先週の日曜日・祝日の2日間、オーソモレキュラー医学会の国際栄養シンポジウム2025に参加してきました。
私は初日に登壇してワクチン接種後のターボ癌について講演をしてきました。
今回の学会のテーマは「未来を創る 慢性炎症戦略 〜統合医療と食習慣でデザインする20年後の世界〜」。
いかに慢性炎症を抑えるかということがテーマでした。
私の発表はコロナワクチンに関することでしたが、まさしくコロナワクチンによって体のあちこちに慢性炎症が引き起こされているのでテーマから外れてはいませんが、ワクチン関連の内容は私だけ。
ワクチン接種後のターボ癌の病理学的分析について自分なりの考察を加えて発表しました。
衝撃の内容だったようで反響が大きかったです。
私のニコニコ動画「肛門科女医みのり先生チャンネル」でスライドを使って解説をしますので是非ご覧になって下さい。
いつも国際栄養シンポジウムは2日間ぎっしり勉強することばかりで、復習をかねてブログで記事にしていきます。
今回の大会長は飯塚浩先生。
栄養療法で有名な精神科の先生です。
CBD研究会を立ち上げられた先生でもあります。
今日は飯塚先生の大会長講演について採りあげたいと思います。
私が講演を聴きながら取ったメモをもとに要約しました↓
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なぜ日本だけ慢性疾患が増え続けるのか
1977年にアメリカでマクガバンレポートが出され肥満や心臓病が急増した一番の原因は食であると結論づけられ脂肪・砂糖・食塩の制限と食物線維の摂取増加、肉より魚という食生活が提案された。
それによって欧米では患者が減少傾向。
ところが日本では医療技術や薬物療法に偏重した対策をとった。
その典型がフライパン運動。
戦後、日本の主婦達にGHQがキッチンカーを出してフライパンに油を使って料理をする方法を全国行脚して指導した。
その結果、洋風の食生活が広まった。
さらに学校給食法によって味覚インプリンティングが起こる。
小麦・乳製品・植物油・精製糖はダメです。
沖縄が長寿県から転落した原因もこれ。
イヌイットの悲劇も同じ。
イヌイットの食生活は高脂肪・高たんぱく食であったのにカナダ政府の定住政策で白パン・砂糖・小麦菓子が流入。
それから糖尿病、心血管疾患、自殺が急増。
食のインフラ、安心のインフラをぶっ壊した。
日本人の体質特性というのがあって、HLAタイプは小麦や乳製品に対する免疫応答が異なる。
β3アドレナリン受容体の変異が多い。
だから日本人は脂質には気をつけなければならない。
ALDH2タイプの人はアルデヒドの分解が悪いので油の分解もできない。
だから油はダメ。
インスリンの初期分泌低下している。
朝抜くとすぐに糖新生して血糖値が上がる。
朝食抜いて昼食を食べると血糖スパイクが起こる。
欧米人は体質的にそうはならない。
戦後、欧米人と同じような食生活を送ることによって慢性炎症、慢性疾患が増えている。
HLAタイプ別にグルテン免疫反応にも多様性がある。
抗原提示の仕方がHLAタイプ別タイプによって違う。
日本人にはセリアック病が少ないがめちゃくちゃ多いのがDQ9やDR9。
これは「アレルギーコース」で皮膚や粘膜の警戒態勢をしく。
だから花粉症、IBDが増えている。
DR4/DR15型は「自己免疫コース」で自己蛋白との類似性認識をする。
そうすると糖尿病が起こる。
小麦と慢性炎症も深い関わりがある。
小麦の品種改良によってグルテンの性質が変わった。
1950年以降問題が続出している。
日本人に合っているわけがない。
日本型小麦病の代表が花粉症と自己免疫疾患とグルテン不耐症。
アレルギー、自己免疫疾患もそう。
戦後わずか20年で小麦摂取量が5倍になった。
そして花粉症は国民の4〜5割となり今や国民病に。
小麦を徹底的に抜くと3ヶ月ほどでほぼ全員の花粉症が改善、ほとんどではなく完全除去することが肝要。
乳製品と慢性炎症も深い関わりがある。
ラクターゼは乳児期を過ぎると自然に下がるのが普通。
だから牛乳を飲むと下痢をしたり慢性炎症が引き起こされる。
乳製品とがんリスクは知られている。
前立腺癌、乳癌、卵巣癌など。
・不飽和脂肪酸について
細胞膜をアラキドン酸有利にすると炎症性のメディエーターが出やすくなる。
だから外食すればするほど炎症が起きやすい細胞膜をもつことになる。
アラキドン酸は細胞膜の流動性を低下させる。
歴史的にアルデヒドの分解酵素など必要のない食生活を送ってきた日本人は油を分解する効率がもともと低い。
なのに油を大量に摂るとインスリン抵抗性があっという間に起こる。
