あれから何ヵ月か…。ここは何事もなかったかのように今日も時が過ぎて行く。あれから変わった点と言えば二つの十二を司るカードが一般普及されて、今では誰もが使える環境になっているわ。あいつらは……向こうで上手くやってるんでしょうね…。うん、きっと上手くやってる。そして私も上手くやっていこう。

霊夢「よし、今日もがんばるぞー!」

妖夢「相変わらずお元気ですね。霊夢」

霊夢「あら、もう来たの?」

妖夢「はい。幽々子様がはやく行ってきなさいと」

霊夢「ふぅん。そっか」

妖夢はとある異変の後始末をしていて殆ど外には出てこなかったから多分バトスピもあまり知らない。今日はバトスピを教えてほしいって来たようだ。

妖夢「ルールはわかるんですけどねぇ…いえ、ルールは細かいのが多くて完璧には理解してませんが」

魔理沙「まぁ、そんなもんだろ。なんとかなるさ」

霊夢「あら、あんたも来てたの?」

彼女は魔理沙。説明するまでもないがよくここに来る。霊夢が設定した迷惑人物ランキングはやはり1位……かもしれない。

魔理沙「よう、妖夢。久しぶりだな」

妖夢「誰かと思えば、歩く実害の魔理沙ですか。えぇ、はいお久しぶりです」

魔理沙「はぁ、相変わらずきついなぁまったく」

霊夢「細かいルールは追々わかるとして、やっぱりデッキ構築?」

妖夢「はい。バランスの良いデッキというのがわからなくて…」

魔理沙「あー、わかる。デッキ構築って難しいよなぁ」

妖夢「魔理沙にもできるなら私にもできると思うんですよ」

魔理沙「だから扱い酷くないか!?」

霊夢「はいはい。じゃれてないでショップ行くわよ」

妖夢「あ、はい行きましょう」

魔理沙「くぅ、久々に会ってこれとか今後が心配だぜ…」



阿求「はいはい、いらっしゃいませ~」

霊夢「やる気迷子かアンタは…」

阿求「好きでやってるわけじゃありません。……って妖夢さん、もう出て来て良いんですか?」

妖夢「人を病人みたいに……。まぁ、もう後始末は終わったから大丈夫」

阿求「そうですか。それはよかった」

「魔理沙ねぇちゃん!バトスピしようぜ!」

「俺も俺も!」

「私も~!」

魔理沙「よしっ!相手してやるからあっち行くぞ~!」

子ども達「おーー!」

阿求「……。相変わらずの人気ですねぇ。そういえば今日は何しに?」

霊夢「とりあえず妖夢にデッキの組み方を教えようとね。ほら、デジタルデッキ…だっけ?あれで全部のカード使えるでしょ?見本には丁度良くて」

阿求「確かにそんな使い方もできますね。それではごゆっくり」 
 


「何故阿求さんがここを?」

「まぁあの後色々あってねぇ。急遽作った施設にあの戦想に参加した人を配置したりしてるって訳」

妖夢「凄かったらしいですね。世界の終焉」

霊夢「そうね……。あの時、失敗してたらって思うと……まだ」

妖夢「………。あ、あれですか?」

霊夢「あ、うん。へぇ、ここ机と椅子も追加されたんだぁ…」

妖夢「あ、あの。ちょっとあっち見てきて良いですか?」

霊夢「え?あ、あぁ。カード売り場ね。どうしたの?」

妖夢「なんか、行かなきゃいけない気がして…」

霊夢「…。そ、待ってるわ」

これは、あの戦想に参加したからこそわかる。そう、多分何かに呼ばれてるんだと思う。きっと何かに。



妖夢「………。色々なカードがあるんだなぁ」

「おや、お嬢さん…。お一人ですか?」

妖夢「……へ?あ、あぁはい」

後ろを確認するが誰も居ないので自分の事だと思い返事を返す。

「良いですねぇここ。落ち着きます」変な人に捕まったなぁ──。どうやって抜け出そう…。

「そうだ、本題を忘れてましたね。こちらをどうぞ」

ローブのフードを深く被ったその人は妖夢に二枚のカードを渡した。

妖夢「これは?」

「随分と昔のカードです。昔のカードすぎ実戦ではあまり活躍してくれないかもしれませんが、彼らは君を護りたいと言った。僕はその意見を尊重する」

「それってどういう…」

「月の化身の祝福あれ。月光降り注ぎし夜に加護あれ。彼らを信じる時、それはきっと君を護るでしょう」

「あ、いたいた。おーい、何寄り道してるの。はやく行くよ」兎の耳の女の子がローブの人を呼んでいる。あんな兎は見たことあったかな?もしかしたら…コスプレ?

