インナー・ワールド | ~ 或る阿呆の話 ~ turbo Ver1.03

 インナー・ワールド

背広に袖を通し、鈍感な神経をすり減らせて残業をしているだけの毎日だから、
体力も気力も無闇に消耗してしまい、僕にとっての”世界”は縮小の一途を辿っている。

剃り残した髭が何とも惨めな一日だった。
数字に翻弄され、視力がさらに0・1悪くなった。


”世界”はアルコールの前に本来のその多様さを隠蔽し、単色の日々が僕を覆う。
その重力に眩暈を感じ、唾を飲み込む。
気がつくとまだ9時前だった。


僕自身、日々に多くを求めはしないが、ヴァリエーションが余りにもなさ過ぎる今日この頃。

第一、無意味に疲れすぎている。
そして、いつまでも10代の精神を引きずっている。
肉体と精神が刹那、乖離する。
疲労がどっと押し寄せて来る。
グラスの氷が消え入りかけてる。


根本的な何かが欠乏している。
この飢餓感は内的な何かなのだ、きっと。


ガランとした部屋で頬杖を衝いてみる。
薄汚れた壁を漫然と眺めてみる。
ヒーターが静かに唸る。


何も浮かんでこない。