漢方と糖質制限食は一見すると何の関連も内容な話である。しかし、その根底は私にとって東洋医学的な思想が貫かれている。

糖質制限を実際的な臨床に適応始めたのは、私の師匠X先生であった。私の修業時代、X先生はしみじみ語っておられた。

 

 漢方は草とか木とかだから、ある意味食べ物だ。そしてその患者さんの症状を治すためもの凄く偏っている。だから不味いのだ。症状がなければ美味しい食事をすれば良いんだ。

 糖質制限も同じだ。糖尿病という偏った状態にあるから偏った食事になるんだ。漢方もそうだが、糖質制限を万人に勧めるのは間違いだ、と。

 

 そうなのだ、漢方と糖質制限食は治療のためどちらも偏食という意味では共通している。

 漢方は過度な偏食。糖質制限食も過度な偏食。だから必要な人だけご本人が希望したときだけ処方すればいいのだ。お勧めすればいいのだ。