食べ物がのどに引っかかる | 口腔乾燥症ドライマウス 唾液過多症(流涎) 味覚障害 嚥下障害
[食べ物がのどに引っかかる]

(福井新聞  2014年4月10日)(ふくいのドクター相談室)


5年ほど前から、食べた物がのどに詰まり、引っかかるように感じます。
耳鼻咽喉科で診察を受けましたが、異常はないと言われました。
初めは年に2、3回程度でしたが、最近では食事のたびに症状が出ます。
不安で食事が楽しくありません。
(越前市、60歳女性)



【お答えします】津田豪太・福井県済生会病院耳鼻咽喉科主任部長

<のど、食道、胃の検査を>
のどの飲み込みにくさが徐々に悪化されているようですので、まずはもう一回
耳鼻咽喉科を受診し、喉頭内視鏡でのどを詳しく検査された方がいいと思い
ます。
以前は異常がなかったとのことですが、やはり症状が悪化しているのどに
腫瘍やまひがないかを調べることは重要です。


のどに問題がなければ、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で食道や胃などを
調べることをお勧めします。
近年増えている胃酸の逆流による胃食道逆流症では多くの方が胸焼け感・
胃もたれなどを訴えられますが、自覚症状としてのどの詰まり感も少なくは
ありません。

逆流症以外にも食道の腫瘍や狭窄なども調べられますので、胃カメラはやはり
必要になると思います。


それでも異常がなければ、バリウムを使った造影検査を行います。
実際の食物の通りを調べるには忘れてはならない検査です。
普通のバリウムでもいいのですが、当科ではバリウムにとろみを付けたり
半固形に固めて、より食事の場面に近い形態で造影検査をしています。



<鉄欠乏性貧血などでも症状>
女性に比較的多い鉄欠乏性貧血が高度になった場合や、舌炎と嚥下障害を合併
するプラマービンソン症候群、口腔乾燥症(シェーグレン症候群)などでも、
のどの詰まり感や飲み込みにくさという自覚症状が出ることはあります。


貧血を疑う時には採血、乾燥を疑う時には唾液の量などの検査が必要になり
ます。
担当医とよく相談し検査と治療を受けてください。





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