前からある日本の金融センターとしての地位高度化のために人を呼び込む工夫を、という話がまた出ています。

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金融人材呼び込みへ税軽減を 自民委提言

2020/9/23 15:00 (2020/9/23 16:30更新)自民党外国人労働者等特別委員会(片山さつき委員長)は23日、高度な金融知識を持つ外国人材を呼び込む方策の提言をまとめた。所得税や相続税などの負担を軽減するよう求めた。金融行政の対外発信を担う専門組織の設立も訴えた。月内に政府に提出する。

 

中国の香港国家安全維持法施行を受け、香港の国際金融センターの地位が揺らぐという見方がある。提言は「アジアの地政学的状況は日本への人の移動、アジアの拠点の移転を促すものとなり得る」と指摘した。

所得税や相続税の負担が金融人材の呼び込みの課題だとみる。日本の課税所得1千万円の人への所得税率は33%で、香港(17%)やシンガポール(15%)と比べて高い。

相続税は香港やシンガポールに存在しない。提言で「来日以前から所有する国外資産は相続税の対象外とすべきだ」と明記した。

業績と連動する役員報酬は現在、上場企業でなければ損金(経費)として認められない。この制度を巡っては「海外資産運用会社の日本への進出の障害となる」と説き、損金算入を認めるよう主張した。

金融行政の英語対応を進め、手続きの負担を軽くすることも唱えた。

金融の関連法令だけでなく、パブリックコメント(意見公募)などの行政文書の英訳を早急に進めるよう促した。国内の制度などの対外発信のために専門組織を立ち上げるよう要求した。

外国人材を呼び込むには生活環境の改善も重要になる。海外で雇っていた家事使用人を帯同しやすくするよう在留資格の取得要件の緩和を打ち出した。配偶者が就労しやすくする制度の検討にも言及した。

政府・与党は年末にかけ、2021年度の税制改正や予算編成に向けた協議の中で具体策を詰める。

政府は7月に決めた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で金融人材の受け入れを広げる方針を提示した。「世界中から優秀な人材や資金、情報を集め、世界・アジアの国際金融ハブとしての国際金融都市の確立を目指す」と記した。

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シンガポールは様々な人種がいますが、日本が好きな人たくさんいます。でも現状では観光する場所であって働く場所でない。

上記記事にあるように1つは税金で、5年以上いると税が上がると言うので5年経ったら一旦帰って、みたいな事をしている外人エグゼクティブは昔から居ました。

 

もう一つは英語。自分も韓国出張して思ったのですが、タクシー運転手とか店とか、とにかくカタコト英語くらいは通じてくれよ、と思う訳です。政府書面も韓国語なので自分で一切判断できない、これは辛い。日本語ができるので日本で感じなかったのですが、外人ビジネスマンは日本にこう思うだろうなと言うことが今はよくわかります。

 

3つ目は住環境、教育環境等のインフラ。これも日本語ができない人の選択肢が非常に少ない。英語ができても選択肢が増えないのは厳しい。外人はインター一択、駐在はかなり高いマンションかサービスアパートメントでないと本国並みの家の広さが得られない。会社にとっては駐在を送る負担が高くなります。

 

4つ目は、日本経済が世界から見て魅力が落ち、キャリアを積むのに適当な場所だと思われなくなったこと。今後の展開を考えれば若いビジネスマンは東京ではなく上海を選ぶかもしれません。いきなり中国は嫌なので英語も通じる香港が選ばれてきた訳です。

 

5つ目は、日本企業のオファーするサラリー、キャリアパス(出世できるか)、国際化(日本人ばかりでないか)、いろんな面で魅力が無く、日本企業に転職したいと思われないと言うこと。

 

金融も事前相談しないと法律に書いていないことも進められない、すぐに回答が来ない、きても曖昧で官僚の裁量の余地を残す、と言うことで自由な発想でサービス展開などできたものではありません。フィンテックだって、だから日本のベンチャーは家計簿ソフトの域を出ないんですよ。

 

結論、税金の話も片手落ちで、結局進まないでしょう。外人が来て普通の日本人より低い税率でバンバン稼ぐ、という構図が日本人には受け入れられないでしょうし。それが日本というところです。