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「やあ、ごくろうさん」 安倍が手招きした。
「どうも、みなさん盛り上がってますね」 歓迎会なんだよ」
「新メンバー?」 やにわに梅田が立ち上がった。 「えー、みなさん本日はありがとうございます。我がチームゆきかぜも 関係各方面に多くの人材を迎えまして、益々日本防衛に実績を積み 重ねております。今日、また新たな戦力がチームに加わりましたので ここで紹介させて頂きます。副長!」
「はっ!」 今度は小林が立ち上がった。 「ご指名を受けましたので、新メンバーを発表させて頂きます。 神食満光一特命官!」
「おめでとうございます、神食満さん」 きみが神食満に水割りを差し出した。 小林に促されて神食満は席に着いた。 梅田が水を向ける。
「あっ、いえ気心なんて。小林2佐からは一から十まで教えてもらって」 単独で十分やれます」 行ってもらおうか」 安倍が上機嫌で神食満を見た。
「そんな、何言ってるんですか、僕なんかまだまだですよ」 だろう。杉本司令から連絡があったぞ、金城3尉が褒めてたって。 うちで要らないならチーム勝連に回してくれという事だった」 るんでしょ?」 安倍が手を挙げた。 「神食満君、今回のゆきかぜ中東派遣に同行してくれ。 身分は内閣官房特別調査官だ」 小林が神食満を覗き込んだ。
「あっ、いえ、ありがとうございます。がんばります」 船酔いの心配だけしておけば良いよ」 察しろ。うーん、まだまだかな」 小林が額に手をやった。 しておけという事だ」 きみが神食満と小林にお代りを差し出した。 ナッキーが灰皿を交換しながら呟いた。 高村が羨ましそうに梅田を見た。
「はい、あの時はみなさん大事なゲストでしたからね。 米軍のお座敷は、小官がきっぱりと断りました」 梅田が慌てて頭を下げた。
「そう言えばママ、今日はなっちゃん達は?」 安倍が尋ねた。 ひなが安倍を見やった。 利倉が感心しながら呟いた。
「陰陽師(おんみょうじ)?」 で有名な安倍一族だよ」 梅田がグラスを傾けて神食満に問いかけた。 キャリアは我々とは比較にならんのだぞ」 小林が神食満を睨んだ。 役人に過ぎないよ」 状況で総選挙という事態になります。いくら何でも潮時(しおどき)でしょう」 小林が冷静に分析した。
「潮時か…よし、勝負は3月だ。梅田艦長、どうか無事に帰還して下さい」 梅田は短く言い切った。安倍の問いかけへの明確な意思表示だった。 言いようのない高揚感を感じていた。
つづく |