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漫画ときどき研究者

読んだ漫画と論文の感想を書いていくブログです。
ジャンプを読むように論文を読めるようになることが目標です。

また論文紹介の順番が回ってきたので、以下の論文を読んでみました。
ヒト特有の性質がどうやって進化したのかを、もしかしたらマウスを使って研究できるかもしれない、という野心的な試みで、とてもワクワクして面白かったです。
科学的には詰めきれていない部分があまりにも多いですが、それは今後このグループを中心にきちんと解析される(はず)でしょう。

ちなみに、last authorのSvante Pääboでググると色々面白い動画が見れます。

A Humanized Version of Foxp2 Affects Cortico-Basal Ganglia Circuits in Mice
Enard W, Gehre S, Hammerschmidt K, Hölter SM, Blass T, Somel M, Brückner MK, Schreiweis C, Winter C, Sohr R, Becker L, Wiebe V, Nickel B, Giger T, Müller U, Groszer M, Adler T, Aguilar A, Bolle I, Calzada-Wack J, Dalke C, Ehrhardt N, Favor J, Fuchs H, Gailus-Durner V, Hans W, Hölzlwimmer G, Javaheri A, Kalaydjiev S, Kallnik M, Kling E, Kunder S, Mossbrugger I, Naton B, Racz I, Rathkolb B, Rozman J, Schrewe A, Busch DH, Graw J, Ivandic B, Klingenspor M, Klopstock T, Ollert M, Quintanilla-Martinez L, Schulz H, Wolf E, Wurst W, Zimmer A, Fisher SE, Morgenstern R, Arendt T, de Angelis MH, Fischer J, Schwarz J, Pääbo S.


Introduction
ポストゲノム時代に必要なのは、数ある遺伝子の変化の“カタログ”の中から、表現型につながる変異を選り分けることである。チンパンジーとヒトとの交配は不可能なので、この目的のためには霊長類の中でどれくらい保存されているのか、ヒトの中でのバリエーションや病気との関連などの解析によって候補遺伝子を絞り込んでいくこととなる。ではこのような候補遺伝子が得られたとして、次に大きな壁となるのは、「どうやってこの遺伝子がヒト特異的な表現型に寄与していることを証明するか」という問題である。ヒトやチンパンジーに遺伝学的操作を行うことはできないので、唯一の選択肢はトランスジェニックマウスを利用することである。しかし本当にヒト特異的な変化をマウスでモデル化できるのだろうか?この論文では、FOXP2遺伝子をヒト型に置き換えたマウスの解析を行い、この可能性に挑戦した。

Results 1; マウスの作製
exon7を相同組み換えしてヒトに見られる2つのアミノ酸置換を導入したマウス(Foxp2hum)を作製したところ、出生率や寿命、生殖能力などに異常はなかった。従ってFoxp2humはマウスにおいて機能的であると考えられる。同時に、exon7を欠失させたKOマウスも作製したところ、タンパクの発現は確認されなかった。

Results 2; 表現型スクリーニング
このマウスをGerman Mouse Clinicにおいて“検査”したところ、大部分の検査についてはFoxp2WTとFoxp2humとの間に有意な違いはなかった。ただし、modified hole boardテストから、新規探索行動が減少していることが分かった。一方、Foxp2WT/KOでは探索行動が(少し)増加していた。また、Foxp2WT/KOでは多くの組織に異常が見られたため、やはりFoxp2humの表現型は単なるLOFではないと言える。

Results 3; Foxp2humはドパミンの量を低下させる
では、Foxp2humが脳にどのような影響を与えているのだろうか?まず、発現パターンと局在を調べたところ、Foxp2WTとFoxp2hum のいずれにおいても、Foxp2は線条体や視床、皮質の第6層、小脳などの神経細胞で発現しており、核に局在していた。次に、脳の5つの領域(前頭皮質・小脳・新線条体・側坐核・淡蒼球)における4つの代表的な神経伝達物質(グルタミン酸・セロトニン・ドパミン・GABA)の量を調べた。その結果、ドパミンの量だけが全ての領域で減少していた。一方Foxp2WT/KOではドパミンの量の増加(と一部の領域でのセロトニン量の増加)が見られた。細胞外のドパミン量と探索行動の間には正の相関があるらしいが、組織全体のドパミン量の変化が細胞内と細胞外のどちらの(あるいは両方の)変化を意味しているのかはよく分からないのでなんとも言えない。

Results 4; FOXP2humはmedium spiny neuronの樹状突起長を増加させる
Foxp2はドパミン作動性ニューロンで発現していないため、その主要な投射先である線条体のmedium spiny neuronに注目した。Foxp2WTとFoxp2humの線条体から神経前駆細胞を取ってきて初代培養したところ、神経突起の長さがFoxp2humの方が長かった。さらに、Golgi法でin vivoでmedium spiny neuronを染色したところ、やはりFoxp2humの方が神経突起の長さが長かった。

Results 5; FOXP2humはLTDを増加させる
medium spiny neuronは皮質からのグルタミン入力と、中脳からのドパミン入力を統合し、適切な行動の制御と選択に重要だと言われている。medium spiny neuronのacute sliceから膜電位を計測したところ、電流電圧曲線の形は変わらなかった。しかしながら、Foxp2hum ではLTDのレベルがおよそ2倍になっていた。R522H変異を持ったマウスではLTDがほぼなくなっているという報告と合わせると、Foxp2humはmedium spiny neuronのシナプス可塑性を上昇させていると言える。

