アトピー性皮膚炎の患者さんの診療の中で、よく質問されることがあります。

 

塗り薬はどれくらい塗ったらいいですか?

いつまで塗ったらいいですか?

一生塗るんですか?

 

保護者の方は、自分の子供がアトピー性皮膚炎と言われること自体が不安だし、ステロイドは怖いって聞いたから大丈夫かな?などと不安に思われているのだと思います。

 

少しでも記事で不安を取り除けたらと思います。

ちなみに自分は診療の中で以下の資料を使用してよく説明しています。

独立行政法人 環境保全機構の出している資料です。

とてもわかりやすくまとまっています。

PDFを自由にダウンロードできます。

https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/pdf/ap024.pdf

 

 

①塗布量

・FTU(フィンガーチップユニット)

 

 アレルギー医師の中ではFTUという単位を使用しています。

 

 「保護者の指の1関節分の軟こうで塗れる範囲=両手のひら分」

 

 という考え方です。

 ほかによく自分が使う言葉は、

 

 「塗った後にピカッと光るくらい」

 

 「ティッシュがくっつくくらい」

 

 と話をしています。

 乳児のお子さんの顔全体に塗るなら、1FTUといった感じで塗ります。

 以下の図を参考に年齢、部位によって塗布量を変えてみてください。

 

 

 

 

 

②いつまで塗るの?

 基本的にはみなさん、湿疹が良くなったら塗るのをやめたくなると思います。 

 塗布は保護者にとって面倒な処置ですよね。

 ですが、良くなったように見えても、まだ火事の火種がくすぶっていることが多く、

 やめるとまた悪くなることがとても多いです。

 そこで僕はプロアクティブ療法を勧めています。

 これについてはまた今後詳しく説明したいと思います。

 

 ※決してニキビ治療のプロアクティブという製品は関係ありません。

 

 簡単に言うと完全に火種を消すまでは、塗布をやめないということです。

 もちろん一生塗るわけではありませんし、一回しっかりよくすることで

 その後ステロイド軟こうが不要になる人もいます。

 

 

ほむほむ先生の本も漫画で書いてあってわかりやすいので、アトピー性皮膚炎の診療をまだ経験がない若手の先生方には勉強になると思います。

 

 

 

 

ステロイド軟こうに対して、不安、忌避がある方がたくさんいらっしゃいます。

これについてもいつかしっかり自分の考えを書けたらと思います。

でもここで言えることとして、適切な強さ、使用期間、塗布量で治療すれば

ステロイド軟こうはとても良いお薬です。

 

 

 脱ステロイドでよくなった

 勝手に良くなる

 魔法の水で

 僕はお勧めしていませんし、科学的根拠はありません。

 患者さんごとに合う治療法を行いよくなればいいとは思いますが、

 安易に脱ステロイドには流れないでほしいな・・・

 

医療者の方でステロイド忌避の患者様に説明するときに、困るなら以下の本を読んでみるのはいいのかもしれません。

自分も読んで参考になりました。