先日、ウォシュレットが原因になることがある性病「肛門尖圭コンジローマ」のことを書きました。
皆さん、衝撃だったようで(診療所の患者さん達にとっては常識ですが・・・)
「ウォシュレットを使うのが怖くなった」
という声がTwitterで散見されました。
正確には
「ウォシュレットが怖い」のではなく「洗い過ぎることが悪い」のです。
皮膚バリアーが正常な健常皮膚では感染しません。
傷や肌荒れがあるから感染が成立してしまうのです。
そもそもウイルスなんて生活環境の中のあらゆる所に存在するでしょう。
風邪やインフルエンザも、いつ、どこで、誰から、どのような経路で感染したのか説明できないのと同じで、バリアーの無い「無防備な皮膚」を作ってしまうことがいけないのです。
それではなぜ無防備な皮膚になってしまうのか?
皮膚は体の一番外側にある臓器。
建物で言うと外壁のようなもの。
建物も外壁塗装があるからこそ雨が降っても水が内部にしみこまないようになっています。
この塗装が剥がれると、そこから水が入り込み、雨漏りします。
だから数年に1回、外壁塗装をするのです。(うちの建物もやっています)
この外壁塗装の役割をしているのが皮脂膜です。
皮膚の表面にある天然の脂です。
これがあるから簡単にウイルスや細菌が侵入できないようになっているのです。
洗い過ぎると、この大切な皮膚の第一次バリアーである「皮脂膜」が剥がれ落ちてしまいます。
皮脂膜がない皮膚は外壁塗装をしていない建物と同じ。
色々なものが簡単に侵入できます。
健康な皮膚であればなんてことはないウイルスでも侵入し感染が成立してしまいます。
だから皮脂膜を落とさないようなスキンケアが大切。
顔のスキンケアは皆さん念入りにされているようですが、オシリの皮膚は鏡で毎日見ていません。
だから何が起こっているのかも自分の体のことなのに分からない。
オシリの周りの皮膚は顔で言うと目の周りと同じ。
とても薄くてデリケートなのです。
目の周りを洗うのにシャワーを直撃したり、水鉄砲で洗ったりしませんよね?
オシリも同じです。
目の周りの皮膚をケアするように、肛門周囲の皮膚のケアもしてあげてください。
だからウォシュレットが怖いのではなく、洗い過ぎることが悪いのです。
皮膚が健常であればウォシュレットで感染しないはず。
洗い過ぎて感染しやすい皮膚を作ってしまうことがいけないのです。
だから
洗うのもほどほどに。
そもそも洗わなければならない排便を見直すべきなのですけどね・・・。
この話は次の機会に。
こちらに詳しい解説があります
診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬も洗い過ぎるとダメみたいです
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