Results 6; FOXP2humと線条体での遺伝子発現
線条体を分離して遺伝子発現を比較したところ、Foxp2hum では34遺伝子の発現が変化していた。また、Foxp2WT/KOで上昇してFoxp2hum で減少した106遺伝子のうち24遺伝子はドパミンD1受容体発現細胞で選択的に発現するものだった。従って、Foxp2はmedium spiny neuronの中でもD1受容体を発現する細胞に影響を与えているらしい。

Results 7; FOXP2humとは発声を変化させる
最後に、Foxp2humが発声に与える影響を調べた。巣から離したときに子供から出る超音波の発声を解析した結果、いくつかのパラメータに変化があった。(が、普通のマウス集団の中でのバリエーション内らしい。。。。)

久しぶりに、まじめな論文の話題です。

神経科学では長い間、神経細胞は発生期のみに作られるものであって、大人になってからは新しくできないと考えられていたのですが、実は一部の部位では大人になっても神経細胞が作られ続けること(神経新生)が近年わかってきました。
ここらへんの概説は京大ウイルス研の今吉准教授のページとかが詳しいです。

ともかく大人になっても新しく神経細胞ができることは確定してきたのですが、果たしてそれにどのような意味と役割があるのかについてはまだはっきりしないことも多く、精力的に研究がなされています。
特に、うつ病との関連がいくつかの報告で示唆されており、私も以前のエントリーで関連論文を紹介しました。ただし、神経新生をなくせば鬱になるという単純な話ではないことも報告されており、まだよくわからない状況でした。

で、今回は、神経新生を減らしたうえで、さらにストレスをかけると鬱になるんじゃないか、ということを試した論文を紹介します。

Adult hippocampal neurogenesis buffers stress responses and depressive behaviour.
Snyder JS, Soumier A, Brewer M, Pickel J, Cameron HA.
Nature. 2011 Aug 3;476(7361):458-61. doi: 10.1038/nature10287.

まずは大事な実験系作りですが、彼らは、海馬の神経(やグリア細胞)を作り出す前駆細胞に単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼを発現させておき、そのネズミにvalganciclovirという薬剤を投与することで、分裂細胞のみを殺すことに成功しました。
大人になっても分裂しているのは神経を生み出す細胞なので、これが死ぬということは、神経新生が止まるということです。

次に筆者たちは、このネズミにストレスをかけるとどうなるかを調べました。
ネズミを30分動けなくしてストレスを与えると、グルココルチコイドというホルモンが増えるのですが、神経新生がおこらないネズミでは、この量がなかなか下がらないとうことがわかりました(通常時の量は野生型と変わりません)。
彼らは念のために、X線で海馬でのみ神経新生を減らす実験も行って同様の結果を得ました。
従って、海馬での神経新生が減るとストレスに対してグルココルチコイドが過剰に分泌されてしまうと言えます。

では行動レベルではどうなのか、ということで、novelty-suppressed feeding (NSF) testというものを行いました。これは絶食させたネズミを見慣れない場所に連れて行き、そこにある餌をどれくらいすぐに食べるか、というもので食べるまでに時間がかかるほど不安(あるいは鬱の程度)が大きいと考えられます。
神経新生を阻害したネズミは、通常時では野生型と同じくらいの時間で餌に飛びつくのですが、ストレスをかけると飛びつくまでにかなり時間がかかることがわかりました。
つまり、神経新生はストレスによる不安(あるいは鬱の程度)の上昇を抑えていると考えられます。

次に、うつと不安を区別するために、それぞれのみに関係する行動テストを行いました。で、結果としてはうつ状態を起こす行動テスト(無理やり泳がせてどれくらい泳ぐのをあきらめるまでにどれくらいかかるかを調べる)で、神経新生がないと通常時でもストレスをかけたときと同レベルの値を示しました。つまり、神経新生がないと、普通ではストレスによって起きる程度のうつが常時起きているということが示唆されました。

ストレスやグルココルチコイドが神経新生に影響をあたえることもわかっているので、ストレスと神経新生が互いに影響を与え合ってストレス耐性を調節しているんじゃないか、そしてこのループがフィードフォワードループになってしまってしまうと、うつとストレスがともにどんどん増加してしまうんじゃないか、といった面白い議論もしていました。

このペースで研究が進んでいるのを見ると、10~20年くらいの間にうつの特効薬ができてしまうんではないかという気もしてきますね。

あだち充のヒロインが好きなんです。
いや、気持ち悪い発言であるのは承知の上で。
数々のヒロインたちの中で、初恋は「H2」の古賀春華、それから「みゆき」のみゆき、「タッチ」の浅倉南、「ラフ」の二宮亜美と、出会いと別れを繰り返してきました。

なんでこんなに好きなんだろうと、今眠れないので、そんなことを考えていました。
なんでなんでしょうね。
とりあえず彼女たちはみんなすごく「頭が良い」ですよね。
勉強ができるということではなく、人間として賢い。
こっちのことなんかすべて見透かしていて、時に姉のように厳しく接し、また時には妹のように甘えてくる。
ツンデレ、妹、姉、幼馴染、ギャップ萌えetc....
男が好きな「属性」を多数もち合わせながらも、それらが矛盾せずに共存している。
すごくバランスがとれている。

そして、なんのかんの言いながら、主人公のことを一貫して信じ続けていて、どれだけダメダメでも見放さない。
根っこの部分では全面的に信じていながら、きっちりとダメだしをして主人公を成長させてくれる。
こんな幼馴染が欲しいです。
いや、ほんとに。

人生、いろいろあって疲れたり全て投げたくなることもありますが、そんな時、こんな幼馴染がいたらなあとついつい思ってしまいます。
全面的に自分のことを信じてくれる存在、つまりは親に通ずるところだとは思うのですが、そんな存在はすごく力になるのです。
とりあえずそんなつらい時はあだち充先生の作品を読むのです。
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