ノーコード開発プラットフォームは、実務用プログラムの制作に制約のない技術選択が必須 | ノーコードプラットフォーム

ノーコード開発プラットフォームは、実務用プログラムの制作に制約のない技術選択が必須

 

ノーコードソリューションはコーディング技術やアルゴリズムに対するバックグラウンド知識のない実務者が重要なユーザ層であるため、かれらが容易に学び早く適用できるかどうか、最も重要な検討基準になるべきである。

しかし、ノーコードソリューションをエンタープライズ·ビジネス環境において実際の業務を処理する用途に使用する必要があるため、様々な業種とすべての業務領域にわたって使用されるアプリケーションプログラムを実装することが必要である。

そして、こうして作られたプログラムが組織内部はもちろん、組織外部の同時多数のユーザ集団を円滑にサポートできなければ、適した技術であるとは評価できないだろう。

 

​従って、実務現場で必要な業務用アプリを具現化するために必要な次のような機能とサービスを、実際にコーディング作業がなくても実現可能かどうか、必ず事前に検討しなければならない。

 

  ノーコード開発プラットフォームの技術的根幹と運営環境の適合性の検討が重要である。

 

ノーコード技術も、結局、アプリを作って運営する効率性を極大化するための手段である。 したがって、ノーコード開発プラットフォームが選択した技術環境と運営するITインフラが非常に重要である。

そのため、統合システムを運営する環境として、拡張性と互換性および発展性も考慮しなければならず、既存のレガシーシステムとも連携や統合の観点からも検討する必要がある。

 

区分 検討項目 番号 チェックリスト 評点
A 推奨運営環境と技術 A01 サーバーOSが最も経済的で広く使われているLinuxとWindowsを同時に支援しているのか。
 
A02 サーバプラットフォームを最も経済的で広く使われるオープンソース(Tomcat, Apache)を基本に支援しているのか。
 
A03 DBMSを最も経済的で広く使われるオープンソース(mySQL, SQLite)を基本に支援しているのか。
 
A04 通信プロトコルをHTTP、HTTPS、TCPIP などの産業標準を基本的に支援しているのか。
 
A05 端末機種をAndroid、iOS、Windowsなど現在市場を寡占しているOSを全て対応できるのか?
 
A06 Webアプリ方式で運営する場合、Cross Browser (Chrome、Safari、Firefox、Edgeなど)支援しているのか。
 
B 自社の運営環境に適応 B01 自社に既に構築されているサーバOS(Windows、Linux、Unix)がそのまま使えるのか。
 
B02 自社で既に運営しているサーバプラットフォーム(JBOSS、WebSphere、JUESなど)は使用できるのか。
 
B03 自社で既に運用中のDBMS(Oracle、SQL-Server、DB2など)はそのまま使用できるのか。
 

 

 

  ノーコーディングで実装可能なアプリ機能が、どのようなものがあるのかチェックは必須である。

 

1. UI/UXとユーザの運用環境チェックリスト

 

​ノーコードソリューションでアプリを製作する場合にも、実際にユーザが使用しているすべての端末機種や運用環境を支援できることが必要である。

特に一般人が使用するB2C形態のアプリ制作の必須要件であるUI/UX表現の自由度も高くなければならない。

 

検討項目 番号 チェックリスト 評点
UI/UX関連 C01 エクセルシートなどのように形式や型に限らず自由にUI/UX の実装が可能なのか。
 
C02 提供されたテンプレートに関わらず、文書の形式や実装する機能を自在に構成できるのか。
 
C03 非常に複雑で細かな業務処理ロジックや比較判断、演算処理まで実装できるのか。
 
C04 

実装可能な対象や業務がC、Javaなど通常のプログラム言語と同様に制約がないのか。



 
ユーザーの運営環境 D01 製作されたプログラム処理速度が速く、セキュリティ性の高いネイティブアプリ技術を採用しているのか。
 
D02 たった一度の開発でAndroid、iOS、Windowsなど環境に互換なクロスプラットフォームを提供するのか。
 
D03 Webブラウザ機能に制約されることなく、各オペレーティングシステムの強力なUI/UXをすべて実装可能なのか。
 
D04 ユーザー端末の機種やサイズに最適化され動作する反応型アプリ(Responsive App)に対応するのか。
 
D05 ユーザの必要に応じてネイティブアプリをブラウザ基盤のWebアプリに変換技術もサポートするのか。
 

 



2. 端末用プログラミング機能チェックリスト

 

アプリはそれ自体を制作することが最終目標ではなく、そのアプリを活用してビジネスを円滑に行えるようにするのが目的である。

そこで、たとえノーコードソリューションといっても、適用する対象や実装する機能に制約がない技術を選択しなければならない。

 



端末用プログラミング機能 E01 多数のサーバシステムと接続·運営するクライアント-サーバ型プログラムを実装できるのか。
 
E02 サーバなしで端末単独でDB構築及び運営まで可能なスタンドアロンアプリもサポートするのか。    
 
E03 遠隔サーバーDBと一緒に端末内部のDBが連携処理するアプリも実装できるのか。
 
E04 コーディング作業なしで複雑な実務現場の業務処理方法、手続き、条件を具現化するツールは提供するのか?
 
