08/12/12-14 週末三連戦 日曜日編
前日の業務は忘年会で23時まで拘束。
それでも、幹事という役職にも関わらず一次会で退席するふてぶてしさ。
酒を飲むことなんざ鉄活動の前にはひれ伏してしまう。
というか、ここ一年近くは深酒と言うほど呑んでいない。
強いて言えば某鉄道会社の研修で飲ませていただいた高くて美味い日本酒を飲み過ぎた記憶がかすかに在るくらい。
何しろ、飲みは殆ど金曜日。
金曜といえば、休日の前。
休日といえば鉄に出る。
鉄といえば運転が付きまとう。
そりゃ、一回飲みに行けば朝までコースだって当然あるのだ。
そのまま出撃すれば飲酒運転になってしまう。
と言って、毎週のようにある飲み会には出席もしなくなった。
運転する12時間前からは出来る限り飲まない事を心がけている。
今回の出撃も某氏に同乗させて頂いての出撃である。
なので、運転することは無いのではあるが、やはり酒臭い状態で行くのも失礼であるし、私自身も撮影にならないので控えている。
そもそも、朝まで飲んでそのまま出撃では最後まで体力が持たない。
朝まで飲む彼らはそのまま家に帰って休日を一日潰す覚悟で呑んでいるのだから、それに付いて行くと言うこと自体が無謀である。
さて、某氏との出撃なれば行き先は言うまでもない。
向かうは置賜地方。
午前5時。
大分寒くなってきた、某所での集合。
初めての出撃の頃は冷たい缶コーヒーにクーラーボックスがありがたかったものだが、今では暖かい缶コーヒーがありがたい。
いつもの流れで高速移動で一気に山形に入っていく。
途中、笹谷峠では峠のサミットに近づくにつれて路面が白くなってくる。
周囲の木々も真っ白だ。
流石に飛ばす行程でもないので安全走行で峠を越える。
こりゃ、置賜、米坂沿線はヤバイかもですね。
いや、ヤバイと言ってもそれはすなわち雪景色である。
まだ見ぬ米坂の冬の情景を妄想しながら、車はサミットを越え、山形(村上)盆地へ降りていく坂道に差し掛かる。
はい、言っちゃいました、日曜の出撃は米坂線。
前日、いつものように机上作戦会議というか、携帯上作戦会議に持ち越された出撃計画は実行に移されることになる。
いつものようにヤ○ザキパン輸送トラック、通称”パン列車”を2車線区間で回避し、国道13号線が置賜盆地への下り坂に差し掛かる頃、雲に覆われた空も少しずつ明るくなってきているのを感じる。
そのまま113号線へ右折する。
山形鉄道と併走し始める頃、辺りの様子は我々の予想とは大きく違った様子であった。
この地域入ると行程の指針となる運用表とダイヤグラムを広げだす。
ダイヤを見ていると、1123Dの今泉発車もうすぐじゃなかったかと判明する。
運用表を参照すれば ←米沢 国+赤 坂町→
多分間に合わないだろう。
今泉発車まであと数分だ。
総合病院の前を通過し、間もなく今泉の跨線橋。
さぁ、今泉駅に1123Dはいるか?
「いた!後ろ国52。テールライトがエロイです。撮りたいです。」
「お前は何を行っているんだ・・・・」と言いたそうな某氏。
いつもならここで道の駅飯豊の休憩が入る所だ。
と言いつつ、「手ノ子発車何時?」と聞いてくれるのがありがたい。
時刻表で手ノ子の発車時刻を調べ、そこから+3分程度の撮影地を考える。
「少し、頑張るよ。」
笹谷であんなに自重していたにも関わらず、ここで頑張れる理由は何か。
先程、”辺りの様子は我々の予想とは大きく違った様子であった。”と書いた。
そう、置賜地域、雪が全くと言って良い程無かったのだ。
拍子抜けも拍子抜け、路面はただ湿っているだけの状態。
これなら安心して運転できると言うのも頷ける。
さっきの笹谷に比べたら比べ物にならないくらいの路面状況。
道の駅飯豊、通過。
そして、この辺りからようやく辺りの畑に雪が見られるようになってきた。
周りの山の木々も雪化粧をしている。
良い雰囲気になってきた。
手ノ子の駅前の集落を通り抜け、国道が峠へと高度を稼ぎ出す頃、現着。
既に鉄らしき品川ナンバーの車がスタンバっていたが、我々の到着と共に何処かへと走り出す。
結局、列車通過の5分前には現着。
機材のセッティングを頑張る。
寒い。そして、白い。白いよ!雪だよ!
