夢のようです | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日のブログのタイトルは

先日、日帰り手術を受けられた

83歳の女性の言葉です(*^_^*)

長年、ずっと脱肛(イボ痔)で悩んで来られたそうです。

でも恥ずかしさと怖さから肛門科を受診する勇気が持てず、

死ぬまでこの痔を持っていよう・・・

と思っておられたそうです^_^;

でも不快感に耐えかねて私の外来を受診されました。

最初は小さかった痔核(イボ痔)も、ひどくなると押し込んでも中に入らなくなります。

一旦中に入ってもスグに出てきたり、歩いていると飛び出してきたり、くしゃみをすると出てきたり・・・と、痛みがなくても不快な症状で苦しんでいる患者さんも多いです。

このおばあちゃんもそうでした。

飛び出したまま戻らない状態になっていました。

しかも内痔核が脱出しているため、粘液で肛門周囲がベタベタしている状態でした。

粘液で皮膚がかぶれてかゆくなる人も多いですね。

あるいは出ているイボ(痔核)が下着でこすれて血が付くといった症状がある人も多いです。

痛みがなくても不快、不便です。

手術を希望されて来られていたのですが、このご年齢になると重篤な疾患や体力がない場合は手術が出来ないこともあります。

幸い、このおばあちゃんはとっても元気!

10歳くらい若く見えましたね。

他に病気もなかったので手術出来ました。

ご本人の希望で日帰り手術となったのですが、大丈夫かな・・・って心配だったんです。

痛くないかな・・・
ちゃんと眠れてるかな・・・
翌朝、便出せるかな・・・


いつもいつも、手術を受けられた人、全員、心配していますが、特に高齢者の方は色々な意味でさらに心配です。

ところが・・・

手術の翌日、診察に来て頂いたのですが・・・

笑顔でスタスタ元気そうに歩いてこられたんです!

そして第一声が

「先生、夢のようです」

どういうこと?

「こんなに痛みが少なくて楽だとは夢にも思ってませんでした。夜もぐっすり眠れましたし、今朝、ちゃんと便も出せました。」

「痔の手術は痛いからずっと治療を我慢してきたんです。こんなに楽ならもっと早くここに来れば良かった。」


痛みもほとんどなく、便通も問題なく、ホッとしました。

このおばあちゃんだけじゃありません。

痔の手術は死ぬほど痛い

という概念が多くの人の意識にあるようです。

だから痔の治療を受けずに放置したり、売薬でごまかしたりしている人が多いです。

痛みは測れないので言葉で正確に伝えるのが難しいですが

皆さんが想像しているほど痛くないと思います(*^_^*)

だって

手術後、イスに座れます
普通に歩けます
仕事にもいっておられます


もちろん個人差がありますし、無痛でもありません。

痛みはあります。

だけど「死ぬほど」は痛くないと思いますよ^_^;

手術を受けた患者さんの笑顔は本当に嬉しいです(*^_^*)

もちろん手術直後は痛くて笑顔がなかったり、ひきつり笑いしている人もいるかもしれません。

でも、

完治したあとは笑顔になってほしい

そう思って頑張っています。

私たちのゴールは患者さんの笑顔です。

痔の治療を通して

その人の人生に何か残せたらいいな

気づきを与えられたらいいな

人生が好転すればいいな

幸せになるお手伝いが出来ればいいな

大げさですが、いつもそう思って来られる患者さんに接しています。

そして他でもない私たちが患者さんに幸せをたくさんもらっています(*^_^*)


手術を受けて夢のようですか?

いえいえ

夢じゃありません(*^_^*)

現実なんです

皆さんが想像しているほど

痔の治療は痛くないのかもしれませんよ(*^_^*)



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診療所のセラピードッグ「ラブ」
ハロウィンの首輪をしてます♥
ラブからもいっぱい幸せをもらってます