他院での手術をキャンセルして受診された患者さんの話 | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日の患者さんは中部地方から来られた50代女性。

 

地元の肛門科で手術と言われ予約までしていたのにキャンセルされて受診されました。

 

 

今までの経過

毎日排便があるので便秘や痔には無縁だと思っていたそうですが、8月中旬に痛みを伴う出血が・・・(初めてのことで血がポタポタと落ちた。)

 

すぐ治ると思ったら、その後、ひんぱんに出血するように。

 

まず消化器内科を受診。

 

大腸カメラを受けて異常なしということで一安心。

 

今度は地元の肛門科を受診。

 

裂肛と言われ軟膏と内服薬を出された。

 

その3週間後の診察で

 

「全然よくなってない。裂肛箇所が増えているし、ポリープも出来ている。慢性化している。手術だね。」

 

と言われたそうです。

 

今なら軽く済むけれど悪化してからでは手術も予後も大変になると。

 

 

薬を飲み、軟膏を使い、最初よりは状態が良くなっていた気がしていたのに、なんで悪化するんだろう?と疑問に思いました。

 

手術をすればすべて解決するとは何故か思えなかったし、初めて出血したのがほんの2か月前なのにもう慢性化?

 

簡単に手術を受け入れていいの?

 

何かまだできることがあるんじゃないの?

 

と悩んだ末に手術をキャンセルして、痔に関する情報収集を始めました。

 

いろんな情報に振り回される感もあったらしいですが、肛門や痔のことを少しも知らなかったので、それなりに勉強になったそうです。

 

 

そんな中で当院のブログに出会ったそうです。

 

私は出残り便秘だったんだ!なるほど。と納得する記事ばかり。

 

ここなら答えが見つかる!と思われましたが遠方で、自由診療の診察に行く決心はそう簡単にはつかない。

 

そこで、こちらを最後の砦にして、とにかく自分の症状に参考になりそうなことをやれるだけやってみようと思うも、なかなか良くならず、毎日血のついたトイレットペーパーを見るたび不安が増していったそう。

 

自己流で悪化させてしまったらどうしよう!?と。

 

ご主人が背中を押してくれたこともあり、ようやく決心して今回、受診されました。

 

患者さんの希望は

 

「今のおしりの状態を知りたいのと、どう改善していけるのかご相談させて下さい。 手術はしたくありません。」

 

とハッキリしていました。

 

 

現在の排便と習慣

下剤を飲まなくても毎日1回排便があります。

 

でも出始めが硬いです。

 

1年前から残便感があり、食べるとすぐに便が出たりしていました。

 

ウォシュレットは「おしり」も「ビデ」も両方使っていましたがブログを読んでからやめています。

 

入浴時にも泡を付けて肛門を洗い、シャワーを直接当てて洗い流しています。

 

 

診察の結果

洗い過ぎで肛門周囲の皮膚が赤くなっています。

 

前方と後方に切れ痔があります。

 

まだ治ってなかったんですね😓

 

肛門は狭くなく、見張りイボと肛門ポリープもできかけ・・・という状態で、明らかに大きなものはありません。

 

診察すると肛門の中に便があります。

 

今日は既に排便を済ませてきたのにです💦

 

便を出す坐剤を入れて出してきてもらいました。

 

スッキリ出し切れて便はありません。

 

私の診断は初期の裂肛で肛門狭窄もないので手術不要。

 

治療は

  1. 便を出す坐剤を入れて残便を出し切る
     
  2. 肛門の中と外にSザルベを塗る
     
  3. 温水洗浄便座や入浴時に肛門を洗わない

遠方からの受診でしたが次回の診察を2週間後としました。

 

 

治療経過

坐剤で肛門の出口に残っている便がスポン!と出るのには驚かれたそうです。

 

これが固くなって塞いでしまうのだと納得。

 

そして切れるのを繰り返す・・・。

 

それを改善しなければ切れ痔は治らない。

 

なのに便を残している自覚がないなんて困ったものだと反省・・・。

 