元々雪の余り降らない地域の出身であるので、やはり雪というものに興奮する。
寒いけどアツくなって来た。
更にアツくさせるのは、この雪で白くなった山間、縫う様に敷かれた鉄路。
これよ、この興奮がローカル線の醍醐味なんよ。
機材セット完了。
遠くで気動車のエンジン音が轟く。
時刻は1123D手ノ子発車時刻。
出ましたな。
ゴォォォォォォン と唸りを上げるエンジン。
暫くして踏切も鳴りだす。
ここは列車の接近が分かるから楽だ。
カタンコトン カタンコトン
普段貨物を撮っていると、彼らは90km/hも越えるような速度で、ガガタンガガタンガガタンガガタンとけたたましく通過していく。
しかし、この米坂線では、綺麗なカタンコトンという音を聞くことが出来る。
そう、これもローカル線の醍醐味。
勿論、貨物のあの力強さも大好きではあるが、それとは別次元でこの雰囲気も好きである。
目の前で更に力を込めながら、峠を登っていく1123D、赤+国52。
ケツ打ちで、尾灯がエロい国52を頂く。
撮って、流石に悦に浸る。
いや、良い写真が撮れたからではない。
そんな悦に浸れるような写真を撮ってみたいものではあるが、なかなかそんな腕も無い。
ただ、撮った後、ファインダーから目線を外し、雪の中の峠を力強く登っていくキハ52の姿に思わず感動してしまったのだ。
デリカシーの無い国道を爆走する車が若干そのムードを引き裂いていった感があるが、それでもここで見たこの光景も一生忘れないと思う。
良かった、岩泉の朝の和井内や新伐採地も忘れないだろうが、米坂にも着実にそういうシーンが刻み込まれてきているのを感じる。
夏、秋、そして冬に突入した米坂線を撮る。
それでも体は正直で、ひゃぁ寒い!と車に戻る。
再び走り出す。
飯豊町付近なれば雪の雰囲気もある。
折りしも、椿までの運用である1125Dが間もなくやってくる。
椿までなのでキンチョー看板のポイントをセレクト。
既にこの付近の道や踏切付近は道路のスプリンクラーが作動し、水をちょろちょろと出していた。
雪もそれなりに降っていて、カメラを守るのにハンカチで頑張らねばならなかった。
1125Dは 坂町側から 赤+青52
いや、完全に真っ白な情景と言うのも良いのかもしれないが、これはこれで好きな雰囲気だ。
手前の田んぼは夏、秋と色々な変化を見せてくれた。
そして冬になり、刈られた後の水田に薄っすらと雪が。
続いて1128Dを撮るために再び峠へと向かう。
例の宇津トンネル手前の築堤付近も雪で良い感じに。
ここもスルーし、トンネルへ入っていく。
さぁ、峠だ。
トンネルを抜けたら、雪国かな?
