和剤局方が原典。

元々の薬効を条文から意訳すると痰飲由来の患い、悪心嘔吐、頭眩心悸、胃の不快、寒熱の出現、食べ物が胃に合わない。

配薬は半夏、陳皮、茯苓、生姜、甘草

 

 我が国での西洋医学の効能効果を紐解くと悪心嘔吐。悪くないが吐き気して嘔吐する人に漢方を処方しようとするかどうかが悩ましい。

 私はこの方剤をエキス剤として使うことはそれほど多くない。しかし配薬として使うことは非常に多い。この方剤の他に、症状に合わせて加減が必要になるからだ。例えば頭眩や心悸には頭眩や防風、あるいは細辛や山茱萸なんかいれたらどうかと、配薬を検討してしまう。また消導剤例えば萊菔子や神曲、麦芽、山楂子不具合のある食べ物に応じて使いたくなる。 

 この方剤でしびれるのは白朮を含めてないことだ。あえて利水は茯苓のみとしていることだ。さらに茯苓は滋陰薬(経方薬学 江部洋一郎)になる。つまり悪水を除き、陰を持ってきてくれるのだ。勿論白朮も心下、胃の痰飲に有効だ。実際の処方には白朮を入れることになるだろう。この思いっきりの良さができるようになれば私の腕もいささか上がったことになるのだけど未だそこまで至らない。

非常にコアで味わい深いになる方剤なのだ。