「治らない理屈は簡単なのに、治すにはとても大変なことなんだなと思いました。」

 

という患者さんの言葉は非常に示唆に富むものでした。

 

 

2週間後の受診

切れ痔は完全に治っていました。

 

真っ赤っかだった肛門周囲の皮膚もだいぶキレイになっていましたが、まだ皮膚は正常とは言えません。

 

洗い過ぎた皮膚が元に戻るには時間がかかります。

 

でも症状が無いので通院も必要ありません。

 

今日で終わりです。

 

切れ痔は治りましたが便秘は治っていません。

 

だから便通の管理は続きます。

 

そして1年後に「お尻健診」で来てもらうことにしました。

 

 

手術をキャンセルして良かった・・・

この患者さんのように

 

手術をキャンセルして良かった

 

手術を受けなくて良かった

 

と喜んで帰って行かれる患者さんが多いです。

 

手術と言われてもその場でスグに決めずに、家に帰ってからよく考えたり、ご家族に相談したり、色々と調べたり、別の肛門科を受診して他の先生の意見を聞いたりすることをオススメします。

 

手術が必要な痔は本当に少ないです。

 

痔の多くが手術をせずに治ります。

 

何も大阪肛門科診療所を受診されなくてもいいのです。

 

もう1軒、あるいは2〜3軒、別の肛門科の先生の意見を聞いてみて下さい。

 

その際は是非、肛門を専門にしている先生を選んで下さいね。

 

このサイトに探し方を書いています下差し

 

日本の肛門科の歴史と現状〜専門の医師を見分ける〜

 

 

先生によって見解が分かれることもあるでしょう。

 

言われることが違っていたら、かえって混乱するかもしれません。

 

そして「あなたがどうしたいのか」それを明確にして下さい。

 

それが明確になるまで手術は受けるべきではないと思います。

 

自分の大切なおしりのことです。

 

人任せにせず、迷って考えて悩んで、納得いく選択をしてくださいね。

 

そうすればどんな治療を受けても後悔はないと思います。

 

 

この患者さんが実際に書いて下さったアンケートはコチラ下矢印

 

わざわざパソコンでビッシリ書いて下さいました。

 

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毎日排便があるので便秘や痔には無縁だと思っていたのですが、8月中旬に痛みを伴う出血がありました。

 

すぐ治ると思ったのですが、その後、頻繁に出血するようになりました。

 

地元の肛門科を受診したところ裂肛と診断されました。

 

その3週間後の診察で

 

「全然良くなっていない。(裂肛箇所が)増えてるし、ポリープも出来ている。慢性化している。手術だね。」

 

と言われました。

 

今なら軽く済むけれど、悪化してからでは手術も予後も大変になると。

 

薬を飲み、軟膏を使い、最初よりは状態が良くなっていた気がしていたのに、なんで悪化するんだろう?と疑問に思いました。

 

手術をすれば全てが解決するとは何故か思えなかったし、

 

初めて出血したのがほんの2ヶ月前なのに、もう慢性化?

 

簡単に手術を受け入れていいの?

 

何かまだできることがあるんじゃないの?

 

と悩んだ末に手術をキャンセルして痔に関する情報収集を始めました。

 

いろんな情報に振り回される感もあったのですが、肛門や痔のことを少しも知らなかったのでそれなりに勉強になりました。

 

そんな中でみのり先生のブログに出会えたことは幸運でした。

 

私は出残り便秘だったんだ!

なるほど。

 

と納得する記事ばかりでした。

 

ここなら答えが見つかる!

