近所のお気に入りワインバーで、先月から開催されるようになった読書会。
2回目の今回から、課題図書を読んでの参加ということになりました。
課題図書は、タイトルだけは知ってるけど食指が伸びなかった純文学(?)の『ライ麦畑でつかまえて』の新訳版。
未読だったため、まず白水社版の方を読み、それから村上春樹訳の方を読むという、書評家みたいな読み方をしてみました。
読書会に参加してみると、参加者はバーのマスター(女性です)含め5名。うち2名は女子大生。その片割れが課題図書の推薦人だったのですが、なんと当人は読み終えていないという事態。
真面目に読んだワタシがバカでした……。
だって、この本。けっこう苦痛だったんですよ。
なんせ、16歳の男子高校生が主人公で、彼の一人称で語られていくのですが、考えてること言っていることが一人前のくせに、行動には移せないという臆病者。寮生活をしているものの、学業不振のため退学になり寮を飛び出してしまう。行く当てもなくあちこちをフラフラと彷徨い、タバコを吸って酒を飲み、年上の女をナンパして失敗し、勢いで頼んだ商売女を前にして自己紹介をする始末。
大人や世の中をdisっているかわりに、尊敬できるのは早世した弟と、小学生の妹だけ。
その妹に「いちばんやってみたいことは?」と聞かれ、「崖っぷちにあるライ麦畑で遊んでいる子供たちを、落ちないようにキャッチすること」なんて言ってしまう(これがタイトルになってるわけですが)。
「タイトルと内容が乖離している名作ナンバー1」ということで、読書会の結論が出ました。
その後、ミステリ好きの参加者と雑談に花を咲かせ、次回の課題図書を決めてお開きになりました。
次回は私の推薦図書、『江戸川乱歩傑作選』(新潮文庫版)です。