前回のブログでインターナショナルスクールの、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)プログラムについて説明しました。
IBの初等教育プログラムであるPYPで特徴的なのは、英語や算数などのコア教科の他に、UOI (Unit of Inquiry)という、教科の枠を超えた学習があることです。
私自身、UOIについてそれほど詳しく知らなかったので、今回の次男のUOIの発表会を機に調べてみました。
UOIで扱うテーマは、定期的に変わりますが、原則として以下のIB教育の大きな枠組みである6つのProgram of Inquiry (POI)に基づいて設定されます。そして、設定されたテーマについて2ヶ月ぐらいかけて取り組みます。
- 私たちは誰なのか— Who We Are
- 私たちはどのような場所と時代にいるのか — Where We Are in Place and Time
- 私たちはどのように自分を表現するのか — How We Express Ourselves
- 世界はどのような仕組みになっているのか — How the World Works
- 私たちは自分たちをどう組織しているのか — How We Organize Ourselves
- この地球を共有するということ — Sharing the Planet
たとえば、今のUOIのテーマは"Where We Are in Place and Time"で、Central Idea(いわゆる「お題」です)は"Documenting personal histories allows us to reflect on significant events in our lives."(人生の歴史を記録することで人生の重要な出来事について深く考えることができる)です。
このCentral IdeaのUOIを始めるにあたってまずは"Grandfather's Journey"という本を読むところから始めます。
これは作者Allen Sayの自伝で、本人と戦前にカリフォルニアに渡った彼の祖父の話です。祖父から彼までの家族の歴史とともに、2つのふるさと(日本とアメリカ)に対する思いがシンプルな文章ながら朴訥に語られています。
多くは語らない短い本ながら、祖父の経験や気持ち、それに大きく影響されているAllen、世代を超えて受け継がれる共通の何かに思いをめぐらせ、様々考えさせられる話です。さすがAllen Sayといった本です。
そして、子供たちに今までの人生のsignificant events(重要な出来事)について主体的に考えさせ、親に自分のbirth historyを聞いて調査させたりし、絵を描いたり、写真を貼ったりしながら、自分にとってsignificant events(重要な出来事)について自由にまとめることをさせます。そしてその内容を発表します。
このように本を読むということにとどまらず、リサーチなどを通じて理解を深め、教科の枠を超えた学習をしていきます。日本でも最近聞くようになったアクティブ・ラーニングというやつですね。
ブログランキング参加しています。
ポチっとお願いできたらうれしいです。
↓