「おや、見つかっちゃったか。じゃあ僕はここで失礼します。それじゃあ」

「……。月光…か」


「ん、おかえり。何かあった?」

妖夢「ローブの人にこれを渡されて…」

霊夢「月光龍と月光神龍……。随分と昔の前のカードね」

妖夢「はい。でも……」神力を帯びている。多分そう続くんだろう。私にもわかる。この二枚は本物だ。

霊夢「そうね。言いたいことはわかるわ。まずはデッキの基礎から教えるわね。実際に組むのはあとで」そこからどのようにバランス良く組むのか、カードとカードのシナジー等、デッキ構築の基礎を一時間程教えた。

妖夢「な、なんと……なく?わかりました」

霊夢「うーん、説明した後にくるこの、自分のした説明に自信がなくなるのやめてほしい」 

妖夢「いや、分かりやすかったですよ?」

霊夢「なら良いんだけど……。それにしても…白かぁ。あんまり自信ないなぁ」

妖夢「霊夢は赤でしたっけ?」

霊夢「えぇ。まぁもうすぐで白使いが来るわ」

妖夢「…?誰です?」

霊夢「チルノ」

妖夢「いや無理ですって」

間髪入れずに突っ込む。いや、何も知らなければチルノがあの異変の勝者なのは予想できるはずもないだろう。

霊夢「ま、それは来てからのお楽しみ」

阿求「そのお楽しみはすぐに来ましたよ」

チルノ「あー、妖夢久しぶり~」

妖夢「ちょ、急に抱きつかないで…」

チルノ「えへへぇ」

妖夢「霊夢、やっぱりチルノが優勝したのは信じられせん。私には無理です」

チルノ「む、失礼な。本当に勝ったのにぃ」

霊夢「まぁまぁ。チルノ、こっち座って」

チルノ「はーい。で、今日はどうしたの?」

妖夢「あぁ、私がバトスピを教えて貰ってたの」

チルノ「へぇー、それで?もう教えてもらったの?」

妖夢「ま、まぁ」

霊夢「問題はここから。チルノ、この二枚を使って良いの組める?」

チルノ「……。白速で良いんじゃない?」

霊夢「…は?確かに強いけどこの二枚は」

チルノ「まぁ、任せて。これならこの二枚を使いながらできるから」


霊夢「ま、まぁ確かにこれなら行けるか」

妖夢「系統サポートしながらかぁ…確かにこれなら」

阿求「どれどれ?あー…これなら比較的安くすみますね。高いとしたらこのカード位かな…」

チルノ「自分でも思ったより安く作れてびっくり」

阿求「………。うん、妖夢さんのデビューなら思いきりましょう」

妖夢「と、言うと?」

阿求「この38枚全部おまけします」

チルノ「え、それならせっかくだし白重にしようよ」

阿求「そこまで行くと流石に無理かなぁ…」

霊夢「いいの?売上的に」 

阿求「私のお店でもないし好きでやってる訳じゃないも~ん。少しの反抗ですよ」

霊夢「少しの反抗って…」

阿求「待っててください。今持ってきますから」

妖夢「……。あの戦想で、何があったんですか?阿求は店員やってるし…変わった所が沢山あって」

霊夢「………。聞いた通りよ。一度この世界が無くなりかけて、それでまた再生した。今ある施設は単にバトスピが流行ってたからできただけ」

妖夢「じゃあなんでやりたくないのに阿求は」

霊夢「……。またグランロロの影響を受けた異変の対策本部がここなの。結界であらゆる影響を受けないようにしてる。外部から壊されないように監視役に阿求が選ばれたの」

阿求「ええその通り。私は結界の守り人です」

霊夢「勿論、何も知らない人にはばれちゃいけない機密事項よ」

阿求「はい、カードです。一応デッキケースもつけて置きました」

妖夢「あ、ありがとう」辺りに微妙な空気が流れ込んだ。多分、触れてはいけない部分なんだろう。

魔理沙「なんだ、皆お揃いか?いやぁ疲れたぜぇ。結局20連続位はした…」

妖夢「……。誰かと思えば魔理沙ですか。帰ってこなくて良かったのに」正直、すごく安心した。この空気をどうにかできる人が来たんだから。今回ばかりは魔理沙に感謝しなくちゃいけない。