ワクワクしながらトンネルを抜ける。
「あ・・・・・れ・・・・・・?」
雪が無い。
トンネルを抜けた先には、雪は無かった。
ははは、見事に溶けてやがるぜ。
それでも、山のある一定の高さからは樹氷が綺麗に着氷している。
あそこが気温が下がるラインなのか。
取り敢えず雪は期待出来ない。
明沢、綱取と見て周り、いずれも雪無し。
綱取の時点で1128Dの時刻も迫ってきて、結局明沢に戻って撮る事にする。
ここも山の一定のライン以上のみが白く綺麗。
若干、下の風景が寂しい気がするが、そこは国鉄色の紅一点だ。
やはり、この色は映える。
国鉄色の凄い所は、こんな風景でも綺麗に収まるところである。
何も国鉄色偏重主義的な考えで見なくとも、収まりは良いと思える。
続いては本命A1運用の3822D快速べにばな。
それも久々の登板となるタラ+国52コンビ。
こいつを何処で撮ろうか。
某氏の申し出で赤芝はどうだろうかと言うことになった。
まぁ、時間はある。
松岡周辺の偵察もしておこうと言って伊佐領を過ぎて、トンネルで山をぶち抜く国道から逸れる。
ここは、某氏とのキャンピングカー作戦でふらっと入って、意外と気持ちの良いポイントが点在する箇所だと思っていたので、少しじっくり見てみたかったのだ。
いやはや、以前より見たことあるような有名ポイントも多いにも関わらず、なかなか現道と違って大きく山を迂回するルートなのでなかなか入って来なかったのだ。
来てみればやっぱり撮ってみたいアングルがいくつか点在する。
一通り偵察して、それでは、ここは2発目ということで赤芝へ移動を開始する。
赤芝に到着。
赤芝もある一定以上のラインで樹氷状態。
靄もかかってなかなか綺麗な景色だ。
ここは国道の橋の道路脇のスペースも広く、割りと安心して撮れるポイントでもある。
赤芝は奥の山の雰囲気も悪くないが、それより前から気になっていたのは岩肌むき出しになっている渓谷である。
かつて、観光地として赤芝峡を利用したような形跡が各所に見られるくらいだから、それなりに景色が綺麗なのは勿論である。
残念なことに観光資源としての利用は失敗したようでは在るが、赤芝峡は変わらずその雄大な景色を当時から守り続けていることだろう。
待ちは一時間。
短いくらいだ。
後から人が来たので我々もセッティングを開始。
アングルの確認後、カメラを外して待つ。
靄も消え、樹氷が綺麗だ。
後の作戦も考えつつ、あと10分程で3822D快速べにばなは金丸を出る。
再びカメラを持って、三脚の元へ。
先程まで消えていた靄は再び張り出してきた。
やはり、あそこから上で気温が違うのだろう。
しかし、丁度樹氷のラインと同じ高度に靄がかかる。
若干かかるのなれば良いのだが、モクモクと発達している。
ちょっと、靄出すぎだろ・・・・。
結局、列車通過時には樹氷は完全に隠れてしまった。
さぁ、松岡に間に合うか。
無理臭い雰囲気が出てきた。
何しろ、あの国道を制限ピッタリで走る車が先頭である。
終わった。
小国の町を出た頃、我々の車の真横には国52+タラが走っていたのだ。
併走状態。
さながら某漫画なんとかD状態。
米坂の52はダウンヒルでも遅いけどね!
異種間競争だけど、国道VS米坂線。
勝つのはどっちだって?普通なら国道です。
しかし、胸糞悪くなるくらい遅い車が先頭を走っている。
オレンジラインは抜くことも許されない。
完全併走状態で松岡の駅の手前まで来てしまう。
松岡はこの時点で却下、一気に沼沢のトンネルぶち抜きのポイントへ向かうことにする。
それにしても、こんな主要国道であのスピードはむしろ罪だぜ。
それでもここは我慢してどうにか某ポイントへ。
急ぎセッティングし、構える。
1分もしない内に列車が来る。
キター!
やっぱりここ、良かった。
雪降った後に、また来たいポイントの一つである。
さて、ここから時間が空く。
新型気動車でも撮ろうかと思案していれば、そういえば日曜なら9565レが撮れるじゃないか。
栗子越えて、どうにか間に合うかも?
