一方、左馬之助の砦では磔台に架けられた忠文さんと
小源太さんたちが処刑されようとしていました。
 
今正に!と思った瞬間、花房の元家来たちが飛び出して
若様を助けようとしますが、罠を張って待っていた左馬之助
の家来たちに鉄砲で撃ち倒されてしまいます!
 
「出るなー!」
忠文さんの叫びも虚しく忠臣たちは全滅しました、
天を仰ぐ忠文さんたち。
処刑場を取巻いた領民たちも力無くうなだれます。 

その時、一条の閃光が上空を横切り、遠くから近づいてくる
地響きが段々と砦に迫ってきました!やがて遠くに霞んでいた
黒い影はハッキリとした人の形になりました。
 
「魔神だー!」
櫓の上の侍が恐怖に引きつって叫びます。
(そりゃそうでしょう、この大魔神、顔は緑色の形相で体は
古代の埴輪の武人像をデカクしたような身長5mはあろうか
という戦闘スタイルの怪物なのです。
こんな鎧兜の巨大ロボットがズシンズシンと迫ってきたら
間違いなく子供は大泣きするし誰も神様とは思わないでしょう。

劇場初公開時の子供たちの反応はどんなものだったのか
気になるところです・笑)
 
城門まで達した大魔神が右手を振り下ろすと頑丈そうな門が
砕けました!
(彼は右利きだったのですね・笑)これを見た城兵たちは
仰天して我先に逃げ出します(こんなのに来られては絶対
敵わないともう本能的に察したのでしょうね・笑)
 
しかし、宮仕え(みやづかえ)の悲しさか真面目なサラリーマン
武士たちは、この強力な魔神に対して鉄砲を撃ちかけたり
鎖でがんじがらめにして進撃を止めようとしたりと空しい抵抗
を試みますが魔神の方はそんなことにはお構いなく銃弾を
跳ね返し、鎖に繋がれたまま歩き続け屋敷の柱を圧し折って
破壊してしまいます!
 
屋敷や櫓のセットは1/2.5の縮尺で作られており東宝の
怪獣映画と比較して遥かにリアリティが感じられますし更に
大掛かりなブルーバック合成
(現在ではグリーンバックが使われる人間と怪獣などを
一つの場面に入れ込む合成技術)
が素晴らしく魔神と侍たちが同じ場面で動いていても殆ど
違和感が感じられないというVFXなど全く無かった時代の
卓越した職人技を堪能できる仕上がりになっているのです。
 
小高い丘に陣取った左馬之助たちは魔神に対して(古代
ローマ時代さながらの)投石器で巨岩をぶっ放しますが
これまた効果無し、
それなら奥の手だとばかりに何台もの燃え盛る荷車を突入
させて火責めに掛かります。
これには魔神もたまらんと左右の腕をクロスさせて顔を覆いました!
 
「やったか!」
 
そう思ったのも束の間、魔神がサッと両腕を開くとたちまち
のうちに炎が消えてしまいました!さすがは神様、肉体勝負
ばかりではないところをアピールした超能力(神技?)なのでした(笑)
 
あっさり切り札を破られた左馬之助たちはもうアカンといった
表情で逃亡体制に移りますが、徐々に魔神に追い詰められ
一人また一人と踏み潰され握り潰されていくのでした。
この辺りの描写はサスペンスタッチで画面から目が離せなく
なりますね、どうやって左馬之助が魔神にやられるのか?
観客としてもある種の残酷な好奇心をかき立てられるわけです。
 
しかし、ただの神様ではない大魔神の天罰はかなり壮絶な
ものでした。
ひっ捕まえた左馬之助を圧し折られた太い柱に押し付けると、
何と額に刺さっていた鏨(たがね)を引き抜いて一気にグサッ!
とやったのです。
(これって現在なら確実にR指定になる場面ですね)
 
 
まあ、因果応報というか歯には歯を?ということか、悪人は
報いを受けたのでした。
 
                                     つづく