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その時、安倍のデスクの内線が鳴った。
「安倍だ、長官から?分かった。はい、代わりました安倍です。 はい、利倉さんもいます。分かりました」
「五島長官ですか?」 立ち上がった。
「失礼します」 昨日のホットラインで、犯人像が浮かんできました」 攻撃はミサイルだった模様です」
「ミサイル!ですか?」 安倍が驚いて五島を見た。 ほぼ確実になりました、大統領は相当の決意で対処する方針 のようです」
「長官、まさか戦争ですか…」
「交渉のカードとしてはそれもあり得るでしょうね、総理は アメリカとの共同歩調を強調する為に共同宣言には武力行使 の容認まで盛り込む予定です」 出すのは?」
「明日の予定です、今、ステーションに向かっているシャトルで そのままロシアの衛星を査察するという要求を突き付けるつもり ですね」
「もう国連は全く無視ですか?」 国連という歯止めを自ら放棄するならタガの外れた桶のように 全世界に災厄が溢れ出します。
「総理はその点を?」 可能性は高いですね」 もう、大統領との信頼関係に望みを託すしかないですか…」 安倍は腕組みしたまま下を向いた。
「長官、自衛隊への出動命令は?」 な艦隊の展開は却ってロシア側を刺激しますので海自には」 優先させる考えのようですから動かすとしても横須賀か佐世保 の部隊でしょう」
利倉が五島に進言した。 動かせるのはゆきかぜしかありません」
「また梅田艦長に心労をかけますか…分かりました、海幕僚長 に内示しておきます。ゆきかぜには演習を終了して、そのまま 日本海に向かうように伝えて下さい」 どこまで説き伏せられるか」
三人の表情には明らかに不安の気配が感じられた。
つづく |