油から糖尿病になるだけでなく、油によってできる4ーHNEが体中にできる。
発がん性アルデヒドが体内に蓄積し、癌、循環器疾患、認知症のリスクを高める。
お酒に弱い人は油にも弱いので油もダメ。
日本人の約65%が葉酸節約型遺伝子を持っている。
ビタミンB群が少ない食事では不完全燃焼によってホモシステインが蓄積しやすくなる。
日本人はそれなりに応じた食べた方をしなければならない。
ホモシステインが蓄積するとがん・認知症になりやすくなる。
ホモシステイン蓄積は血管傷害、神経毒性、DNA修復阻害を引き起こす。
日本人と欧米人は糖代謝も違う。
日本人はインスリン初期分泌が少ないので朝抜くと昼食後の血糖がボーンと上がる。
血糖値の乱高下がどうしても起こってしまう。
だから朝食は抜かない方が良い。
精製糖ダメ、ドカ食いダメ、1日1食もダメ。
長時間絶食後の食事で血糖スパイクを生じやすい。
朝食抜きの増加がブドウ糖ジェットコースターを悪化させている。
日本人はこういう体質だから精製糖でインスリン抵抗性があっという間に起こってしまい、それが認知症につながる。
AGES(終末糖化産物) は一度できると除去困難。
体内の長寿命遺伝子に対する影響が心配。
だから雑穀とかを混ぜる→B群・葉酸が増える。
肉を食べ過ぎるのはマズイ。
食い放題文化はやめたほうがいい。
血糖スパイクを改善するために朝食は抜かない、食物線維を摂る。
レタスにはほとんど食物線維が入ってない。
だから「レタス〇〇個分の食物線維入り!」などというサプリの宣伝に使われる。
・炎症を抑えるためには
体内時計リセットする →朝の光で炎症抑制
だからシフトワーカーは病気が多くなる、コミュニケーションがうまくいかなくなる。
・ポリベーガル理論と自律神経・炎症の関連について
霊長類では腹側神経が増えて交感神経を抑制できるようになっている。
コミュニケーションで安心安全な場を作り、それによって炎症を抑える作用がある。
ところが現代社会は慢性炎症を生む「つながりの喪失」が起きていて、
人と人、人と自然の断絶がもたらす健康への影響が懸念されている。
人間にとって孤独は危険なもの。
孤独になると炎症マーカーがどんどん上がっていく。
だから孤独って怖い。
・運動不足と炎症
運動はまずIL-6を急上昇させる。
会話ができるくらいの運動が抗炎症作用として働く。
・体内時計の乱れと慢性炎症
女性の睡眠時間がめちゃくちゃ短い。
世界中で最も睡眠時間が短いのが日本人女性。
体内時計は光で調節されている。
だから朝は真っ当な時間に起きて光を浴びる。
昼寝もダメ。
夜はブルーライトを浴びない。
メラトニンがしっかりできればできるほど疲れをしっかりとってくれる。
・ストレスと慢性炎症
ストレスは速効で炎症に結びつく
医療で何とかしようとすると難しくなる。
症状を一つ一つつぶしていくのでポリファーマシーになる。
老人もおなかいっぱいになるくらいの薬をもらっている。
ピンポイントで医療でやろうとすると大変。
サプリを摂っていても食事で悪いものを摂っていたらダメ。
・慢性炎症を引き起こすものとして
食事、生活要因、社会的要因
小麦、乳製品、植物油、精製糖
交感神経優位、運動不足、
睡眠障害、慢性ストレス
加工食品産業、都市化、
長時間労働、自己肯定感低下
など様々なものがある。
・慢性疾患の未来予測
このままだととんでもないことになる。
2045年までに医療・介護費が100兆円突破すると言われていて、癌は30%増加、認知症1200万人超え(今の2倍)と予測されている。
自然の中に入って30分歩くだけで炎症マーカーが下がる。
是非そういう時間を取りましょう。
そして大切な事は日本人の体質特性を理解するということ。
炎症惹起要因の排除
逆フライパン運動が必要
食糧自給率をあげる
循環型社会の回復
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飯塚先生の講演だけでもお腹いっぱいになるくらい油が悪いということが分かりました
小麦と乳製品を初めて抜いたときにも「食べるものないやん」って思いましたが、油はそれ以上に大変です
一緒に学会に参加した主人と娘と3人で、帰りの新幹線の中で今後の食事について話合いました。
植物性の油もダメ・・・ということは普段使っている米油もダメってことやんねと。
フライパンを使って料理をすることの多い我が家には大ピンチです。
これからも国際栄養シンポジウム2025の内容をブログでお伝えしていきますね。
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