子どもが生まれてから息抜きに行っている喫茶店で、いつも顔をあわせるおじいさんがいました。
年はいくつか分かりませんが、
ある時には喫茶店の隅で一人で本を読んでいたり、
ある時は同じくらいのお年寄りと、茶飲み話をして
戦時中や戦後の話、現在の政治家の話で盛り上がっていました。
その喫茶店でも顔なじみが何人かいるらしく
主のような存在になっていました。
そんなある日、その喫茶店がいつになく混雑していたとき、
アルバイトの店員が
そのおじいさんのグループに
「席を移動して下さい」
と言いました。
おじいさんは、そのアルバイトの店員に
「毎日来ているんだよ、そんな言い方があるか!」と怒りました。
アルバイトの店員は何で怒られているのか分からず
おろおろしていました。
その後、チーフみたいな人が来て
おじいさんたちに謝って、
その後何事もなかったかのように
おじいさんたちは話を繰り広げました。
今日もおじいさんは喫茶店にいました。
今日は一人で隅のほうでコーヒーを飲んでいました。
「いるいる」と、その喫茶店の中ではもう空気のようになっているおじいさんの存在を
後ろの席の方に感じてテーブルにつきました。
私はコーヒーを飲みながら
買ってきたばかりの雑誌をぺらぺらめくって、
飽きてきたらスマートフォンを見て
また雑誌をみたりして
いつものように一人の時間をくつろいでいると、
蝋人形のような影が、私の横を静かに通りました。
ゆっくりと通り過ぎるその蝋人形はよく確かめると
いつものおじいさんでした。
杖をついで、ゆっくりと重い足取りで喫茶店を後にしました。
「いつの間にこんなに老けてしまったんだ」
と思うほど、老いが急激にやってきたようでした。
子どもが生まれて7年、
おじいさんを知って7年。
そしてこの1年はおじいさんにとっては
一気に老いがやってきていました。
このおじいさんが何をしてきたかは分かりません。
だけど、少なくとも
戦後平和でいられたのは
このおじいさんのように戦争を体験した人たちが二度とあのようなことはあってはいけないと
その子孫を守ってきた。
おじいさんのような人たちがどんどんいなくなって
一体誰が私たちを守ってくれるのだろうか?
年はいくつか分かりませんが、
ある時には喫茶店の隅で一人で本を読んでいたり、
ある時は同じくらいのお年寄りと、茶飲み話をして
戦時中や戦後の話、現在の政治家の話で盛り上がっていました。
その喫茶店でも顔なじみが何人かいるらしく
主のような存在になっていました。
そんなある日、その喫茶店がいつになく混雑していたとき、
アルバイトの店員が
そのおじいさんのグループに
「席を移動して下さい」
と言いました。
おじいさんは、そのアルバイトの店員に
「毎日来ているんだよ、そんな言い方があるか!」と怒りました。
アルバイトの店員は何で怒られているのか分からず
おろおろしていました。
その後、チーフみたいな人が来て
おじいさんたちに謝って、
その後何事もなかったかのように
おじいさんたちは話を繰り広げました。
今日もおじいさんは喫茶店にいました。
今日は一人で隅のほうでコーヒーを飲んでいました。
「いるいる」と、その喫茶店の中ではもう空気のようになっているおじいさんの存在を
後ろの席の方に感じてテーブルにつきました。
私はコーヒーを飲みながら
買ってきたばかりの雑誌をぺらぺらめくって、
飽きてきたらスマートフォンを見て
また雑誌をみたりして
いつものように一人の時間をくつろいでいると、
蝋人形のような影が、私の横を静かに通りました。
ゆっくりと通り過ぎるその蝋人形はよく確かめると
いつものおじいさんでした。
杖をついで、ゆっくりと重い足取りで喫茶店を後にしました。
「いつの間にこんなに老けてしまったんだ」
と思うほど、老いが急激にやってきたようでした。
子どもが生まれて7年、
おじいさんを知って7年。
そしてこの1年はおじいさんにとっては
一気に老いがやってきていました。
このおじいさんが何をしてきたかは分かりません。
だけど、少なくとも
戦後平和でいられたのは
このおじいさんのように戦争を体験した人たちが二度とあのようなことはあってはいけないと
その子孫を守ってきた。
おじいさんのような人たちがどんどんいなくなって
一体誰が私たちを守ってくれるのだろうか?