マーラーの演奏会に行くたびに言うのだけれども、やっぱり実演を「観て」「聴く」体験に勝るものはないね。
ほんとに幸せな時間だった。
自分のこれまでの数十年の演奏会経験(聴くほうで)の中でも一、二を争うものだったと思う。
まずはなんと言っても、6番はマーラーの交響曲の中で文句なく最も好きな曲である。
いや、全てのクラシック音楽の中でも一、二を争う(一、二を争ってばっかだな)音楽だと思ってもう三十年以上。ほんとに大好きなのよ。
とは言え、こんな大曲にリアルに触れる機会なんて、東北の田舎住まいではなかなか無いのだ。
そしていつしか、「死ぬまでに一度は聴きたい曲第一位」というなんだかよくわからない称号を、個人的に捧げていたのである。
まあね、マメに全国の演奏会情報をチェックすれば、東京あたりであればその機会が無いわけでは無いのは知ってるけどね。
そして便利にチェックする手段もあるのかもな、と思ってもいたけどね。
元々マメではない性分なのでそこまでの行動は起こしていなかったのだ。
そして今回。
遅ればせながら自分もAIで様々な調べ物をするようになり、その便利さに驚いていたところだったのだが、この年始に何の気なしに「マーラーの6番の演奏会」がどこかであるか聞いてみたところ、ちょうどあったんだよね。翌月、すなわち2月の祝日に。
しかも時期的に仕事を休めないので、帰りがキツい夜ではなく昼間の演奏会というのもラッキーだった。
オケは東京シティフィルさん。指揮は仙フィルでお馴染みの高関さん。会場はサントリーホール。サントリーホール?!
あの、クラシック音楽の殿堂であるかのように言われてきた(と勝手に思ってる)あのサントリーホール。
今回、この会場も楽しみだった。
だいぶ後れを取ってのチケット購入だったため、座席は2階の最後方。これは仕方ない。
初めてのサントリーホールだったが、その最後方でも音はしっかり届いて聴こえた。
若干柔らかくマイルドかなとも思ったが、それはステージからの距離も影響するのか。はたまたそういう演奏だったか。もちろんわからない。
で、もう夢にまで見た6番の実演なので、経験できた時点でもう気持ちは充足なのだが、それに加えて演奏も大満足。
奇を衒うことのない、まさに王道の味わいを堪能できた。これ以上の感想は語彙力の限界だ。
しかしながらやはり実演鑑賞ならではの話は書いておきたい。
例の、ハンマーである。
映像では何度か観ているが、実際ステージで打ち下ろした時の響き方がよくわかった。
大音響でも大振動でも無いんだよね。そりゃ当たり前だけど。
それでもやはり異質な硬い打撃音に、マーラーが込めた想いを想像する。
あとはなんと言っても打楽器群。
スコアちゃんと見たことなかったのだが、3人(最後は4人かな?)でのトライアングルや3人シンバル!
いやーー、これぞマーラーだわね。
そしてカウベル。視覚あってのマーラーだとよくわかる。
そうそう、アンダンテのピークでホルンがエモーショナルに盛り上げるところ。
あそこ、カウベルが静かに鳴ってたんだね。あまり気にしてなかった。
しかも、曲調がクライマックスに向かうというのにひっそり鳴り止むという。
この部分を知っただけでも物凄い価値がある。
マーラーさん、貴方ほんとどんな気持ちでこの音楽を書いたのさ、、、
そんなことを考えながら聴いていたら、いつしか涙ぐんでいた。やばいやばい。
他にも、ふだん音源を聴き流すだけでは気づかない発見がいくつもあった。
ホルンのファンファーレ風の断片的なフレーズが、こんな場面でも陰で鳴っていたんだね、とか。
木管のベルアップの小技も含め、楽しい楽しい。
ティンパニも注目してた。仙フィルの竹内さんの強烈な打撃に慣れきっていたので、ここでは優しみを感じるなど。
そしてマーラーと言ったらツインティンパニ(って言うのか?)だよね。これも実際に観ればこその楽しさ、カッコよさ。
いやー、、、感じたことはまだまだあったような気がするのだが、とりあえず冷めやらぬ興奮の中、帰りの新幹線の車内で書き殴っている。
来てよかったー!!
新幹線往復の価値には十分過ぎるほど。大満足。そして、生きる目標を失った。
次はショスタコーヴィチの4番でどう?
