昨日、修理に出していたクラリネットが戻ってきました。ここ数年、あまり吹いていなかったものの、雑音が入ったり、キーの裏にあるタンポに破損・黄ばみが見られたりして少しずつ調子が悪くなっていました。それでも音が出るからということで吹き続けていましたが、とうとうジョイントコルクが外れてしまい、楽器を組み立てられなくなってしまったので、思い切ってオーバーホール(楽器の全体的な総調整・掃除)をお願いすることにしました。修理していただいた楽器はピカピカで、購入した頃のことが思い出されました。吹いてみると、すごく反応が良く、明るくて深みのあるいい音が出て感激しました!
このクラリネットは中学2年生に上がる前の春休みに両親の大きな助けを得て購入したものです。中学1年生の頃、吹奏楽部に入部し、周囲の人たちが次々と新しい楽器を買っていて、先輩たちも自分の楽器を持って使いこんでいることを羨ましく思って、自分も買って欲しいと両親に頼みました。そうすると、楽器は高価なものでそんなに簡単に手に入れられるものではない、これから先、ずっと真剣に楽器を続けていくつもりが本当にあるのかどうかと尋ねられました。私はクラリネットをずっと続けていきたいし、楽器には吹き癖がつくから自分のものを持って、大切に吹いていきたいんだと言ったのだと思います。そこで、両親は私に「これから一年間、協力はするからおこずかいを貯めて楽器を買うようにしなさい」と言いました。
その日から、毎日食器洗いなどのお手伝いをしたら毎回50円ずつもらったり、お使いのお釣りの小銭がでたらカンパしてもらったり、お年玉などのおこずかいをいただいたらそれを使わず取っておいたりして、お金を可能な限り使わず、貯金する生活を続けました。時には父が貯めた小銭をたくさんもらうこともありました。そうして春までに10万円近く貯めました。私は9万円ほどの木でできたクラリネットが欲しいと思っていたのですが、両親が楽器店の方から17万円のクラリネットならその下のランクのものとは音質など格段に違うということを聞き、なんとか安くしていただけないかとお願いしてくれた結果、楽器店の方は13万円にしてくださいました。足りなかった3万円は両親が出してくれました。
中学校、高校、大学とずっと演奏してきました。高校のときには勉強そっちのけでクラリネットを上達させることばかりを考えていたのですが、大学の進路を決めるというときになって私はピアノが弾けないし、私が音楽で生活していくことには無理があると思い、音大進学は考えませんでした。大学では2回生の頃、オーケストラ部に入っていたものの、部内の仕事を含め、あまりの忙しさに勉強に大きな支障がでてきたうえ、アメリカに留学したいと思って一生懸命アルバイトしてもそのお金が部費や負担金で消えてしまっていたため、さすがにこれではいけないと考えて、辞めました。それでもアメリカ留学では音楽を専攻してクラリネットの個人指導を受けたり、その後もなんだかんだといって機会があるごとに演奏したりしてきました。そして最近、学生の頃に所属していたジュニアオーケストラの演奏会にOGとして出させていただくことがあり、時々練習に出ることもあります。
私はクラリネットの音色が大好きです。限りなく小さな音、軽快な音色、深い低音など、その豊かで限りない表現力で奏でられる音楽は、苦しいことや悲しいことがあっても「そんなこともあるさ」と慰めてくれたり、楽しい気持ちをさらに高揚させてくれたりします。人の気持ちを慰めたり楽しませたりするような演奏はまだ私にはなかなかできませんが、ずっとクラリネットは私の友達と思って、ずっと大切に楽しんで吹いていきたいです!