インナー・ワールド
背広に袖を通し、鈍感な神経をすり減らせて残業をしているだけの毎日だから、
体力も気力も無闇に消耗してしまい、僕にとっての”世界”は縮小の一途を辿っている。
剃り残した髭が何とも惨めな一日だった。
数字に翻弄され、視力がさらに0・1悪くなった。
”世界”はアルコールの前に本来のその多様さを隠蔽し、単色の日々が僕を覆う。
その重力に眩暈を感じ、唾を飲み込む。
気がつくとまだ9時前だった。
僕自身、日々に多くを求めはしないが、ヴァリエーションが余りにもなさ過ぎる今日この頃。
第一、無意味に疲れすぎている。
そして、いつまでも10代の精神を引きずっている。
肉体と精神が刹那、乖離する。
疲労がどっと押し寄せて来る。
グラスの氷が消え入りかけてる。
根本的な何かが欠乏している。
この飢餓感は内的な何かなのだ、きっと。
ガランとした部屋で頬杖を衝いてみる。
薄汚れた壁を漫然と眺めてみる。
ヒーターが静かに唸る。
何も浮かんでこない。