春先になると、花粉によってくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や喉のかゆみがあらわれることがあります。

これはアレルギー疾患の一種の花粉症。

現在多くの人を悩ませている花粉症についてご紹介しますマスクマン。マスクマン。




なぜ起こるの?

花粉症を引き起こす植物の花粉が、鼻や目の粘膜に付着することで起こります。

日本では約50種類の報告がされていますが、一番多いものはスギ花粉花粉飛散。で、花粉症全体の約70%と言われています。

これは国土に占めるスギ林の面積が大きいためでもあります。




どのようにして現れるの?

花粉が人の鼻や目の粘膜に接触することからはじまります。

そのとき、粘膜で抗体がつくられると、再び花粉が粘膜に付着したとき化学伝達物質というものが放出され、花粉を追い出そうとします。

それにより、鼻水やくしゃみが出たり、目がかゆくなったりする花粉症の症状が現れます鼻水




どんな症状?

主に鼻と目にあらわれ、鼻のくしゃみ、鼻水、鼻づまりという三大症状や、目のかゆみがみられます。重症になると、微熱、倦怠感、食欲減退などの全身症状が現れます。

症状は、鼻づまりが中心の「鼻閉型」と、くしゃみ・鼻水が中心の「くしゃみ・鼻水型」に分かれます。そのため、お薬での治療は症状の種類や程度にあったものを選ぶことが大切です。

また重症度は、くしゃみ発作回数、鼻をかむ回数、鼻閉の状態によって分類されます。

なお、風邪との違いは、「くしゃみが連続して出ること」、「鼻水が無色でいくらかんでも出てくること」等があり、風邪では初期に透明の鼻水が出ることもありますが数日で粘膿性に変わり数週間で軽快します。




どんな検査をするの?

鼻鏡検査、鼻汁好酸球数(鼻汁の中の好酸球数が増加しているかを検討)、皮膚テスト、血液検査などがあります。




治療法は?

薬物療法、減感作療法、手術療法などがあります。


薬物療法

一般用医薬品として店頭で購入できるものには、飲み薬と点鼻剤があります。

飲み薬の抗アレルギー剤を花粉飛散が始まる2週間ぐらい前から服用することで、花粉飛散時の症状が軽くなります。すでに出ている症状を抑えることもできますが、早めの服用がおすすめです。

緑内障や前立腺肥大の方は服用することができないものがあるため、購入時は必ず薬剤師に相談してください。

また、眠気の副作用があるため、服用後の車の運転や機械類の作業は禁止されています。


点鼻剤では、特に鼻閉に高い効果が得られます。

また多くの市販薬でくしゃみ・鼻水を改善する効果も期待でき、種類によってはかゆみや違和感を和らげスーッとした使用感が得られるものもあります。

しかし、一週間以上の使用により、薬剤性による鼻閉を引き起こすことがあるため、使用上の注意をよく参考にし、休薬期間などを設けながら使用したほうがよいでしょう。


お薬の選択方法としては、

くしゃみ・鼻水が強いときは飲み薬を。

鼻閉が強いときは、点鼻剤を。

どの鼻炎症状もある場合は、両方を併用するという方法があります。


なお、症状が強い場合や、薬を使用しても症状が改善しない場合は医療機関を受診して下さい。



減感作療法

抗原である花粉を低い濃度で注射し、少しずつ濃度を上げながらアレルギー反応を弱めていく、唯一の根治療法です。しかし、2年以上続けることが必要となり、必ず治るとは限りません。また、ショックなどの副作用がみられることがあります。



手術療法

鼻の粘膜の一部をレーザーで焼く治療ですが、粘膜が再生すると花粉症も再発するといわれています。




日常ではどんなことを注意すればいいの?

外出時はマスクやメガネ、帽子を着用することで、体に入る花粉を減らすことができます。

そして帰宅時は、玄関で衣服や髪についた花粉を落とし、屋内へ持ち込まないようにしましょう。ちなみにウールの衣類ひつじは花粉が付着しやすいため、避けたほうがよいです。

帰宅後は、手洗い、うがい、洗顔をして体についた花粉も落としましょう。

また室内での飛散を防ぐには、加湿器を利用し湿度を高めておきます。

そうすることで、花粉が重くなり落下するため浮遊を防ぐことができます。

その他、花粉大量飛散日には洗濯物や布団を外に干さない、粘膜を傷つけるタバコは避ける、規則正しい生活を送りストレスをためない、等のセルフケアが大切です。







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