魔理沙「はい、それ!まったくぅ、泣くぜぇ?」

霊夢「そのくらいじゃ泣かないわよ。もっと厳しくやって良いわ」

チルノ「どうしたら心折れるのかな?」

阿求「無理ですよ。死んでもこれはどうにもなりません」

魔理沙「くそぉ…お前ら私の心が折れた時に後悔するぞ…」

霊夢「ないない」

阿求「……。」その場から阿求は立ち去った。久しく見る、いつもの四人の笑顔を見ながら。

阿求「やっぱり、眩しいなぁ」小さくそう呟くと阿求はまたカウンターに戻った。

魔理沙「そうだ、デッキできたか?」

妖夢「あ、はい。できたというかなんというか」

霊夢「バトルしてみる?」

魔理沙「いや、さっき散々してきたからパス。流石に疲れた」

チルノ「アタイも自分で構築したから良いや」

霊夢「じゃあ私が…」

早苗「あら、妖夢さん含めて四人で居るの久しぶりに見ましたね」

霊夢「ん?あぁ早苗か」

早苗「はい早苗ですよ。なんですかその浮きも沈みもしないやつ」

霊夢「妖夢、早苗とやってみる?」

妖夢「大丈夫なんですか?」

魔理沙「それはこいつとやって精神が持つのかっていう質問かこいつの用事とかを気にしてるのかによって解答が変わってくるな」

早苗「そんな変な人じゃないですよ…。あ、時間の方なら大丈夫ですよ」

妖夢「ならお願いします」

チルノ「初バトルだー」

早苗「あら、そんな記念すべき相手が私で良いんですか?」

妖夢「えぇ勿論です」

早苗「それなら……行きますよ」

妖夢「はい!」

早&妖「ゲートオープン 界放ッ」


妖夢「わぁ、本当にこれた!」

早苗「凄いでしょう?先攻後攻、どうしますか?」

妖夢「先攻頂きます。機巧犬キシュードック召喚してターンエンドします」

早苗「なるほど、白ですか。ではイチバンスピアー召喚してターンエンドですね」

妖夢「鉄砲機兵タネガシマ召喚、リーディング・オリックス召喚。バーストセットして、タネガシマでアタック」

早苗「ライフで受けます」

妖夢「ターンエンドします」

早苗「さまよう甲冑召喚。効果で一枚ドローしますよ。ターンエンドです」

妖夢「ウル・ディーネを召喚してソウルコアを乗せます。氷楯の守護者オーシン召喚」

早苗「しっかりと固めて来ますねぇ」

妖夢「ウル・ディーネでアタックします。アタック時効果で1コアリザーブに起きます」

早苗「マジック、白晶防壁をソウルコア込みで使います。戻すのは…リーディング・オリックスで良いですね。このアタックはライフで受けましょう」

妖夢「ターンエンドです」

早苗「ではでは、バーストをセットしまして。行きますよ!」

妖夢「もう何か来るんですか?」

早苗「ライフを削るのは相手にコアを渡してるというのもお忘れなく!」

早苗「戦国の世 その名を刻む我が魂。刀を取れ、野を駆けよ……燃えよ 燃えよ!燃えよッ!大六天魔王 ここに罷り通らん!ゴッド・ゼクス召喚!」 

妖夢「もうキーカードが!?」

早苗「キーカードが特にない速攻に教えてあげますよ。地獄はここからだと……ね?ターンエンドします」

妖夢「えぇと……。えーと…。ウル・ディーネ召喚してウル・ディーネでアタックします」

早苗「イチバンスピアーでブロックします」

妖夢「破壊時にバースト発動します。機巧将軍ダイゴンゲン、スピリット3体を手札に戻します」

早苗「ゴッド・ゼクスは相手のスピリット、マジックの効果を受けませんので、場に残ります」

妖夢「くっ……。ウル・ディーネでアタックします」

早苗「フラッシュタイミング。白晶防壁をソウルコア込みで使います。オーシン、戻りなさい。ライフでライフで受けます」

妖夢「ターンエンドです」

早苗「イチバンスピアー、さまよう甲冑を召喚します。ボーンダイル、ジャコウ・キャットを召喚。召喚時効果でウル・ディーネを手札に戻して連鎖を発揮します」

早苗「1枚ドローして……えぇ、ターンエンドします」

