派手な元首がまた登場しましたね。

フィリピンの新大統領ドゥテルテが各地で旋風を巻き起こしています。

 

一番話題を呼んでいるのは先日中国で発した米国との「決別」宣言ですが、ドゥテルテが中国に傾倒しているように見えるのは、おばあさんが中国人だとか、金を引き出すリップサービスとかそういう前に、中国の元首、習近辺に親近感を覚えているのではないかなと思います。

 

支持率90%近くを誇るドゥテルテの人気の源は「麻薬・腐敗との戦い」であり、その信念が固くマフィアを敵にしてもアメリカを敵に回しても折れないと思われている所に秘訣があるのですが、「汚職・腐敗との戦い」で庶民の人気を維持し、政敵を葬る手法の大先輩は習近辺です。

 

隙を見せれば暗殺や転覆の危険が一杯な中で権力基盤を固めてきた習近辺に政治的モデルの一つを見ているのは明らかではないかと思います。それは更に先輩のプーチンもそうですから、そちらに寄って行くのも分からないでもありません。

 

世界最強の軍事力や経済力を持ちながら優柔不断でバランスを取る決断をするオバマやもはやコメディの渦中にあるヒラリー・トランプに魅力を感じはしないのでしょう。その点、安倍さんは国内敵無しですから、良くも悪くも一目置いてもらえるでしょう。

 

「汚職との決別」と政治の面で行けば、インドネシアのジョコウィ大統領も同じ文脈でダークホースから選挙に勝ち基盤固め中。シンガポールは汚職の無い国ですが人民行動党およびリー一族の独裁体制は盤石。タイ、ベトナムは軍事政権で汚職からは抜けられず、ミャンマーはスーチー独裁を固めている途中ですが未だ脆弱です。

 

首相もろとも政府ごと汚職にまみれている一方、国内外からの批判もすべて力技で封じ、ある意味感心されているのがマレーシアのナジブ首相。大統領がレームダックで批判を受けるたびに謝罪しているのがご存知韓国。

 

戦略的に中国と米国を天秤にかけているという見方がありますが、私には70歳の頑固おじいちゃんが心情的に惹かれているように見えますね。