溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケートを今日もご紹介。
だいぶ前のアンケートになりますがご紹介したいと思います。
今日ご紹介する患者さんは脱肛の30代女性。
色々な病院に行って手術まで受けておられたのに・・・脱肛でした(手術したら普通治るのですが・・・
)
この患者さんのように色々な病院に行って手術も受けたけれど痔が改善しない・・・というケースも実はたくさんあります
もれなく専門外の医師を受診されているのですが・・・。
脱肛は手術したら治るはずなのですが、なぜか手術前と何も変わらなかったと言われます
そして診察すると、確かに立派な脱肛がある
一体どこをどう手術したの
という肛門の人もおられます・・・。
悲しいことに・・・。
一大決心をして手術を受けたのに、何も変わらないというのでは悲しいですからね。
診療所では、脱肛で手術適応であっても、まずは痔の原因となった便通を治すことから始めてもらっています。
なぜなら、そんな便通で手術をしても術後苦しむことになるし、また数年たったら痔になってしまうからです。
便通を治してから手術をしても手遅れになりません。
便通を治せないくらい脱肛がひどい人には手術を勧めることもありますが、基本的にちゃんと排泄ができるようになってから手術をオススメしています。
その方が術後、ダンゼン楽だから。
この患者さんは便通を治すだけで痛みも出血も無くなりました。
ご本人もびっくりされていましたが、こういうことは診療所では日常茶飯事。
そして症状が無くなったら手術を覚悟で受診された患者さんでも、手術せずに様子をみようかな・・・となる。
そうやって10年以上、手術せずに、ずーっと調子よく痔を持ったまま生きている人がたくさんいます。
だからその場で手術を決めない。
まずは便通を治してから。
急に悪化したらどうしよう・・・
そうしたらその時に手術をすればいい。
いつだって手術はできます。
焦って受けなくても大丈夫
出残り便秘の治療に坐薬を使うのですが、いつまで続けなければいけないのかは患者さんによります。
便を溜めて生きてきた年数だけ便秘治療にかかると思って下さい。
脱肛があるということは10年以上、肛門に便を溜めて生きてこられているので、10年くらいは坐薬が必要かもしれません。
でも、私が処方する坐薬は下剤は入っていません。
炭酸ガスを固めただけの、ただの発泡剤です。
だからクセになったりすることはありませんので安心して続けて下さい
そもそもクセになっているのは便を溜めること、便を出し残すこと。
この溜めグセ、残しグセが治れば坐薬は必要なくなります。
坐薬を入れても便が出てこなくなるので、便秘が治ってきたら分かるはず。
そうなるまで根気よく続けて下さいね。
出口の便秘が治っていないのに坐薬をやめると、必ずと言っていいほど痔が悪化します。
悪化してからまた使う・・・でもいいのですが、治療のために使うのではなく、予防のために使ってほしいもの。
毎日の歯磨きのように。
入口の手入れと同じように出口も手入れして、いつもキレイにしておいてくださいね
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