前回、残された五感二つのうち、視覚を失った雨。


トラブル続きで結局太陽の打ち上げ花火には間に合わず、

絶望する太陽。



最終回はその日の花火大会後から始まります。



目の見えなくなった雨は太陽におぶわれていますが、

触覚も既にないため、不安になる彼女。



午前0時を迎え、日下の言葉で最後の聴覚を失うまでの時間が、あと1週間だと知る雨。



太陽は彼女のタイムリミットが「3月31日の午後4時」だと、日下に聞かされる。




日下さんはこの世の人間ではないので、

視覚を失っても雨ちゃんは見えるのではないかと

思いましたが、


「目線が合わず、声のするほうに注意を向ける」

彼女の仕種で、

「案内人」さえも見えなくなっているのだと分かりました。



指先の細かな仕種からも、触覚がない不安さが伝わってきて、

前回同様、永野芽郁さんの演技力が映える回でもありました。



太陽くんは「聴覚がなくなるまで、君の心を癒す言葉を伝えるよ」

と雨ちゃんに言い、


その「最後の言葉」を絞るため、ノートに思い付く限りの色々な言葉を綴ります。



太陽くんと雨ちゃんは、残りの1週間、二人の思い出が残る場所を巡ります。



最初に出会った高校の下駄箱、

そして教室に辿り着いた二人。



雨ちゃんは太陽くんに「今、何時?」

と聞き、「もうすぐ3時。あと3分だよ」と答える彼。


雨は「線香花火の勝負のお願い、今使わせて」と言い、その後に告げられた言葉に、太陽はショックを受けます。


「もう、会いに来ないで。私のことを、探さないで」


「え…? どういうこと? どうして? 雨、そんなの、嫌だよ」

と戸惑う彼。



すると、雨に表情がなくなっていき、はっとして太陽は彼女の「腕時計」を見ますが、

時計の画面は真っ暗で。



聴覚を失うのは「午後4時」だと日下さんに聞いていたのに、

実際には「午後3時」だったのです。



既に太陽の声が聞こえていない雨に、

「雨、雨! なんで? なんで?…」と泣きながら呼び掛ける彼。



前回の「見えなくなった瞬間」を演じた芽郁ちゃんには鳥肌ものでしたが、


今回の「聞こえななくなった瞬間」の演技もまた、すごかったですね。



「最後の言葉」を伝えられず、花火も見せられなかった太陽は絶望。


そこに現れた日下さんに

「助けて下さい、なんでもします。だから…」

と力なく頼みます。



すると、

「奇跡はまだ終わっていません」

と告げる日下さん。


「彼女があなたに捧げた『心』を受け取るなら天寿を全うし、

受け取らないならば、今日の午前0時に死んでしまう」

と。



それに対し太陽は

「本当は俺は大晦日の夜に死んでいたはず。

返します、彼女に心を。俺はもう十分、もらったから」


と、第1話の雨の台詞

「私はもう、十分もらったから」

に対し、呼応されてましたね。



次の日の朝、自宅のベッドで目を覚ました雨は、

視覚や触覚が戻っていることに疑問を抱きます。


タイムリミットを告げるあの腕時計はなく、

代わりに以前太陽にあげた赤いミサンガが手首に巻かれていました。


急いで階下に降り、冷蔵庫にあったオレンジジュースを飲むと、

「甘い!」

と、味覚も戻っていることに驚くのでした。



そこへ、司さんが訪れて、彼女に衝撃的な一言を伝えます。

「心を落ち着けて聞いてほしい。太陽くんは、亡くなったよ」



太陽くんは雨ちゃんの「心」を受け取らず、

五感を返す代わりに「死」を受け入れたのでした。



私は

「雨ちゃんと太陽くん、二人とも幸せに生きていく結末」を期待したくて、


ドラマの途中まで

「何かのドッキリであってほしい!えーんえーんえーん

と思おうとしたけど、結局太陽くんは戻ってこなくて。



けれど、シンディーに残された太陽くんの「最後の言葉」を聞けたのと、


「雨に見せたかった、赤い傘をテーマにした花火」

を視覚が戻った後にやっと見られたのは、

良かったな。


あの花火、CGじゃないよね?(笑)


ちゃんと「傘の柄」の部分も表現されてて、


本当に花火師さんが作ってくれたんだろうなあ、

と感動しました。


もう、あの花火は永遠に見られないのかと、前回ドラマ見ながら絶望していただけに、嬉しかったな。



太陽くんの最後の言葉は

「この世界に、雨は必要だよ」

という、あの放送室からの叫びでした。



おばあちゃんが「アラビアン・ナイト」から取って雨にかけていた言葉

「イフタフ・ヤー・シムシム」(開けゴマ)

は、この間雨がお母さんに使い、


そして最終回で、太陽くんが視覚のない雨に絵本の読み聞かせをする時と、


「最後のメモ」に使ってて、


この言葉。伏線だったのね。



太陽くんが残したメモには

「シンディーに、魔法の呪文を唱えてみて。

指輪の精より」と。



数年後、雨は無事パティシエになり、

自分のお店を開くことができた。


その制服の胸には、太陽くんから観覧車の中でもらった

「コートの第2ボタン」が形見としてつけられているのでした。



「雨が夢を叶えたら、俺は天国から雨を降らすよ。

その時、あの赤い傘を差してほしいな」

とシンディーに遺言を残した太陽。



天国からは、太陽くんには彼女が差す

「赤い色」が見えているのでしょうか?



タイトルの「君が心をくれたから」は、

太陽と雨、どちらの言葉なのかずっと気になってましたが、

最後は雨ちゃんの言葉になりましたね。


「君が心を(=五感を返して)くれたから」。



結局、最初の運命の通りに「太陽くんの死」を受け入れない限り、

雨はパティシエになれない宿命だったのか。



最後は「君が心をくれたから」というより、

「君が命をくれたから」になってましたが(笑)。



このまま寿命が延びて天寿を全うしても、

雨ちゃんは五感を失ったままで、


「どんな君でも俺は愛す」と以前は言っていた太陽くんですが、

「最後の言葉」を伝えられず、

花火も見せられなかったことで、

未練が残って考えが変わったのかな?




それにしても雨ちゃん、「3時と4時」のシーンで、


最後の最後までも、自分が言いたいことだけ言って、

太陽くんがどれだけ傷つくのかは、考えないのね(笑)。


結局、自分が傷つきたくないだけで、

だから、こんな結末(=太陽くんなしに、一人で生きていく)を招いたのかも。


今までの彼女の不可解な言動も、実は伏線だったのかなあ?



果たして、太陽くん以上に愛せる相手には、

これから出会えるのでしょうか?



あれ、司さんは結局、雨ちゃんと春陽ちゃんと、

どっちが好きだったの?(笑)


春陽ちゃんが花火師を目指すことになったのは良かったけど、


「最後まで使われる司」(笑)。



雨に言われてた「婚姻届出してないよ」の件は、

最後は回収されず、どうでも良くなってたね笑い泣き




ずっと文句垂れ流しながら観ていた(笑)ドラマですが、

永野芽郁さんと山田裕貴くん、主役二人の演技に惹き付けられて、

結局最後まで見入ってしまったな。


全体的には感動できた、いいドラマでした。



けど、月曜日から重いのはしばらくなしにしてほしい照れ