先日記事に挙げさせて頂きました、米のストークセラピューティクスによって開発された、RNAを標的とした治療法(2020年Dravetに対する臨床試験開始目標)についての新しい情報です。
アメリカにおいて11/30〜12/4の間行われているてんかん学会において、この治療法の前臨床試験の結果が発表されたようです。
実験の方法やその結果等が詳細に記載されているようですが、取り急ぎ末尾に記載されている"SUMMARY&CONCLUSIONS"(概要と結論)の部分の和訳文(Googl翻訳)を掲載させて頂きたいと思います。
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・TANGOは、SCN1Aハプロ不全によって引き起こされるDravet症候群に対処するために非生産的pre-mRNAスプライシングを利用する。
・本発明者らは、ヒト神経前駆細胞、野生型C57BL / 6Jマウス、およびScn1a + / - Dravet症候群マウスにおいてこの概念を試験することにより、このアプローチの可能性を実証した。
・我々は、ナンセンス媒介性mRNA崩壊(NMD)誘導エキソンの含量を減少させ、生産性mRNAを増加させる配列を同定した。
・リードASOのインビトロ効力を評価し、167nMのEC50を有すると計算した(示さず)。
・選択されたASOは、Dravet症候群のマウスモデルにおいて、Scn1a mRNAおよびNav1.1タンパク質レベルを回復させるインビボで活性である。
P2で投与される単回用量のASOは、Dravet症候群マウスにおいてSUDEPを救済する。
我々は、SCN1Aハプロ不全によって引き起こされるDravet症候群に潜在的に対処できるユニークなアプローチを検証した。このアプローチによる発現の回復は、内在性SCN1Aプロモーターの下での調節を保持する。このアプローチは、既にSCN1Aを発現している細胞のみがASO治療に応答してその発現を増加させることができるので、より良い安全性プロファイルに変換することができる。さらに、CNSへのASOの送達は確立された技術であり、複雑な送達システムを必要としない。最後に、AAVベースの遺伝子治療とは異なり、mRNAのサイズはこのアプローチを介した制約ではありません。
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難しい専門用語が並び、全てを理解する事はできませんが、理解できた(と、思われる)部分を私の言葉で要約させて頂きたいと思います。(が、間違えていたらスミマセン)
この研究に用いられたASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド→核酸医薬)は、Dravet症候群マウスモデルにおいて、生体内で有効にScn1a mRNAおよびNav1.1タンパク質レベルを回復させた。
一回のみ投与されたASOは、Dravet症候群マウスモデルを突然死から救った。
この方法は、内在性SCN1Aプロモーター(「プロモーター」: 転写(DNAからRNAを合成する段階)の開始に関与する遺伝子の上流領域)の下での発現量調節を保持する。
中枢神経系(CNS)への送達技術は、既に確立されており、複雑な送達システムを必要としない。
ウイルスベクターによる遺伝子治療とは異なり、この治療法においてはmRNAのサイズについては制約条件とならない。
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今後は来年2019年に予定される霊長類における試験と毒性試験を経て、2020年臨床試験開始目標のようです。
来る日も来る日も願い続けているDravet症候群の根本治療が実現する日が、すぐそこまで近付いている気がしてなりません。
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ぜひ、お1人でも多くの皆様のご協力をよろしくお願いいたします。