川実和子、木野花など共演。


世間ではまだあまり馴染みのない「スクールロイヤー」(何か校則上の問題が起きた時に、学校や生徒、保護者に法律上のアドバイスをする弁護士)を主人公にした、学園ドラマ。





感覚が過敏で変わり者なため、子供の頃からいじめられてきて、「学校」が苦手な主人公の弁護士、白鳥健治(磯村勇斗)。


所属する「久留島法律事務所」の所長(市川実和子)から、「濱ソラリス高等学校」のスクールロイヤーとして働くことを命じられ、赴任する。


濱ソラリスは、男子校と女子校が合併してできた新しい学園で、制服やいじめ、恋愛、多様性などについて様々な問題が起きる。


「学校」が苦手で「楽しくない場所」という認識でいた健治だが、「学校は楽しい」という生徒たちから自分では感じたことのない「暖かいピンク色のイメージ」を受け取り、徐々に心が動いていく。


健治と、3年桜組担任の幸田珠々(堀田真由)は偶然にも宮沢賢治のファンで、各話の問題が起こる度にお互いの理解を深めていく。


学園の屋上には天文台があり、かつては「天文部」が活動していたのだが、現在は部員が減ってしまったため、廃部状態になっている。


しかし、宇宙や星が好きで天文部の復活を望む生徒たちは、数々の学校問題を解決してきた健治に「天文部の顧問になってほしい」と懇願する。


徐々に部員が増え、生徒集会の多数決により天文部の「廃部」自体が白紙になり復活し、健治は幸田と共に天文部の顧問になる。


次回(8/11放送予定)は祖母と暮らす田舎の家に、天文部の生徒たちが合宿しに集まる、というお話。



磯村勇斗くんは、前クールの「クジャクのダンス、誰が見た?」の記者役や「きのう何たべた?」の「ジルベール」役など、クセのある役で印象に残っていたのですが、

今回は連ドラ初主演ということで、見始めました。


学園ドラマって、自分が楽しくない学生生活を送ってきたせいか、それを取り戻したくてつい観ちゃうんですよね。


ドラマ内では明言されていませんが、健治はいわゆる「発達障害」で「感覚過敏」なのかな?

聴覚過敏で、人にはない「音や感情を色で感じる」、

「ムムス」という造語で「ざわざわする感覚」を表現したりと、それっぽいシーンが度々あるので。


磯村くんは、ふわふわと掴みどころのない役をやるのが、本当に上手いなあ、と。


堀田真由さんは健治を支えるヒロイン役、といったところで、恋愛要素も少し混ぜつつ、生徒たちとのやり取りも含めてとても心の温まるヒューマンドラマです。


星にまつわるエピソードが出てくるので、

ドラマを観た後、毎回空を見上げたくなります。


学園の理事長役で、健治と敵対する立場に稲垣吾郎、生活指導教師役に平岩紙、副校長役に坂井真紀、校長役に尾美としのり、祖母役に木野花、と脇を固める人々もひと癖もふた癖もある役者さんばかりで、大人でも見応えがあります。


尾美としのりさんは、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」など、私の好きな大林宣彦監督の「尾道三部作」や「翔んだカップル」など、

80年代の青春映画で「冴えない男子生徒役」をよくやっていたので、その人が校長役をやる年になったのか、と感慨深いものがあります。


その他、のせりんくんや日向亘くんと、「最高の教師」や「ペンディング・トレイン」などに生徒役で出ていた若手役者も何人か出ていて、そこも注目ポイントです。


サスペンス要素はなく、仕事や現実に疲れた大人や、学校生活に悩む学生、子供のことで悩む親御さんなど、幅広い世代が楽しめるドラマになっています。


学校が嫌いだった、「かつての僕達」へ。

学校が好きになれない、「今の私達」へ。


そして、

学校が好きになれる、「未来の僕達」へ。


そんな「希望」を抱きたい全ての人に、おすすめです。