出産後、毎日お尻が痛くてトイレに行くのが恐怖だった患者さんの話 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日の患者さんは30代女性。

 

出産後から排便時の痛みが始まり、通院しても治らないため私の外来に来られました。

 

今までの経過

5か月前に出産。

 

出産後から排便時に痛むように。

 

それから約4か月もの間、毎日お尻が痛くてトイレに行くのが恐怖だったそうです。

 

市販の薬を試しても気休めにしかならず、近所の肛門科のある病院を受診。

 

ステロイド入りの軟膏便をやわらかくする飲み薬をもらい、一時的に良くなってはまたひどくなるのを繰り返し。

 

もうこのまま治らないのかもしれない・・・と絶望的な気持ちになって毎日、痔のことをインターネットで検索していたときに、私のブログにたどり着いたそうです。

 

ご主人に当院のことを話すと「すぐに行って来た方がいいよ」と言ってくれたため受診されました。

 

現在の排便と生活習慣

便は毎日出ています。

 

病院から出された酸化マグネシウムは今は飲んでいません。

 

それでも毎日ちゃんと排便があります。

 

でも出始めの便が硬いです。

 

ウォシュレットは自宅でのみ排便後に洗浄するために使っています。

 

なのにトイレットペーパーでお尻を拭くと便が付くため、5回くらい拭いています。

 

入浴時にはボディソープを肛門に付けて洗い、シャワーを直接肛門に当てて洗い流しています。

 

産後から、お尻の痛みのせいなのか「産後うつ」になり、ジェイゾロフトとデパスを飲んでいます。

 

診察の結果

ウォシュレットで洗って何度も紙で拭いているため、肛門周囲の皮膚が荒れて色素沈着しています。

 

小さな見張りイボが前方に1カ所あります。

 

診察すると便があります💩

軟便です。

 

排便を済ませてきたのに・・・です💦

 

出残り便秘ですね😓

 

便はやわらかいので酸化マグネシウムは必要なかったと思います。

 

自己中止されて良かった😓

肛門鏡で中を診察すると見張りイボの奥に切れ痔(裂肛)があり、さらにその奥に小さな肛門ポリープも出来ていました。

他の部位にも小さな肛門ポリープが散在しています。

 

今まで切れ痔(裂肛)を繰り返してきたのでしょう。

 

1カ所だけ小さな内痔核がありましたが脱出症状はありません。

 

便を出す坐剤を入れて残便を出してきてもらいました。

 

もう一度診察です。

 

ちゃんとスッキリ出し切れていました。 

 

肛門ポリープ見張りイボが出来ていたら慢性裂肛と診断され、中には手術を勧められている患者さんもおられますが、裂肛が治って症状が無くなれば手術は必要ありません。

裂肛の程度はひどくないので保存的治療で治るでしょうと説明したらホッとした顔をされました。

 

治療は

  1. 坐剤で便を出し切る
     
  2. Sザルベを肛門の中と肛門周囲に塗る
     
  3. 温水洗浄便座をはじめ肛門の洗浄を禁止

 

次回は2〜3週間後に来てもらうことにしました。

 

治療経過

なんと初めて診察を受けた翌日から便を出す時に痛みが全く無くなったそうで大喜び。

 

便が残っているから翌日硬くて切れて傷も治らないんだ・・・と納得。

毎日坐剤で残った便を出し切って、薬をきちんと塗って、頑張って治そう!と思えたそうです。

坐剤で便を出し切り薬を塗ること続けて1週間ほどすると、常にお尻に鈍い痛みがあったのもほとんどなくなって来ました。

 

強いお薬を使わずにここまで良くなるなんて・・・と驚かれています。

 

また悪化してしまわないように気を付けて生活しようと思ったそうです。

 

 

3週間後の診察

坐薬にもすっかり慣れて痛みも全く無くなっていました。

 

しかも診察の翌日から・・・です!

 

良かったですね😊

 

診察すると便もスッキリ出し切れているし、裂肛も治り、内痔核も小さくなっていました。

 

痔は治ったので今日で通院も終了です。

 

でも出残り便秘は治っていませんから坐剤は継続です。

 

今まであんなに悩んでいたことが2回目の通院で終了することに驚かれていましたが、何も調子も悪くないのに、痔の症状もないのに、通院してもらう意味もないため、次回は1年後にお尻健診で来て頂くことにしました。

 

あとは患者さんの生活の中で自己管理してもらうのです。

 

こうして2回目の通院で治療が完結する患者さんばかりではありませんが、8割くらいの患者さんが2回目で終了しています。

 

ひどくなればなるほど治療に時間がかかりますので、ひどくなる前に来て欲しいですね😓

 

痔のせいで「うつ」になることもある

この患者さんは「産後うつ」ということでしたが、産後だから「うつ」になったのか、お尻がつらくて「うつ」になったのか、あるいはその両方なのか、分かりません。

 

でも痔のせいでトイレが苦痛になって生活に支障を来すようになると、心までブルーになり、肛門科にかかって医師から「気にしすぎだ」とか「あなたが神経質すぎる」などと言われ、さらに傷付いてふさぎ込んでしまう人もいます。

 

また便秘は「気うつ」を引き起こしますから、便だけでなく色々なものが滞ってくるんですよね💧

 

だから出残り便秘を治して痔が治ると、気が晴れて、うつ病が治ってしまう患者さんもたくさん経験してきました。

 

痔のせいで「うつ」になっている人は実は多いのかもしれません。

 

痔の治療が心の治療につながればいいですね。

 

お尻の負担を取り除くことで心が軽くなれば嬉しいです😌
 

この患者さんが実際に書いて下さったアンケートはコチラ下矢印

 

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約4ヶ月もの間、毎日お尻が痛くてトイレに行くのが恐怖でした。

 

市販の薬を試しても気休めにしかならず、近所の肛門科のある病院に行くことにしました。

 

ステロイド入りの軟膏と便を柔らかくする飲み薬をもらい、一時的に良くなってはまたひどくなるのを繰り返しました。

 

もうこのまま治らないのかもしれない・・・と絶望的な気持ちになっていました。

 

そして毎日、痔のことをインターネットで検索していたときに、佐々木みのり先生のブログに辿り着きました。

 

夫にも大阪肛門科診療所のことを話すと、「すぐに行って来た方がいいよ」と言ってくれ、受診を決めました。

 

来院すると、受付の方もとても優しく対応して下さって安心しました。

 

ドキドキして診察を待っていましたが、みのり先生はとても明るい方で緊張がとけました。

 

 

診察の結果は、肛門に便が残っているし、裂肛がたくさんあって、いぼ痔もできかけているということでした。

 

便が残っているから翌日硬くて切れて、傷も治らないんだ・・・と納得しました。

 

毎日坐薬で残った便を出し切って、薬をきちんと塗って頑張って治そう!と思えました。

 

本当に行って良かったです。

 

 

初めて診察を受けた翌日、便を出す時に痛みが全くなくて嬉しかったです。

 

坐薬で便を出し切り、薬を塗ることを続けて1週間ほどすると、常にお尻に鈍い痛いがあったのもほとんどなくなってきました。

 

強いお薬を使わずに、ここまで良くなるなんて驚きました。

 

また悪化してしまわないように気を付けて生活しようと思いました。

 

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切れ痔(裂肛)についてのまとめ記事はコチラ下差し

 

切れ痔が治らない理由

 

手術を何度受けても切れ痔を繰り返す理由

 

切れ痔(裂肛)について




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