今日の患者さんは20代女性。
愛知県からお母さんが付き添って受診されました。
5〜6年前から切れ痔があり、地元の肛門科にずっと通院されていましたが、治っては切れ、切れてはまた治りを繰り返すため、根本的に治したいと思い私の外来に来られました。
今までの経過
5〜6年前ぐらいに便秘で無理に力んでしまったら切れ痔に。
すぐに病院には行かず市販の薬を使っていたが治らなかったため地元の病院受診。
飲み薬と軟膏をもらった。
それからも治ったり、切れたりの繰り返し。
最初の便が硬いためか切れてしまう。
最近はプルーンを食べているせいか1日1回便が出ていて今は切れてないと思うとおっしゃっていました。
現在の排便と習慣
プルーンを食べ始めてから最近は毎日便が出ています。
でも出始めは硬い。
時々コロコロ便も出る。
ウォシュレットは使いませんが、お尻を拭くとトイレットペーパーに便が付くため、付かなくなるまで3〜5回くらいゴシゴシこすって拭いています。
入浴時には石鹸の泡を付けて肛門を洗い、シャワーを直接当てて洗い流しています。
市販の肛門専用のスプレー剤も使っています。
5〜6年前から通っている病院からは下剤と注入軟膏を処方されていましたが今はやめています。
診察の結果
肛門周囲の皮膚は拭き過ぎで少し荒れていました。
あちこち切れて、それを繰り返しているからか、小さな見張りイボがたくさんあります。
肛門鏡で中を診ると見張りイボの奥には小さな肛門ポリープもありました。
切れ痔を繰り返してきたことは肛門が物語ってくれています😓
幸い、今は切れていません。
それだけではなく小さな痔核もあります。
まだ小さいので脱出症状はありません。
指を入れると、たんまり便があります💩
しかも昨日の出残り便が固まって粘土状になっています。
今日はまだ便意もなく排便がなかったそうです。
うーん・・・。 これだけ出口すぐそこに大量に溜まってたら便意を感じてて欲しいなぁ・・・😓
かなりお尻が鈍感になっているようです💦
粘土状の便を指でほぐして、つぶして出しやすい状態にしてから坐剤を入れます。
便を出す坐剤を入れてトイレに行って出してきてもらいました。
もう一度診察です。
ちゃんと全部キレイに出し切れていました✨
ほんの少しだけ痔核の部分が腫れていますが患者さんの自覚症状はありません。
肛門も狭くないし、痔核も小さいので、手術の必要は無し
出残り便秘と鈍感便秘の治療をしてもらうことにしました。
治療は
- 毎日坐剤を使って肛門を空っぽにする
- Sザルベを肛門の中と外に塗る
- 正しいお尻の手入れをすること(拭いていいのは3回まで。お風呂で肛門を洗わない。肛門スプレーの使用中止。市販薬や病院から出された下剤や注入軟膏も不要。)
それだけのシンプルな治療です。
3週間後に来てもらうことにしました。
患者さんの衝撃と治療経過
ブログを読んで、きっと自分も出残り便があるんだろうとは思っていたそうですが、私から「便が残ってるよ」と言われ、やっぱり分かっていてもショックだったそうです💦
でも私が明るく「便、つぶしておくね!」と診察の時に言ったことで、安心してちょっと笑ってしまったと😅
そんなこと、今まで肛門科に行っても言われたことがなかったのと、衝撃でもあったため・・・。
私の説明を聞いて、今まで良いことだと思っていたことが実は良くないということが分かり、衝撃の連続です。
でも「診察を終えて帰る時は本当に心が軽くなり、先生も受付の方もやさしいし、勇気出して来て良かったと本当に思いました😊」と笑顔に。
今までの治療は下剤と軟膏を処方されていたので、それを使わなくて良いのは正直、本当にそれで切れ痔が治るのかな?と思ったそうです。
「先生、その時は疑って本当にすみません😢」とあとから言われましたが、多くの患者さんが衝撃的な診断と薬を使わない治療にビックリされます😅
そして・・・ 1回目の診察以降、お尻が切れなくなったと報告がありました💖
今までお尻が切れるのが怖くて、排便することが辛かったそうなのですが、その悩みから開放されたと🙂
いつも切れては、その日一日がブルーになっていたそうです。
なぜなら便通のために運動もやっているし、食事もある程度気を付けているのに、なんで家族の中で自分だけ切れ痔なのか😰落ち込んでいたと。
→(便通を良くしようと頑張っていたことは「おなか(腸)」に効きます。出口(肛門)には効きません。)
でも良くなるにつれてイライラがなくなり、反省と愛情に変わっていきました。
最後には 「今までは何で自分の肛門は切れるの?って自分の肛門にイライラしてましたが💦 自分がいけなかったんだ 肛門よ、今までごめんね😢 という気持ちになりました。
また肛門が愛おしく感じました。」 と素晴らしい言葉が(この言葉、感動しました✨)
5〜6年切れ痔に悩んでいたのが、1日で悩みから解放されるなんて思っていなかったそうで、「もっと早く、みのり先生を知っていたら良かったのに〜😣って本当に思います。」とも言われました。
お母様に付き添ってもらっての診察だったので、お母様にも毎回「残り便があった」と報告したり、「全然切れてない
」と報告されているそうです(笑)。
3週間後の受診
坐剤は毎日入れたそうですが、入れても便が出るときと出ない時があったそうです。
すっきり出し切れている日もあるということですね
とても良いことです😊
調子がすこぶる良好で、今まで長年ずっと悩んでいたのが嘘のようだと喜んでおられます。
だけど・・・ 診察すると便がありました😅