なればと移動開始。
しかし、南部の時間がさっぱり分からない。
今までの話では、仙貨から出てくる時は1655レの続行で変わりないようではあるが、岩沼以南の時間はまちまちであるらしいのだ。
ある人は通過が14時ちょい過ぎで常磐で92レ撮ると掛け持ちが難しいと言い、ある人は14時半頃で余裕でしたという話も聞く。
全くもってワケが分からん。
唯一の神頼みではないが、某氏に問い合わせてみる。
しかし、某氏ですら正確な時間が読めない嫌らしい列車であった。
それでも目安を教えていただけ、大変助かった。
どうにか間に合いそうだ。
おもいでページェントもDJを忘れたために、某氏に時刻の確認のお願いをし、お陰で気分が楽になった。
おもいではかの列車通過予想より一時間後である。
栗子を越え、飯坂を抜けて、豚小屋の裏へ入っていく。
なんちゃって鉄なので、某神社裏に引き続きここも初めて。
第一印象は第二根廻・・・・。
根廻より若干直線が長いように感じなくも無いが、あっても2~1スパン分の差であるように思う。
撮ってみても、根廻の応用が利く。
普電を数本挟み、平野から峠に差し掛かるナナゴの姿を上から眺める。
雄大な景色である。
12号機もスカートの色が濃くなった。
9565レ 短いっ! 参考までに、通過時刻は丁度92レが信号所を出る頃である。
久々のトップナンバー1号機。
華
JT車とか未確認過ぎる。
ここで更に某氏も加わり、思いで号を待つ。
因みに、某氏がたくさん出てくるが、誰が誰かはご本人達しか分からないのをご容赦いただきたい。
個人情報保護がなんとかって方針である。
さて、三人でおもいでページェントを待つが、貝田を出る時刻になっても来やしない。
いや、明らかに遅れているのは分かるのだが、それにしたってである。
何か車両故障でもあったのか、おもいでは現れない。
オマケに現地はどんどん気温が下がってきている感じがあって、寒い。
おもいでを撮れば帰還できるだけに、こんな寒い場所で待つことになることに若干心も寒くなってくる。
速く来てくれ・・・・。
三人とも、同じ思いだったと思う。
ようやく、何も無い時間に下り接近が入る。
来たか?
カレー色だ、来た。
平地から峠へ、余裕の表情で登ってくる。
なして遅れた~。
おめのせいで寒かったぞ。
お疲れ様でした。
全撮影終了です。
撮影を終え、ゆったりと車に戻り、帰還準備をする。
綺麗な冬の夕陽を見ながら、我々は下道で仙台への帰路に就いた。
「次こそは雪を。」と、軽く話し、早朝に会った某所で、別れたのであった。
拝啓 ○○支社様
○○支社様、C11は壊さないでくださいね。
試運転行かないと思っていましたが、ライブカメラ良く見れば雪も無さそうだし出撃予定中。
撮る場所とか色々と思案。
去年のデゴイチの雰囲気では、どうにでもなりそうな気もしますが。
取り敢えず、あそこの峠を越えるC11の雄姿をしっかりと収められればなと思っております。
08/12/12-14 週末三連戦 土曜日編
土曜。
遅めの7時半起床。
前日の晩に植松境と言っていたなと向かってみるも姿が無い。
携帯を見れば本郷に行っているらしい。
こういう時、気落ちが激しい。
この日は単独なんだから申し合わせして撮ることも無いだろうとも思うのだが、何処何処にいると言われるとそこに行ってしまうような性格なのにも関わらず、こうして予定が変わってくると途端に集中力が落ちてくる性格であるのもまた事実。
しかも、時間が無い。焦りだす。
なればここで撮ってしまえば良いだろうとも思うが、そうは出来ない理由があった。
ここ、植松境もポールとトラロープの魔の手が及んでしまっていたのだ。
グレーに輝くポールが目立つ植松境。
今まで散々撮ってきて良かったと思う。
ポールさん、どうしてあなたは撮影地を尽く駆逐していくの・・・・・。
あそこのように若干下から撮るような場所では特に天敵である。
急いで本郷に向かう。
先に来ていた某氏への挨拶もままならないまま、岩沼貨物がやってくる。
露出設定もする余裕が無く、オマケに予想以上に太陽の位置が低くて、結局この位置まで引っ張っても光線はダメであった。
完全に気が動転し始めている。
次は1039前の4081レ。
う~ん。
97レは1034が入ることが分かっていたので、移動する。
ここでも注意不足で大きな失態をやらかし、高崎の重鎮様に迷惑をかけてしまったという・・・・。(後で発覚orz)
1034。
続いて槻木で3089レだと移動。
途中、見覚えのある車の後ろを走行。
案の定、運転席から手が伸びて、振って頂く。
信号停止時に並んで聞けば、583の回送、9564の荷も確認してあるらしい。
流石と言うか、本当に年季が違います・・・・。
583はDJにも載っているのだろうが、最近は全くと言って良い程確認出来ていない。
3089レは予定通り。
583
おもいでページェント送り込み。
9564レ
ここで、日曜の予定を会議。
天気等の調査の後、出撃するかしないかの連絡を頂くことになって、私は業務のために帰還する。
さて、既にタイトルで三連戦と言っていることから、日曜は何処へ・・・・?
