シンガポールに住んでみて、感覚として日本人は家族連れが多い(単身はあまり多く無い)なという印象を持ちます。子供連れも多いと思います。

しかし、これを派遣(Expats)とローカル採用に分けるとその比率はかなり変わると思います。これまでに子連れでローカル採用という人には会った事がありません。居たとしてもかなり稀でしょう。単身か夫婦で大半でしょう。それに対して派遣職員は家族がほとんどです。

これにはいろいろ理由はあるでしょうが、一つに物価が高く、特に異常に家賃や教育費が高いので、会社のサポート無しでコンドなどに住めないのが普通でシェアしている人も多い。それに加えて教育費などとてもという事でしょう。日本からの派遣になればほぼ会社がフルカバーです。

更に保険で日本人医師にかかる事が必要となると、シンガポールに国民皆保険などありませんから、100%自己負担でキツイ。英語力に問題無くて、もらう薬も自分で判断できる人だったらローカルの医者でも医療水準は低く無いので問題無いですが、夫婦子供全員問題無いケースは少ないでしょう。

ファイナンシャルプランナー的に言うと、支出管理の肝は如何に「家」「車」「保険」プラス「教育費」を管理するかで可処分所得と生活の余裕感が変わりますから、これらのサポート有無で大きく差が出る海外暮らしを会社に言われなかったら自分で外に出たりしない人が多いのは不思議な事ではないのです。ここまで具体的に考えなくても何となく不安の正体はこれです。

日本企業に居るいわゆる「海外畑」の人たちの中にはこういったサポートに慣れ切ってそれが当たり前だと勘違いしてしまう人もいるようで、定年後にシンガポールやタイ、マレーシアで働きたいと現地でビジネスをやっている人たちの所に来て同じ生活水準を要求するのだそうです。

「当然即落としますよ。どれだけ下駄履いてきたか実感として分かって無いんでしょうね」と現地で労働者派遣のビジネスを行っている人が言ってました。まぁ下駄くれるなら履きますけど(笑)麻薬みたいなものですね。