前回の「君が心をくれたから」第9話の感想です。
千秋の正体が太陽の母親と判明しましたが。
日下さんによると、近親者は「案内人」になれないが、千秋明日香(松本若菜)のたっての願いで、
太陽と雨の案内人になったとか。
ただし、「天」からの条件付きで、
その条件が
「太陽が千秋を『母さん』と呼んだら、月明かりに溶けて消える。魂が完全に終わる」
というもの。
太陽くん、お母さんの旧姓、なんで知らなかったんや?
小さい時は顔を見ているのに、
千秋さんを見てそこまで気付かないものかな?
その後、千秋さんと太陽くんが丘の上のベンチで会話をするんだけど。
「天国なんてあるのか分からないけど、もし、母さんに会ったら、伝えてほしい」
って、文脈的にアウトじゃないの?
更に夜の「家族の団欒」のシーンでも、
「これは母さんの分」と言って取り皿を空いた席に置き、
千秋さんに座るよう促す太陽くん。
はい、これもアウト~!
なんか、二人のやり取り見てて、
「NGワードゲーム」を見てるような気持ちになった(笑)。
太陽くんの頭に「母さん」と書かれたボード、
千秋さんの頭に「母親」と書かれたボードがそれぞれ貼ってある、みたいな
でも、見えなくてもお父さん(遠藤憲一)の気持ちが千秋さんに伝わったのは、良かったな。
で、太陽くんは
「真っ暗な中で一人になるのが怖い」と不安な雨のために
たくさんのキャンドルを買ってきて、
「こんなに希望がある」と慰めます。
彼は「科学か医療の力で、必ず雨の五感を取り戻す。パティシエになってお店を開いた雨に会いたい」と励ますのですが、
その言葉を受け取ったにもかかわらず、やはり桜まつりの後に太陽くんの前から消えようとしている雨。
理由は、太陽くんに立派な花火師になってほしいから。
他の女性と結婚してもらって、悔しいけれど、自分はその姿を遠くから見守りたい、と。
いや、なんでそこまでして太陽くんの気持ちを投げ捨てるのよ!?
だいたい、雨ちゃんは無職で婚姻届も出してないなら、
この家の生活費とか家計とか、どうなってるのか気になる。
太陽くんの稼ぎは雨との共有財産にならないのだから、
下手すれば詐欺罪で捕まるよ(笑)。
ファンタジーを全面に出しすぎて、
そういうリアリティーのなさが気になって、
いまいち話に入り込めないし、
泣けないんだよなあ、このドラマ。
今回、日下さんの過去も明らかになりましたが。
「奇跡」って、必ず五感を失うわけじゃないのね。
しかし、画家になった小夜子さんの遺作のタイトル
「ごめんなさい」って(笑)。
いくらなんでも、他になかったのかい?
せめて「贖罪」とか。
長崎が舞台だからか、このドラマ、
全体的にキリスト教の「自己犠牲」がやたら出てくるな。
雨ちゃんの五感、残るは聴覚なのですが。
今回、「10秒」というワードがやたら出てきたので、
もしかして、視覚を失った後、聴覚を失うまでの時間が「10秒」なのかなあ、と思いました。
太陽くんの花火を見てる10秒が終わったら、
雨は「全て」を失う。
果たして、この物語に救いはあるのか?