08/12/12-14 週末三連戦 金曜日編
週末3連戦。
普段通り、午前中のみの授業も終わり部室に戻る。
今から行けば余裕で92レから撮れるな・・・・。
しかし、正午頃から雨が降り出し、空には厚い雲がたちこめている。
この天気だ、露出も死んでるし出撃中止だ。
部室でゲームに興じる。
一時間ほどグダグダと遊んで、13時半。
う~ん、3052レ・・・・・。
行くか。
外を見れば雨は止んでいた。
急いで東北式号に飛び乗り、エンジンスタートと共に急発進で家へと急ぐ。
機材を積み込み、冬用防寒装備を身に纏った東北式は仙貨へと急ぐ。
3052レの仙貨発車に間に合うかは微妙な線。
既に48号線→利府街道→仙貨までの信号パターンは暗記済み。
どの程度の速度で走れば何処の信号で停まって何処の信号を回避できるかを記憶しておくことは、急いでいる時に役に立つ。
快速運転で仙貨着。
時刻は14時。余裕だ。
通行者に注意しながら三脚を立て、構える。
何か珍しい物でも来るのかと言いたげなオジサンを脇目に見つつ、私は設定を決めてゆく。
全ての設定が終わり、あとはシャッターボタンを押すだけという状態になったと同時に踏切が鳴りだす。
いつものように719系の普通電車が行き、同時に3052レは仙貨を出発。
前の釜、帯入って無い・・・・・・?
ポイントを渡ってくる釜、やはり帯無し。
番号は1036。
来たよ。
ここで悩む。
近場で3052レを撮ってから茨田付近に戻り、2082レ、1655レを撮る
or
3052レをもっと南で撮って、それから帰還か。
何故、南かといえば、遠く南の方角に若干の光が差しているのが見えたのだ。
1655レに入るであろう釜は新更新1010。
うむ、折角の赤釜だ、南へ行こう。
南と言っても、行くのは槻木である。
南下するほど雨が強くなってきた4号線を一気に南下し、槻木に出来たセブンで暖かい缶コーヒーを買い、現場へ。
こんな平日の昼間だ、誰もいない。
好きなように立てられる。
適当にスタンバって、列車を待つ。
ここで問題は天気である。
南の方で光が差していたと言ったが、それは槻木の更に南であった。
槻木はどん曇。
直前普電も微妙な露出。
やっぱり厳しいかなぁ。
雲の流れは速い。
岩沼付近がチラチラと太陽光線を受けて白っぽく光っている部分が見え始めた。
さっきまで降っていた雨の影響で虹も出てきた。
光線を望む。
来てくれ・・・・・。
流れる雲、そして、そのちょっとした切れ目。
踏切が鳴りだす。
光線は来ていない。
遠くにナナゴのヘッドライトが見えてくる。
一個先の小さな踏切を3052レが通過した時だ。
フワッとファインダー内の像が明るくなる。
来た。来た。来た。
弱いながらも太陽光が奇跡的に来た。
人間なんぞ自然の前では無力なれど、逆にそれを読むことで状況を打破する。
今回は奇跡的ではあるが、これはこれで丁度良い光線で撮ることが出来た。
しかし、やはり3052レ通過直後に再び曇り出すのだ。
続行を走る普電では太陽光は差さなかった。
気分揚々と快速運転で家に帰り、相方を連れてページェントの点灯式を見に行く。
この私、今年もページェントなんぞ一人で三脚担いで特攻しに行く場所だと思っていただけに、一寸先も分からぬものであると思う。
手持ちなれど、なかなか綺麗に撮れる。
去年のページェントではLレンズ様は購入前であったので、今年の撮影では多用できればなと思う。
とは言っても、殆ど広角系のレンズで撮ってしまうからL様の出番はそうそう無いと思うが。
さて、うかうかしてもいられない。
バイトの忘年会に出席する相方を見送り、私はすぐに仙台駅へと向かう。
通勤客で混み合う仙山線ホームに降り立ったところで、丁度到着したようだった。
普通の発車を待って、撮影開始。
そう、新庄に配備されるDD14が郡山から輸送されてきたのだ。
ここで久々にネタ鉄ちっくなことをし始める。
