B君とB君の彼女がとても悲しげで不安げな様子で部屋に来ています。
「あのさぁ…」B君が口を開きます。
「今朝警察から連絡があって、Aのやつカーブ事故で死んじまったらしんだよ…」
「ガードレールに凄いスピードで激突して…即死だったらしい…」
A君の彼女はすっと考えていましたから、万一のこともあるだろうとわかってはいましたが、やはりショックで泣き伏せてしまいます。
しかし、B君達がさらに驚くべきことをつげるのです。
さきに切り出したのはB君の彼女です。
2人の体がとても震えているのをA君の彼女は感じます。
「朝…連絡があたって言ったじゃない?」
「あのね、驚かないでね、あたし達がきたあと誰か部屋に来たの。」
「誰だと思って…それで誰だ?ってきいたら…」
『Aだって言うんだよ…』
B君が割って話をしてきます。
A君の彼女は何を言っているのか分からず只聞いています。
『悪い冗談だって思って、すぐに怒鳴りつけてやろうと思ったけど、あいつが来たの俺らが電話を受けてからすぐなんだよ…だから誰かがふざける余裕なんてねえだろうし…俺ら怖くて、それで開けられなかったんだ、そしたら帰っていったんだ…』
B君達はA君の彼女にもしもAが来ても決してドアはあけるなといいます。
彼らが言うには、自分では死んだと思っていないAが自分たちを引きずり込もうとしてるっとというのです。
B君達が帰った後にA君の彼女はA君との思い出を巡らせ一人ないています。
その夜
A君の彼女はドアをノックする音で目覚めます。
「来た…。」
彼女は必死でそれを無視します。
A君はドアを叩き続けます。
「おい!」「俺だよ!」「ここをあけてくれよ!」
部屋の隅でA君の彼女は必死に耳を塞いでいますが、彼との思い出と懐かしさにたまらず、ドアの方に近寄ります。
「あけてくれよ、俺だよ!」
音はどんどん大きくなります。
そっと近づくA君の彼女。
ドアごしに見えるA君の影ですら涙がでます。
気付けばA君の彼女はドアの前に立っていました。