 

と思ったのですが遠方で自由診療の診察に行く決心はそう簡単にはつきません。

 

そこでこちらを最後の砦にして、とにかく自分の症状に参考になりそうな事をやれるだけやってみようと思いました。

 

でもなかなか良くならず、毎日血の付いたトイレットペーパーを見るたび不安が増します。

 

自己流で悪化させてしまったらどうしよう!?と。

 

主人が背中を押してくれたこともあり、ようやく決心して今回、みのり先生に診て頂くことができました。

 

診療所のHPやみのり先生・院長先生のブログから知ったのですが、グルテンフリーやカゼインフリーを勧めていることや、TREや呼吸を整えることなど、そちらの方面を大切にされていることも受診を決心した大きな理由です。

 

疾病で異常を発している体と、疾病に直接結びつかないようでいて大きな影響を及ぼす日常の様々なもの、精神的な奥深いところも治療に汲んでいるのはすごいと思います。

 

みのり先生は真正面に向き合い、目を見ながら話をして下さいました。

 

こちらの話もしっかり聞いて下さいました。

 

つらつら読みづらく書いた問診票もしっかり見て下さっているようで、私の乳糖不耐症やアルコールのアレルギーに触れてくださったのにはビックリしました。

 

 

坐薬で肛門の出口に残っている便がスポン!と出るのには驚きました。

 

これが硬くなって塞いでしまうんですね。

 

そして切れるのを繰り返す・・・。

 

それを改善しなければ切れ痔は治らない。

 

なのに便を残している自覚がないなんて困ったものだと思います。

 

治らない理屈は簡単なのに治すにはとても大変なことなんだなと思いました。

 

診察の結果、肛門も狭くなっておらず見張りイボも出来ていない、手術しなくても治りますと言われた時はうるっとしました。

 

泣かれる患者さんがおられるそうですが本当に分かります、その気持ち。

 

張りつめていた気持ちが一気にほぐれるんです。

 

「私の見解と違うなぁ」

 

みのり先生は要手術と判断した地元の肛門科医師との診断の違いをこうおっしゃいました。

 

私はこの言葉でも救われました。

 

どの先生正しいとか正しくないとか、良い悪いとかではなく、診立てが違うだけなんですね。

 

みのり先生に診てもらえるきっかけを地元の医師が作ってくれたんだと思うと、その事にも感謝の気持ちがわいてきます。

 

 

みのり先生に診て頂いてから2週間になりますが、おかげさまで出血がない毎日です。

 

坐薬にも慣れてきました。

 

便は毎日様子が違うのですね。

 

今までは排便するだけで量や硬さなど便の様子を観察することはなかったのですが、自分なりのチェックも大事なんだなと感じています。

 

ウォシュレットとも決別しました。

 

使わなくても良いものをガンガン使っていたんだなと思います。

 

知らないとそのまま世間の当たり前に流されるけど、身の回りに過剰な物って結構多いのですね。

 

色々教えて頂きありがとうございました。

 

 

自覚のない出残り便秘生活を長く送ってきたはずなので、これから頑張り時だと思います。

 

いつ卒業か分からないけれど、自分の体を大切にする気持ちを忘れずに毎日続けて行こうと思います。

 

 

大阪肛門科診療所は自由診療だからこそ、手術や薬を投与するなどの一般的な対処療法ではなく、一人ひとりに最適な治療をしてもらえること、悪い便通習慣を見直して、正しいやり方の指導を含め、根本的な治療をして貰えると言うことも受診して初めて知りました。

 

ここでなくてはこの治療が受けられないのですね。

 

通院が終わりで治療が完了するわけではないという考え方は本当にすばらしいと思います。

 

そういう治療をずっと続けて下さったおかげで、たくさんの患者さんが救われているのだと思いました。

 

看護師さんや清掃の方の患者さんとの距離感や接し方も見ていて素晴らしいと思いました。

 

どなたも気配りが自然で心地よいのです。

 

診察待ちの時間が心地よい病院は初めてでした。

 

こちらを受診して本当に良かったです。

 

みなさまこれからもどうぞご活躍なさって下さい。

 

HPや先生方のブログを引き続いて拝見させて頂こうと思っています。

 

これからもいろんな情報を発信して下さい。

 

どうぞよろしくお願い致します。

 

ご縁に本当に感謝しています。

 

ありがとうございました。

 

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この患者さんが出会った解説記事はコチラ下矢印

 

出残り便秘・鈍感便秘 〜その残便感は便秘かもしれない〜

 

 

 

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