寒さ&ページェント点灯式に出るという運用の関係上、東北式号を出撃させることは不可能。
よって、電車移動と言うなんとも苦痛を強いられることになる。
いや、私、鉄なれど余りこういうことに電車使いたくないのです。
電車乗る時は完全な乗りモードでいたい。
撮り、それもネタ撮りでそれなもんだから、早く目的地に着いて欲しい一心で山王に向かう。
列車内が混んでいたこともあって、余計に早く着いて欲しかった。
到着して続行でやってくる。
続いて鹿島台。
小牛田。
北浦
と撮影し、ここで交換であり小牛田発の最終仙台行きに間に合う陸羽東線の列車に乗り込んで帰還。
金曜から疲れた。
ネタはあっても必ずと言って良い程ナナゴや貨物も関わってくるような撮影をしているので、どうしても慣れないものだ。
気が付けば、同じ様な写真ばかり撮っているところが悲しい。
こういう撮影も経験を積んでいくことで慣れると良いのだが。
それにしても、撮影してより一層DD14が雪を吐いている姿を撮りたくなったものである。
やはり、雪を吐いている姿を撮るまでDD14を撮ったなんて恥ずかしくて言えまい。
この車両、本来の姿を。
今年の冬はどうなるのだろうか・・・・。
08/11/15 「急行べにばな」を撮る。
もっと早く書いてもよかった気がする。
しかし、レポを書くのも恐れ多い。
それくらい、急行色に急行幕という組合せに畏怖の念というか畏敬の念を抱かざるを得なかった。
私ごときがそんなもののレポを書いて良いものか。
いや、だからと言ってお蔵入りにするのも勿体無い。
それこそ、ここを閉鎖する前に書かねば本当に一生お蔵入りも在りうる。
年越す前に、未執筆レポはしっかりと仕上げてしまいたいものだが。
本作戦、実質、急行幕をまともに撮れたのなんて一枚しかない。
作戦序盤にそれが出てきてしまうが、まぁ、最後までしっかりとしまって行こう。
日が落ちるまで・・・・いや、日が落ちても米坂線を堪能する二人の戦いである。
遠征作戦前日に無駄に夜更かしをしてしまう悪い癖はまだ抜けない。
小学校の遠足の前夜よろしく、やはり寝付けることが出来ない。
そうこう内に時計は午前2時を回る。
やばい、一時間でも寝なくては。
出発は3時半、いつもの場所だったと記憶している。
しかし、しっかり目が覚めてしまった私は、気がついたら3時を過ぎてて慌てて支度をするのであった。
いつもの場所、いつもの時間。
いつものように挨拶を交わし、同乗させて頂く。
西通りへの入り口へぐるっと迂回する頃から、既に作戦会議は始まっている。
どうしよう?
朝の一発目。
いや、まさか始発から撮るなんざねぇ。
笹谷を越え、13号を南下し、道の駅飯豊で休憩、そのまま国道沿いに坂町方面へ進んで行く。
ぐんぐん奥に進んでいき、金丸も通過。
当作戦本番一発目の場所を車内より再確認し、取り敢えず一発目の小国始発から撮らせていただくことに。
前々から気になっていた某集落を国道から。
民家の煙突から煙が出て来て、朝靄に溶けていく。
そんな風景の中、青+青ながらキハ52が前で来てくれた。
露出は厳しい。
流石に太陽もそろそろ顔を出してくれても良い頃なのだが・・・。
この後、某所でとある写真を撮り(後で書くかも)、無理なことせず本番に供えて某所に。
既に一人の方が三脚を立てて待機していたので、その後方に構えさせていただく。
さて、構えさせていただいた所で次の列車まで2時間、更にそこから本番まで1時間の待ちである。
確かに、D51の時に地獄の根廻り10時間待ちもやって出来ないことは無かったが、あれはあくまでナナゴの貨物等を撮りながらだったからである。
この米坂線の中でも、絶望的に本数が少ない区間での待機である。
基本的に、上記2本の列車以外は何も来ないのである。
こんなことでも待つことが出来るのだから、好きなんだなとつくづく思う。
苦難の二時間待ち後、まずは”快速”べにばな。 前は国鉄色キハ52(以下、国52)。
