「春が、2階から落ちてきた」
予告編も、本編でも、出だしはこのせりふだった。
他にも、印象的なせりふがたくさん詰まった作品。
原作は読んでいないけど、セリフのほとんどは原作そのままなんじゃないだろうか。
全体的に小説ちっく。
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべき」
この言葉が象徴するように、扱っている内容は重たいけれど
それを感じさせないようなふんんわりとした空気が漂う。
それは小日向さん演じるお父さんやお母さん役の鈴木京香さん、
そして兄・泉水の加瀬亮さんの雰囲気にも言えることで、
まあそれが逆に切なさ倍増でもあるんですが。
弟の春(岡田将生)は、妻がレイプされ出来た子供。
妊娠が分かったとき、夫は神様にどうすればいいか聞いたら神様はこう言った。
「自分で考えろ」
そうして生まれてきた春は、きっとまだ何も分からない幼いころから、
狭い町で、心ない阿呆なやつらからいろいろと言われてきただろう。
春だけじゃない、家族みんなきっと苦しんだだろう。
子供の頃のアルバムを開けばそこには、
いつもお兄ちゃんと同じ格好や表情を真似する弟が映っている。
自分だけ絵が上手なことや、自分だけお父さんに似ていないことを誤魔化すように。
「楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて消してしまえるんだよ」
”楽しそう”と、”楽しい”はちがう。
でも、”楽しそう”にしていれば、次第に自分も楽しくなるし、周りも楽しくなる。
ただ楽しそうにふるまっていただけではない。
本当に楽しい、幸せな時を過ごしたのだと思う。
そうやって生きてきたこの兄弟の、家族の絆は深い。
「俺たちは最強の家族だ」
弟は、世間で言うところの”罪”を犯す。
「警察に行くよ」と言った弟に対し、
「おまえはこれまで何百回、何千回と考えてきたんだ。
このことをお前以上に真剣に考えてくれる人はいない。
だから警察も裁判官もお前を裁くことはできない」と兄は言った。
父はすべてを悟ったけれど、問いただすことは無かった。
「春は、嘘をつくとき必ず唇を触る。俺に似て、嘘をつくのが下手だな」
「これからどうすればいいのか、神様に聞いてたんだ」
「神様は何て言ったの?」
「なにも言わない」
罪を償うべきだとか、そっとしておいてあげたいとか、
観た人によっていろんな想いがめぐるラストでした。
どうだろう。とにかく幸せになって欲しいです。
・・・感想というよりただあらすじを自分なりにまとめただけのような・・・
とにかくじんわりと後を引く作品でした。もう1回観たいな。
あ、音楽もすばらしかった。主題歌がほんと良かった。
★★★★★