今日のテーマ

こどものいびき

アデノイド肥大について

 

 

 

 

今回はお友達からリクエストいただいたので

こどものいびきについて解説します。

テーマの提供に感謝いたしますニコニコ

 

また最近閲覧数が増え、

コメントをいただいたりして、

少しでも皆さんの力になっていたら

うれしいですニコ

見てくださってありがとうございます!

 

 

※今回一部、刺激の強い写真を含みます。苦手な方は閲覧を控えてください。

 

 

 こどものいびきの原因

  • アデノイド肥大
  • 扁桃肥大
  • アレルギー性鼻炎(花粉症も含む)
  • 副鼻腔炎

が多いといわれていますが、

今日はその中からアデノイド肥大について書きます。

 

もちろん風邪を引いて、鼻が詰まっても一時的にいびきをかくことはありますし、小児は首が短いので、舌根沈下しやすく、それだけでいびきにつながる場合もあります笑い泣き

 

また肥満で物理的に気道が閉そくされている場合もあります。

 

 

 

アレルギー性鼻炎については花粉症の記事を参考にしてください。

 

 

 

年がら年中の症状(通年性)の場合は、原因が花粉ではなく、

ダニの可能性がありますので、

一度近くの小児科、耳鼻科に増段くださいニコ

 

 

アデノイド(咽頭扁桃)とは?

以下より参照

 

上の図にアデノイドの場所を示しています。

 

そもそも、扁桃は口や鼻から細菌、ウイルスなどが侵入を認識し、防御する働き、つまり免疫機能の一部としての役目があります。

 

そのアデノイドが腫大して、

呑み込みが悪くなったり

のどの痛み

繰り返す中耳炎、副鼻腔炎(ちくのう)

閉塞性睡眠時無呼吸症候群

につながる場合があります。

 

また口呼吸が多くなるため、

アデノイド顔貌・胸郭変形を引き起こします。

 

特徴として、

口が開いている

上顎の低形成

下顎が小さい

歯並びが悪い(出っ歯・受け口)

漏斗胸

鳩胸

があります。

 

肥大は2~6歳で起こり、その後は9~10歳ころから退縮するようです。

 

 

 

 

診断は?

内視鏡

カメラで鼻の奥を観察します。

すこしわかりにくいかもしれませんが

画面いっぱいに大きく見えているのが腫大したアデノイドです。

空気の通り道を阻害しています。

手術によって気道が見えるようになったのが下の写真です。

 

 

 

 

 

単純X線

レントゲンでアデノイドの大きさを診断します。

上の内視鏡で見るものをレントゲンで簡易的に見ることができます。

 

 

 

ポリソムノグラフィー(PSG)

夜間にいびきをかいているだけではなく、酸素飽和度(血液中に酸素がどのくらい含まれているか、通常98-100%)が低下していないか、睡眠時無呼吸がおきていないか、一晩中モニターを装着して検査を行います。診察の時には、眠っているときの動画(胸とあごの動きが見えるもの)があると参考になります。

 

病院で入院して検査したり、機械だけを借りて家で行ったりと、病院によってもやり方はそれぞれあります。

 

 

 

治療

  • CPAP
  • ステロイド点鼻薬

モメタゾン(商品名:ナゾネックス)のアデノイド肥大への効果を示しています。

Berlucchi M, Salsi D, Valetti L, Parrinello G, Nicolai P. The role of mometasone furoate aqueous nasal spray in the treatment of adenoidal hypertrophy in the pediatric age group: preliminary results of a prospective, randomized study. Pediatrics. 2007 Jun;119(6):e1392-7. 

  • ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)

     キプレス、オノンなど

  • アデノイド切除術

     米国の報告ではアデノイド摘出術による治癒率は

     75~100%であると報告されている。

     手術適応は検査の結果などから重症度によって

     医師が必要性を判断します。

     一般的には3歳以降に手術が勧められます。

     免疫をつかさどるため、ある程度予防接種が終わった

     後の年齢に手術が勧められる。

 

 

 

睡眠時無呼吸は成長障害に影響することも報告されており、

体重増加・身長の伸びが悪くなってしまいます。

また昼間の眠気から学習障害にもつながります。

 

 

 

僕はアレルギー診療を中心に行っていますので、アレルギー性鼻炎とアデノイド腫大の合併をしばしば見かけます。

アデノイド切除によりアレルギー性鼻炎が改善することも報告されていますので、アデノイドが疑われるときには積極的に耳鼻科にも診察していただくように紹介しています。

 

 

 

 

 

まとめ

お子さんのいびきがあって、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、スマホで動画を取ってみてください。

呼吸が止まっているようでしたら早めに受診してください。

そこまででいない場合には、アデノイド肥大だけでなく、他に原因がある可能性もありますので小児科・耳鼻科で相談くださいニコ