ウテシさん笑いすぎwww
まぁ、これを出した時点でカラクリは分かってしまうのだが、要はド真正面バリ順で頂きましょうって算段なのである。
そんなこんなでここから1時間待ちである。
普段ならこのまま国52のために快速追っかけをするのではあるが、それをすることは当然ながらやる気も無い。
もう、急行撮影モードに気持ちは切り替わる。
そして、長い長い1時間が過ぎ、トンネルの奥からヘッドライトが見えてくる。
来た。
急行幕。
続いて何処で撮ろう。
陰になるかもしれない。
幕も撮れないかも知れない。
それでも良い、あそこで撮ろう。
我々は道路脇のとても広い駐車スペースに車を停め、機材担いで国道のトンネルへ突入して行った。
そこからアプローチするといえば、あそこである。
とても珍しい道路遺構を見つつ、セッティングする。
道路工事関係者数名の命を呑み込んだ渓谷で、中空に伸びるツルを剪定するために半身のり出す。
それでも、次にここで撮れるのがいつになるのか分からない。
撮れる内に、撮ってしまおう。
新型の軽快気動車を軽くスルーし、本番に備える。
ここも、列車の接近なんぞ分からないんだよなぁ。
前駅の発時刻、今までの撮影の経験からとは言っても、そんなのはカッコつけているだけで、何となく来そうな雰囲気を感じ取っては構えるといった状態。
あぁ、恐い。そわそわする。
ごぉぉぉぉ っとトンネルから空気が吐き出されているように感じる。
要は、ピストンの要領だ。そんなのは説明するまでもあるまい。
来た。
カシャッ。
一瞬の出来事。
再び車両はトンネルへ吸い込まれていった。
いや、何処か分かる人だけ分かれば良い。
ただ、ここで撮りたかった。
100パーセント表示でどうにか急行幕も見えるが、それでも良い。
我々はこれ以上の追っかけはせず、そのまま道路遺構のマニア活動をし、次の列車に備える。
紅葉は若干逆光気味に撮るのが好きだ。
完全な順光で撮ってしまっては何の面白みも無い。
あの独特の立体感、やはり明沢で頂こう。
上の俯瞰の邪魔にならない様な位置に構える。
色々な木の種類が混在しているのが分かる。
お次は本番で撮りたい場所で陣取る。
この時点から陣取ることで少しでもリスクを回避したい。
到底、追っかけで頑張っても良い位置が取れるとは思えないからである。
それでも、撮る価値があると思うから。
本番の練習には丁度良い一本となった。
続いての反対から来る列車の運用には先日の仙山もみじで活躍した58が入る。
それも、この場で頂ける。
カツカツで余裕が無いのは目を瞑って欲しい。
またしても、ここから2時間待ち。
いや、それでも、この一枚のために。
ホント、一般人は絶対に同行させられない遊びである。
何しろ、本当に暇な時間である。
何もない、ただ、ひたすらの待ち。
そして、2時間を潰し、本番。
真っ直ぐに赤芝まで見通せるトンネルの奥にヘッドライトが見える。
一瞬だけある明かり区間、綱取りを渡り、このトンネルを抜ければ・・・。
急行幕ぅぅぅぅ!
そして、もう一枚・・・・・と、欲張ったのが全ての運の尽き。
きやのん貧弱廉価機の”おーとふぉーかす”様は見事にぶっ飛んでくれた。
腕も機材も無いシリーズ、東北式の急行色で急行幕作戦はこれであっけなく終了を迎える。
いや、撮影行はまだ続く。
これで止めては勿体無い。
先程迎撃した青58を撮りたい。
勿論、バルブの世界。
日没後、真っ暗闇の山間集落に、浮かび上がる駅。
羽前沼沢の中心で愛を叫ぼう。
丁度良いことに、青58はケツである。
何気にテールライト萌えであるし、沼沢の駅をこの方向から撮った写真は良く見る。
ゆっくりと列車は入ってくる。
微妙に、山の稜線が浮かび上がっている。
雪で真っ白になった頃、ここで急行色コンビでも撮れたら言うことない。
そしてキハよ、また会おう。
これにて、全撮影を終了する。