<トラウマ>
前編の②は昭和末期の話ですが、30数年前の話にしては結構、細かく書けていると思います。
何故かというと、日記が残っていたから。
もちろん、そんなに詳しく記録されてはいませんが、この頃のことって、ちょとしたキーワードで、バンバン記憶が復活してきます。
まだ十代で、東京へ出てきたばかりの、いろいろと熱かった時期だからですかね。今だと、今日あったことも忘れちゃうような、恍惚予備軍なんですけど。。
それにしても、巨大黒Gに頭に乗られたというGショック体験は、その後、消せないトラウマになってしまいました。
今でも夏場に暗い部屋に入って、電気を点灯する一瞬には、結構な緊張感があります。
警戒態勢をとりつつ点灯し、すばやく360°全方位を目視G確認して、天井にも目をやります。
物音にも過敏になってしまいました。ちょっとした物音にもGの存在を疑います。
音のしたあたりにいちいちGジェットプロを噴射したりするので、気管支弱めの長女によく怒られます。
東京では夜の繁華街を歩いていると、物陰から黒Gが走り出てくることがあります。
これは強烈に心臓に悪いんですが、同時に猛烈な殺Gスイッチが入ってしまいます。我を忘れて踏みつぶしに行ってしまいます。靴の裏が汚れようがかまいません。
とにかくバンバン踏みつけに行きますが、やつも必死で逃走しますので簡単にはやられません。傍から見ると、中年じじいが突如、狂ったように踊りだす構図になります。
本当に滑稽な醜態をさらすことになりますが、猛烈な殺意に対して理性は無力です。自分ではない何かに突き動かされています。
ちなみに、おっちゃんは心霊現象が起きる部屋とGがいる部屋、どちらかで一夜を過ごさなければならないとしたら、120%心霊現象の部屋を選択します。(何の選択じゃ💦)
もともと霊感ちょっと強めなんで、慣れてるってのもあるんですが、Gの方が圧倒的に恐怖です。
<帰還>
さて、なんとも稚拙な余談で脱線しましたが、松屋で朝定食を食っているくだりのところから再開します。
松屋の朝・納豆定食は北関東民にとってはなんともありがたいサービスです。
猛烈な恐怖と怒りと疲労でポッキリ折れかかった心が、ソウルフードの癒しでかなり回復してきました。
大分、戦意が戻ってきたのを感じ、ロータリーの向かいにある西友で、殺G兵器の調達をしようと考えました。
ちなみにこの昭和末期に、対G兵器として何があったのか、ちょっとネットで調べてみましたが、
①燻煙タイプ(バルサンのようなもの)
②殺虫スプレータイプ
③毒餌タイプ
④捕獲ワナタイプ
といったところです。令和の現代とラインナップはほぼ変わりません。
日記によるとこの時、西友で「キンチョール」なる殺虫スプレーを調達して、アパートへ帰ったようです。
「キンチョール」は、今も販売されていて「ハエ・蚊用」となっていますが、当時は缶にGの絵も書いてあって、汎用的な殺虫スプレーとして売られていたように思います。(間違っていたらすいません。)
これを選んだ過程は思い出せないんですが、うっすらとした記憶では、本当は「バルサン」を買いたかったんだと思います。
「バルサン」は当時、別人のようにデ〇って世間を驚かせた、渡辺徹氏がテレビCMをやっていましたが、「すみずみまで効く~ゴキっブリにバルっサン!」って歌に乗せてCMをバンバン流していましたので、G空白地域で育ったおぼっちゃんでもよく知しる対G兵器でした。
殺虫剤をえらい勢いで吹き上げて、部屋全体に充満させるという、かなり過激な化学兵器ですから、狭い四畳半で使用すれば、間違いなくやつを抹殺できそうです。
しかし、ネットで取り扱い説明書を見ると「食器、布団、衣類等は部屋の外に出す」といったことが書いてありますから、当時もそれを読んで、四畳半一間で使用するのは無理だと判断したんでしょう。
賢明でしたが、これが後に響きました。
さて、キンチョールをぶら下げてアパートまで戻ってきました。時刻は午前10時頃だったでしょうか。扉の前に立つと、自分の部屋だというのに、異様な恐怖とプレッシャーを感じます。
当時はGが夜行性であることなど知る由もありませんから、扉を開けた瞬間に上からやつが落ちてくるんじゃないか?走ってこちらへ向かってくるんじゃないか?いろいろな妄想に苛まれて、戦意がぐらついてくるのを感じました。
逃げたくなる気持ちをなんとか抑えて、鍵を開けました。続いて扉をゆっくり開けましたが、恐怖心からか、少し後ずさりして腰が引けています。
開いたドアからそーっと中の様子を伺うと、東向きの部屋なので、午前の日差しが部屋を燦燦と照らしているのが見えました。当然、やつが飛び出てくるなんてことはありません。
慎重に歩を進め、部屋の中央に立ちます。1回転して360°隅々まで部屋の中を見渡します。
9時間前に出て行った状態から何も変化はありません。部屋は静まり返っており、一見何事もなかったかのような空気に満たされています。
しばらくその場に突っ立っていましたが、日差しに照らされているうちに、少しづつ恐怖心が和らぐのを感じました。
とりあえず、部屋の隅に腰を下ろして少し様子をうかがうことにしました。しばらくじっと聞き耳をたてていましたが、物音ひとつしませんでした。
次に思い切って、昨夜やつが裏に逃げ込んだテレビ台や、その隣の書棚を少しゆすってみました。。やはり何も反応がありません。
どこかへ出て行ってしまったのではないか?
心の片隅からムシの良い楽観論が湧き上がってきます。
部屋の隅に座って、またしばらく様子をうかがっていましたが、時間が経つうちに溜まった疲労のせいか、体のだるさが気になりだし、瞼が重くなってきました。
ちょっとだけ。。
その場で横になってしまいました。。意識を失うのは一瞬でした。
→④へ続く。
※すいません。くだらんこと書きすぎて終わりませんでした。m(__)m