あれがいいのでは、これももしかしたらやった方がいいかもと患者さんが治る可能性のあるものは何でも投入してしまいたくなる。その始まりが、漢方を修行した病院で身近に鍼をする先生がいらしたから鍼灸を自然と導入した。

一方、西洋医学で治らない場合は西洋薬は思い切って中止しまうことも過去は度々あった。その際、本当に辞めてしまっても良いのか慎重を期した。・・・なんて、エクスキューズしても余り面白くないので本題に入る。

 

 当ブログでもいつか紹介したかも知れない。私は漢方と鍼の相互補完的な関係でより効果的により早く患者さんが治るような治療をしたいと思っている。それはこれからも変わらない。

 

 先日、少し驚くことがあった。

 

 先の日曜日、日本刺絡学会で大変恩がある方と懇親会でお目にかかり、懇親会で上記のような相互補完的な関係でどちらも使うのだ!ってことを酔った勢いでお話させて頂いた。その中で次回刺絡学会で発表させてもらう場合、どんな内容が良いか相談した。そうしたら刺絡のみで有効だった症例がいい。もし漢方が絡むとどちらが効いたか分からないからと言われた。なるほどそうだ。どちらが効いたか分からないかもと頷いた。

 

 その話の中でご自分の修行時代のことを色々と教えて頂いた。非常に興味深い内容でいつかは紹介したい。その中で胸に刺さったのは最後の言葉。「漢方には、頼ってしまうので頼りたくない。」つまり、漢方処方は一定有効だから、効いて当たり前だから?、それを使って治ったと言いたくないということなのだ。その方を教えてくれた先生もそうだったから自分も影響を受けてしまったと笑っておられた。

 

 漢方、鍼の立場で相手の有効性を認めつつも、意識せずとも何かしらの壁を作ってしまうこともあるのだということが分かった。私は勿論、お互いが頼り合って良いと思う。でもこれは言葉だけでは何も生まれない。実際に自分で行動して回答を作り出すことが重要だろう。偶然にも同じ県で初めてお目にかかった鍼灸師の先生とご挨拶できた。患者さんの治療について紹介して一緒に治していけるようになれれば、答えに近づけるだろう。