妖夢「アタックしないんですか…?」

早苗「はい。ターンエンド。どうぞ進めてください?」

妖夢「ではオーシン、ウル・ディーネを再度召喚します。………んん……」

早苗「速攻デッキで速度を失えば直接的な負けに繋がりますからね。それに、六天連鎖が発動すればさらに苦しくなりますよ」

妖夢「そうですね。ターンエンドです」

早苗「さて、終わらせましょうね。まずはゴッド・ゼクスからコアを全て取り除きます」

妖夢「自分から!?」

早苗「世界の神の姿を借りこの世界に現れよ。消えよ、そして誕生せよ!ゴッド・ゼクス  -ロロノ型-召喚」

早苗「召喚時効果発揮。お互い、全てのスピリット、ネクサスを破壊」

妖夢「オーシンの効果で私のスピリット達は疲労状態でフィールドに残ります」

早苗「さらにッ!六天連鎖発揮します。トラッシュの系統天魔王を持つスピリットを好きなだけ召喚します。再び召喚、天魔王ゴッド・ゼクス!」

妖夢「そんな…」

早苗「最後です。ゴッド・ゼクスでアタック。フラッシュタイミングですよ!」

妖夢「まだ何かあるんですか……」

早苗「消えよ、これは終わりを告げる最後の魔王。ひれ伏せ、そして絶望するが良い。大六天魔王はここにある。安土の城はここに存在する!終ノ型……降臨」

早苗「名証 ゴッド・ゼクスを持つスピリットカードと同じ状態のまま手札のこのカードと入れ換えます。対象は勿論、ゴッド・ゼクス。そして、六天連鎖によりシンボルを各色一つずつにします」

妖夢「という事は6つシンボルがあって……敗けじゃないですか」

早苗「その通りです!さぁ、ラストコールを!」

妖夢「……。いえ、まだ終わりませんとも」

早苗「なんですって?」

妖夢「私を信じて来てくれたなら私が今度は信じる番です。フラッシュタイミング、マジックホワイトポーション使用。キシュードックを回復、ブロックします」

早苗「くぅ、しかし、私は絶甲氷盾を伏せています。貴方の負けですよ!ターンエンド」

妖夢「いえ、これで終わりです」

早苗「やけに自信がありますね。なら見せてみてくださいよ!その切り札とやらを!」

妖夢「すぅ……はぁ。召喚口上……ですよね。ちょっとやってみるかな…
暗闇に光る一筋の光。この月光が貴方の見る最後の景色だ。月光龍ストライク・ジークヴルムよ 夜空と舞え!」

早苗「その一枚ではどうにも…」

妖夢「仕上げでです。霊銀魔神召喚。ストライク・ジークヴルムと合体。アタックです!」

早苗「くぅ…Wシンボル…アンブロッカブル。ロロがブロックできても負けですね。えぇ、ライフで受けます」
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霊夢「二人ともお疲れ。良いバトルだったわよ」

魔理沙「ただ早苗。ロロノ型出さない方があそこは強かったかもしれないぞ?」

早苗「はい、思ったより速度が追い付けなくて焦りましたね…。あとロロ使いにくかった…」

霊夢「だから朱に染まる六天城容れろって言ったじゃない」

チルノ「まぁそんな事より……」

霊夢「そうね…」

魔理沙「だな」

早苗「次は絶対に負けませんとも」

一同「妖夢、初勝利おめでとーーう!」

妖夢「皆、ありがとう!」

早苗「泣くことないですよ!」

妖夢「ゴッド・ゼクス怖かった…」

魔理沙「だから精神的に大丈夫か聞いたろ?」

妖夢「言ってくださいよぉ!」

チルノ「まぁ、皆あんなもんだよ……」

霊夢「チルノ、あんたが一番えげつないわよ」

妖夢「え、そうなんですか?」

チルノ「そんな事ないよ~」

今日も晴天。新しい仲間も加わり良い一日だ。明日は何が起きるかな?きっと……良い日に…。


姿を現す翡翠の翼。その目的はなんなのか、そして妖怪の山での騒ぎの正体は?
              [謎の風使い再び 言えない約束]