沢田:
で、これは原爆が爆発したところですけれど、広島は地上600mです。
長崎は地上500mですね。
ここで火の球が出来るんですけれど、その火の球の真ん中に大量に放射性物質が残っている訳ですね。
で、この火の球が急速に上空にのぼっていきます。
そうすると、上空に上がっていくと急冷気がきます。
そうすると冷却していって、その冷却したものに周りの大気から水分が付着する訳ですね。
そして水滴が出来るわけです。
それで原子雲が出来るわけです。
だから原子雲の水滴の真ん中には放射性微粒子があるわけですね。

で、これが広島の原子雲ですけれど、

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真ん中の部分はすごく上昇していて、地上から1万6000mの高さまで上がって行っています。
それから周辺の部分はですね、地上から、対流圏というところと成層圏の境目なんですね、
その境目のところに沿って四方に広がって行くんですね。

岩上:
きのこ雲というのは、その境目のところで上昇していたものが横に広がって行くと。
まさにキノコの傘のような形になるんですね。
対流圏と成層圏の境目で。

沢田:
圏界面と呼んでいるんですけど、
で、この真ん中のところは雨粒が大きいので雨になって落ちてくる訳です。
だから、これが「黒い雨」です。
ところが周辺部のところは雨粒が小さいので、落ちてくる途中で蒸発する訳です。
だから見えなくなっている訳ですね。
だけどこの見えなくなっているところには雨の水分が蒸発した放射性微粒子が充満している訳です。

この事は後で説明しますけれど、


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広島の場合は風が吹いていて雨が降った地域はずーっと北西方向なんですね。
ところが広島は爆心地から2km以内が全焼全壊地域になっていますから、
ここ(赤い部分)ですごい火災が起こって、火事嵐が起こるわけです。
そうするとすごい、今度は火災の雨が降ってくる訳ですね。
で、最初の放射性の雨が降ったところに火災の雨が降ってきて、
最初の雨を全部流してしまう。
っていう事でその後測られた時にはこの辺では、あんまり放射性降下物が分からない訳です。

国側はですね、火災の雨が降って流されなかった、この西側(緑左下の部分)の方が最高だと、
己斐・高須地域っていうんですけど、
爆心地から3kmぐらいのところですね。
「ここが最高であって、他の放射性物質は無視できる」ということを未だに言い続けているんですよね。

で、これは黒い雨がどのように降ったか?

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ここが爆心地ですよね。
爆心地から1km間隔で丸が書いてあるんですけど、だいたい2kmっていったらここですよね。
雨が降った方向が北西方向ですね。
これは宇田雨域と増田雨域というのがあって、
こっち(増田雨域)のほうが信頼性が高いなって言われているんですけれど、
雨が降ったのがですね、南東方向には雨が降ってない訳です。
それから東の方向も雨がそんなに強く降ってない訳ですね。
強く降ったのは北西方向です。
先程の放影研での黒い雨の影響が大きかったというのはこの辺(増田雨域チェック柄のあたり)な訳ですね。
それと黒い雨Noの人達はこっち側(東側)の人達、それを比べている訳ですね。

で、これは長崎です。

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長崎は真ん中の原子雲がずーっと上がった、成層圏に上がったところはすごくはっきり分かれていますね。
横に広がった雲はすごく細くなっています。
この下(薄い雲の下)が放射性微粒子になっていて、
この下(きのこの傘の下黒点のところ)が放射性の雨が降ってきたという事ですよね

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長崎は爆心地が下の方にずれていましたので、
雨の降った地域の後に降る火災の雨がそんなに強くなかったんですね。
だからこれは流されなかった。

岩上:
これ、先生のお話しの非常に重要なところは、
雨が降ったところ、
雨が降るという事は空中にあるものが落ちてくるだろうとみんな判断するんですけれども、
放射性降下物、放射性の微粒子が広がって行ったところ、
そして降り注いだところと雨が降ったところが必ずしもイコールで無いという事なんですね。
雨だけに気取られていてはいけないという、

沢田:
で、長崎の場合は先程の原子雲の形からもはっきりわかるんですけれど、
この西山地域に放射線の雨が強く降ったわけです。
で、当時の長崎市内というのはここしかなかったので、
Yesの人はここ(西山地区)に住んでいる人だけなんですね。
だから、ここに住んでいる人が700人余りがYesと答えたんですね。
そしてその他の方向はですね、原子雲が広がりましたけれど、
雨ではなくて放射線の微粒子が降っている訳です。

岩上:
雨という形ではなくて実は降り注いでいる。
でも、当の本人たちは気付かなかったりすると。

沢田:
で、有名な被ばく者の渡辺千恵子さんという方がいらっしゃるんですけど、
彼女はこの爆心地から南約3kmぐらいのところで被ばくをしているんですけど、
でも彼女は髪の毛が抜けるとか、いろんな放射線の症状があらわれているんですね。
雨は降っていない
訳です。
初期放射線も2kmぐらいでほとんどゼロになりますから到達してない。
そうすると彼女の影響は放射性微粒子を取り込んだ内部被曝の影響だってはっきりしているんですね。
でもそういうのをなかなか政府は認めようとしないというわけです。

これは長崎の雨が降った地域です。

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ここは西山地区でものすごく降ってきている訳ですね。
で、原子雲がずーっと移動して東の方に雨が降った地域があって、
その他はパラパラしか降っていないんですね。

岩上:
はい、これは本当に重要なことで、今回の311の直後ですね、
福島だけが放射性物質が降り注いだ訳ではありませんから、
首都圏、東京の人達は、ま、我々もですよ、
我々もとにかく、雨がパラパラ降ってくるという事があの何日間の間にありました。
その時に「雨にだけ打たれない」「雨にだけは」という事を、
ぼくら、たとえば同じこの会社の仲間もですね、そんな事を言ってたんですね。
しかし、雨だけに気を付けてたって、目に見えない晴れている日でもプルームは落ちてきていて、
それを浴びている。
また、取り込んでいる。
食べてしまっている。
吸いこんでしまっている。
こういうことが実は起きていたんですね。
雨だけではなかったんだ」という事を我々は改めて考えたり気を付けないといけないんですね。



ーーつづくーー