「きのう何食べた?」の後に密かに放送されているテレビ東京の深夜ドラマ、

「すべて忘れてしまうから」。


「VIVANT」後の阿部寛主演なのに、

みんな「何食べ」が終わったら寝ちゃうからか、

あまり話題になってませんが。


だんだん面白くなってきたので、私は楽しんで観てます。



私もリアタイはできてなくて、後からTVerで見始めたのですが。


しかし、TVerでは放送からの配信期間が1週間しかないので、


もう1、2話はテレビ東京かディズニープラスの有料サイトでしか観られないんだよな。


元々、ディズニープラスの独占配信番組だったらしい。


1話配信期間にギリギリ間に合って良かった。



現在配信中の第3話はこちら。


すべて忘れてしまうから 第3話 




以下、第1話~第3話までのあらすじです。



第1話 「まさかとは思うけど、殺してないですよね?」

ミステリー作家"M"(阿部寛)は、昼間は喫茶店「マーメイド」で原稿を書き、
夜は行きつけのバー「灯台」で常連たちと酒をちびりながら何気ない会話を楽しむ、
平凡な毎日を送っていた。

あるハロウィンの夜、Mの恋人"F"(尾野真千子)が突然、
仮装したままバーから消えた。

Mの前に現れた「Fの姉」と名乗る眼帯の女(酒井美紀)は、
「まさかとは思うけど、殺してないですよね?」
とMに詰め寄る。

「姉」は
「どうして探してくれないんですか?
殺してないのなら、妹を探して下さい」
と捜索を頼むと、お代を払わずに店を出ていってしまう。



第2話 「友達いないんですか?」

その後、「灯台」のバイト・ミト(鳴海唯)に「彼女の友達に聞いてみては?」
と提案されるが、MはFの友達どころか、好きな食べ物さえ知らないのだった。

唯一の手掛かりである、Fが勤めていた幼稚園を訪ね、園長にFが辞めた経緯を聞くが、
同僚の男は「違う」と。

詳しい話を彼の終業後にカフェで聞くことになったM。

同僚は「他の先生たちは幼稚園にストライキを起こしていたが、
ハロウィンの当日、教諭としてはFと自分の二人だけが出勤してきた。

モンペたちによって子供たちが全員桃太郎役になっていた劇の発表中に、

様子を見にきた他の先生たちを見て、気まずくなった彼女は突然舞台を去り、そのまま消えた」

と実際にあったことを話す。

同僚の男は、「手洗いに行く」と言ってそのまま店を出ていってしまい、
またしても「食い逃げ」されてしまうM(笑)。



第3話 「あなたの関節をすべて折ります」

編集担当の澤田(渡辺大智)の薦めでSNSを始めたMは、何か投稿するとすぐさま誰かから反応があることを新鮮に感じていた。

自身のトークイベント&サイン会の告知を投稿すると、
「その日 あなたの関節をすべて折ります」
という脅迫じみた返信が付いたのを見て、
戦慄するM。

不安になり、澤田や警察に言って対処してもらおうとするが、
両者とも「ただのイタズラだ」とまともに取り合ってくれない。

警察に至っては
「これじゃ脅迫にはならない。事件にするには『殺す』が欲しいですね」
と軽くあしらわれてしまう(笑)。


不安な中、イベント当日になる。

女性ファンばかりが集まったトークイベント中、

Mの真正面にあの「関節折ります」投稿をした「そうめん〆太郎」らしき怪しい男が
座ってじっと見つめてきていた。

トーク後にサイン会が始まり、「関節男」の順番が迫ってくるのを恐れるM。

いよいよ彼の番が来ると、
思わずスーッと椅子を引き、
男が持参した本を開かずに
表紙にだけササッとサインをするM
の姿に笑ってしまった笑い泣き笑い泣き笑い泣き

ドリフのコントみたい(笑)。


結局、男はデビュー前からの「ただの大ファン」だったのですが。

イベント後、
「仕事に行き詰まって、憂さ晴らしをしてしまいました。
三重で居酒屋やってます。近くにお立ち寄りの際は是非」
と「そうめん〆太郎」本人からの返信があり、

心配が杞憂だったと分かり、胸を撫で下ろすMなのであった。




30分番組なので、毎回あまり話は進まないのですが、
続き物ながらも1話完結的な要素もあり、

途中からでも楽しめると思います。


バー「灯台」のマスター役にChara、
そこの料理人役に宮藤官九郎、

昼間の行きつけ「喫茶マーメイド」の店員・マンバ役には見栄晴、

3話ラスト近くに出てきた「Mのファンだという謎の美女」役には大島優子。

「灯台」の常連として話に加わってくるらしい青年・泉役に
「最高の教師」浜岡役だった青木柚、

Fの祖母役に草笛光子、

と何気に豪華キャストで送られています。


今までに5回結婚しているという喫茶店の「マンバ」役・見栄晴がいい味出してます。

その前妻が探偵やってて、その探偵に行方不明中なFのことを相談するM。

そして、相談するだけでまたもお金を請求されてしまう彼(笑)。

SNSを始めたついでに、しばらく返信していなかったFに
「今どこにいる?」
とメッセージを送り、

彼女からは何故か「タヒチ」からの写真が。



エンディングでは「灯台」その他のライブハウスで毎回異なるゲストアーティストが出演し、

弾き語りしながらエンドロール、という粋な試みがなされています。

アニメの「チェンソーマン」みたいだな。


「灯台」の常連客たちの会話する姿見てると、
こういう「飲み友達」みたいな存在が私も欲しいなあ、と思ったり、

仕事に疲れたサラリーマンやOL向けな、
ジャズを中心にしたおしゃれな音楽、

"M"の気持ちを代弁するCharaの舌足らずなナレーション、

そして何より、「VIVANT」の野崎役とは打って変わった「やさぐれた」阿部ちゃんが堪能できるのが嬉しい。

まあ、その分、ボソボソしゃべりに拍車がかかって、
聞き取り難さ全開なんですが(笑)。


全体を漂うVシネ感、

細部まで細かい美術、

役者の呼吸に合わせたような絶妙な照明やカメラワーク、

さりげなく挟まれる往年の映画へのオマージュ(今回はヒッチコックの「めまい」)。

「小気味良い」とはこのことか。







気になる方は観てみて下さい。