このブログの最初の方で書いていますが、私はCIDP発症時に酷い医師に当たってしまい、診断が全くつかず無治療で長期間放置されたことが原因で一度寝たきり状態に追い込まれ結構な後遺症を抱える羽目になってしまいました。最終的に近所の掛かりつけ医のご紹介でよい病院にたどり着きなんとか生きながらえることができておりますが、途中自力で病院変更を試み一度失敗しており、これも結構なタイムロス及び痛手だったと思います。私のような希少難病の場合、例え経験豊富な大病院であってもピンポイントでその病気のノウハウが乏しく診断がつかなかったり、担当となった医師がたまたま酷かったりする場合が有り得ますので、思い切って病院を変えてみることも時には重要になると思います。しかし、病院を変える際には、実は注意しなければならないことがあることを経験より学びましたので、それを以下に書いてみたいと思います。

前述のとおり私は一度病院変更を失敗しておりますが、その原因は同じ大学の系統の病院に行ってしまったことです。変えた先の医師が元の主治医の後輩で、「あの先生なら大丈夫」と諭されただけで終わってしまいました。ちなみに後々その医師の言動を思い返すと、恐らく私がCIDPだということは瞬時にわかっていたように思いますが、多分先輩に気を遣っての処置になってしまったと想定できます。これだけを聞けば、たまたまじゃないか?と思われるかも知れませんが、そんなことはないのです。実は医学界は我々素人が思っている以上に狭い世界なのです。ちなみに私は大学で文系の学科に通っていましたが、同じ大学の同じ学部であっても結構な人数がいるので同じ学年ですら知らない人間がほとんどだし、仮に知っていた人間だったからといって仲の良かった友人でもない限り、仕事上関わりを持った時に特別な便宜を図ることまでは通常しないという認識を持っていましたが、医学部の世界は全く違うと言っても過言ではありません。むしろ同じ大学出身=同じ会社の人間と考えても大袈裟ではないかと思います。実際開業でもしない限りは、出身大学の医局に所属し、教授のアサインで色々な病院を転々としていく仕組みで動いている医師が多く、各病院はただの職場で、所属会社は大学と考えても良いのかと思います。(特に上位校ほどその傾向は顕著かと)

同じ会社の人間と考えれば、私の受けた扱いも納得いくかと思います。サラリーマンであれば客の前で同僚や上司を悪く言わないだろうし、上司が下した決定から外れた行動は特に対外的にはしないと思います。それと基本同じなのです。ゆえに病院を変える時は違う大学の系列の病院に行く方が基本良いと言えます。実際、私を今の病院に紹介してくれた近所の掛かりつけ医は神経内科の医師ではありませんでしたが、その観点でまず神経内科界の情報を集めた上で紹介先を見繕っておられました。そして、その手法により私は実際に助かったのです。

また、大学病院以外がどこの系列かは詳しい人に聞かないとわかりづらいですが、大学病院においても大学名が違えばよいかというと実はそうではありません。私の住んでいる東京には沢山の大学病院を始め、国立、都立、私立様々な大病院が沢山ありますが、神経内科の世界においては系列で考えると実は概ね3大学に分類されてしまうとのことなのです。小さめの病院からの変更であれば仮に同じ系列に行ったとしても、前の医師がその系列で力がなかったり知名度が低かったりすればさほど問題にならない可能性もありますが、私のように誰もが知っているような大病院から変更する場合は確実に注意した方がよいかと思います。

ちなみにこの事は病院変更でなくともセカンドオピニオンにおいても同じ事が言えるのでないかと思われます。(私はセカンドオピニオンをやったことはありませんが・・)

 

以上は東京都内且つ神経内科領域と超限局的な話とはなりますが、他の領域や地方でも勢力図こそ全く異なれど、根本的な考え方はあてはまる場合が多いのではないかと思っています。