今日はちゃんと排便をすませ、坐剤を入れて残便も出して来たのに・・・です😅
坐剤で出し切れなかったのか、それとも、またあとから新しい便が下りてきたのか、どっちなのかは分かりませんが、肛門に便が溜まっている状態は良くないので、今日はもう一度、坐剤を入れるよう指示しました。
薬ではないので別に2回入れても大丈夫ですから👌
肛門鏡で診ると切れ痔は1カ所も無く、そして痔核が小さくなっていました
こういうことって結構多いのです。
ちゃんと排泄するようにしたら痔核(イボ痔)が小さくなるという経験をたくさんしています。
一度出来てしまった痔核は無くなりませんが、肛門の負担を減らすことによって少し小さくなったり、しぼんだりすることは、よくあることです。
切れ痔もないし、いぼ痔(痔核・脱肛)も無症状なので今日で治療終了です。
あとは自己管理です。
2回目の通院で治療が終わることに感動されました。
だって今まで5〜6年、切れる度にずっと通院されてましたからね・・・😓
便通を治さずに薬だけ使っても痔は良くならないし、良くなってもまた繰り返します。
だから本当の根本治療は痔の原因となった排泄を正すこと。
それだけで薬も使わず、手術もせずに痔が良くなることが多いです。
痔の手術は一握り。
大部分の人が手術せずに治ります。
次の受診は1年後。
治療のための通院ではなく、ちゃんと管理できているかどうかのお尻健診に来て頂くことにしました✨
化粧品で緊張がほぐれる?!(笑)
肛門科の診察は緊張するもの。
待合室は出来るだけリラックス出来るよう色々な工夫をしています。
グリーンを置いたり、読み物を置いたり・・・ ところが意外なモノが緊張緩和になったようです。
それは・・・化粧品です(笑)
患者さんから 「女性としては肌のことも興味があったので、診療所に皮膚科専用の化粧品が置いてあることも、待っている間のドキドキが和らぐためとても良かったです💖」 と言われ大笑い。
しかも付き添って来られたお母様が化粧品を購入し、「肌がいい感じ〜」と報告してくれるそうです(笑)。
通うのが楽しみな肛門科を目指したいと思います(笑)。
この患者さんが実際に書いて下さったアンケートはコチラ
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県外からのため、駅から病院(診療所)までたどりつくか不安でしたが、ホームページに駅から診療所までの写真付きの道順が掲載されていたためスムーズに到着できました。
初めての場所で、また肛門科であるためドキドキしている中、スムーズに到着できたことで少しホッとして助かりました。
写真付きの道順、本当に分かりやすくてとても良いです
仕事もしているし、県外のため、すぐに行けないのですが、土曜日も午後診察してくださることも助かります。
みのり先生のブログを拝見して、きっと自分も出残り便あるんだろうとは思っていましたが、先生から便残ってるよ、と言われ、やっぱり分かっていてもショックでしたが
先生が明るい方だったので、便つぶして出やすくしておくねと言って下さり、安心してちょっと笑ってしまいました
(今まで肛門科に行っても言われたことがなかったのと、衝撃でもあったため)
女性としては肌のことも興味があったので、診療所に皮膚科専用の化粧品が置いてあることも、待っている間のドキドキが少しやわらぐためとても良かったです
先生の説明もわかりやすく、今まで良いことだと思っていたことが、実はよくないということがわかり、本当に衝撃的でした
初めての診察でしたが、帰る時は本当に心が軽くなり、先生も受付の方も優しいし、勇気出して来て良かったと本当に思いました
今までの治療は、下剤と軟膏を処方されていたので、それを使わなくて良いのは正直、本当にそれで切れ痔が治るのかなと思ってしまいました。
先生、そのときは疑って本当にすみません
でも今は本当に本当に受診して良かった
県外だからとしぶっていたし、自費だし迷っていたけど、先生にみてもらえて本当に良かったです
1回目の診察以降、おしりが切れなくなったんです
今までおしりが切れるのが怖くて、排便することが辛かったのですが、その悩みに解放されました
いつも切れては、その日1日がブルーになっていたし、運動もやっているし、食事もある程度気を付けているのに、なんで家族の中で自分だけ切れ痔なのか落ち込んでいたので。
これからは自分でしっかり便通管理して肛門に負担かけないようにしていきます。
今までは、何で自分の肛門は切れるのって自分の肛門にイライラしてましたが
自分がいけなかったんだ
肛門よ、今までごめんね
という気持ちになりました。
また肛門が愛おしく感じました。
4〜5年切れ痔に悩んでいたのが、1日で悩みから解放されるなんて思っていなかったので、もっと早くみのり先生を知っていたらよかったのに〜って本当に思います。
母に付き添ってもらっての診察だったので、母にも毎回残り便があったと報告したり、全然切れてない
と報告してます。(笑)
母は化粧品を購入し、肌がいい感じ〜と報告してくれます(笑)
みのり先生に出会えて本当に良かったです
先生、家庭もあって仕事もして本当に大変だと思います。
体には気を付けてこれからも診療、頑張って下さい
1年後にまたお世話になります
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切れ痔(裂肛)についてのまとめ記事はコチラ
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