Road to Singaporeを書いて行くつもりが年末からの怒濤の忙しさに何も出来ず、シンガポールついて3ヶ月経ってしまいました。しかしホントにしんどかった。。。

さて、シンガポールに来てこの国を見て思った事なのですが、「欧米型」だなということです。
まぁ140年もイギリスの植民地だったのでその色が濃いというのはあるのですが、僕が思うのは最近の発展の仕方です。外国人労働者を利用するやり方です。

シンガポールに来ると分かりますが道端を掃除しているのは外国人労働者です。工事現場にトラックの荷台に乗せられて運ばれて行くのはバングラデシュ人や中国人です。それから子供の世話をしているのはメイドのフィリピン人です。こうした労働力を輸入して使っています。

これがアメリカに初めて行って受けた衝撃にダブりました。道を掃いているのは黒人ばかり、販売員も黒人かヒスパニック的な人でオフィス街でネクタイをして歩いているのは白人ばかり・・・。これが「フェア」な国の真実かと20歳の僕は衝撃を受けました。

しかし考えてみれば発展している先進国はほとんどが「搾取モデル」なのです。アメリカは黒人を大量に奴隷としてさらってきて労働させて発展してきたし、欧州は植民地から搾取し続ける事で豊かな生活を送ってきてています。ユーロの統一も安い東欧の労働力を囲い込むのが本来の目的でした。

昔から何故休みまくっているヨーロッパがあんなに豊かなのか不思議だったのですが、それはどこかから搾取しているからです。特にフランスなんかはアフリカで独裁者を支援したり戦争させたり、美しいパリの都を誇る一方で裏ではものすごいえげつない稼ぎ方をしているのです。

シンガポールも同じモデルです。僕のような外国人労働者も必死で働かないとシンガポール法上は労働者の権利というものはほとんど無く(ストも違法)、仕事のない外国人は2週間で国外退去です。企業にとっては税金安いしクビも簡単だし経営しやすい国なのでたくさんの企業がなだれ込んで来ています。

一方で企業にはシンガポール人を一定比率で雇う義務がありますので、企業がシンガポールに進出してくると職が増える。これがシンガポール人がすぐに仕事を辞める大きな理由の一つです。別に嫌だったらやめてもいくらでも職があるのです。これが国がうまくやっているおかげだと彼らは意識していないのだとは思いますが・・・。

シンガポール人は何でも合理的にアウトソーシングです。食事は外で。家事はメイドに、3K職場は外国人に。子育てもメイド使えるし、税金は外人に働かせてたっぷり払ってもらってと。専業主婦なんて単語はこの国にはありません。みんなアウトソース。そして女性も普通に働いてます。

しかし最近シンガポール人には外国人労働者に職を奪われているという不満があり、独裁与党が補選で連敗するという事態となり、労働ビザや永住権の取得が異常に厳しくなりました。ハッキリ言ってこれまで面倒な仕事や難しい仕事を外国人にやらせてきた彼らの労働の質は良く無いのですが、自分でそう言う事をやっていくのか、帰路に立っていることをやがて理解するのでしょう。

そう言う意味では、自国民ですべてを賄ってぶっちぎりの先進国に成り上がった日本という国は奇跡の国だなと思います。