E05 特定のアプリモジュールで処理したデータとメッセージを、各モジュール間で共有及び連動する機能もサポートするのか。
 
E06 アプリモジュール内部で当該業務に関連して、他のユーザーとのリアルタイムチャット機能も実装可能なのか。
 
E07 アプリモジュール内にMAP(グーグル、アップル)位置情報と連携処理機能も実装可能なのか。
 
E08 各アプリモジュールで独自ログインやSNSログイン(Google、Facebookなど)を選択、実装できるのか。
 
E09 各アプリモジュールで売買代金を受け取るPG決済や、Google(アップル)アプリ内決済機能も実装可能なのか。    
 
E10 ユーザ端末に内蔵カメラ、GPS、マイク、各種センサー認識と制御機能も実装可能なのか。
 
E11 ユーザー端末から写真や動画撮影、アップロードやダウンロードなどの機能を具現化することも可能なのか。
 
E12 HTTP、HTTPS、TCPIP など産業標準プロトコルを使用多様なサーバ装置と通信が可能なのか。
 
E13 Bluetooth、NFC、WIFI等の通信媒体を通じて様々な周辺装置とデータ通信が可能なのか。
 
E14 アルドゥイーノ 、QR ・ バーコード スキャナーや各種周辺機器と連携したアプリの実装が可能なのか。    
 
E15 音声認識、映像認識、音声出力など汎用AIサービスを組み合わせたアプリの実装が可能なのか。
 

 

3. DBサーバーデータ処理機能とAPサーバープログラミング機能のチェックリスト

 

ビジネスアプリはユーザ端末単独で運営されることはほとんどない。 したがって、端末用のアプリの製作はもちろん、APサーバー内部で運用されるサーバープログラムの製作やDBサーバーに構築されたデータテーブルの設計と生成作業まですべて自動処理しなければならない。

そうしてこそ真の意味でノーコードソリューションと言えるだろう。

 

 

F







DBサーバーデータ処理機能
F01 実装するアプリの実行に必要なDBテーブルの設計と生成作業が自動処理されるのか
 
F02 各アプリでSQLを使わず、複雑な条件式を付与して精巧なデータ検索ができるツールを提供するのか。
 
F03 Oracle、SQL-Server、mySQL DB2、SQLiteなど主要なDBMSソリューションをすべてサポートできるのか。
 
F04 DBサーバー内部に実装されたロジック(Stored Procedure, Trigger)と連携したアプリ機能も実装可能なのか。
 
F05 基幹系システムで蓄積したDBテーブルデータと連携したアプリの開発も可能なのか。
 
F06 既に蓄積されたDBデータの構造と形式を、制作するアプリのスペックに合わせて自動変換をサポートするのか。
 
G APサーバプログラミング機能 G01 自社が使用しているOS(LINUX、Windows、UNIX 等)でアプリケーションサーバを構築できるのか
 
G02 経済的で発展性の高いTOMCAT、Apacheオープンソース環境に最適なノーコード開発プラットフォームなのか。
 
G03 自社が使用しているWAS(TOMCAT、JBOSS、JEUS、WebSphere等)でAPサーバ構築が可能なのか。
 
G04 オンプレミスあるいはクラウド(AWS、グーグル、MS等)でサーバー構築方式を自由に選択できるのか。
 
G05 APサーバーで実行されるアプリもすべて自動作成および配布する技術を提供するのか。
 
G06 WebApp方式運用時にWEB UI(HTML5、CSS 3、JS)に自動変換および配布する技術を提供するのか。
 
G07 ビジネスロジックやアプリケーションリソースを体系的に管理するknowledgeコンテナ技術を支援するのか。
 
G08 サーバの実行と負荷状態を管理するパフォーマンスモニタリングおよびロードバランシング機能は提供するのか。

 

 

4. 基幹系システム、OpenAPI及びAIサービスと連携機能チェックリスト

 
​アプリは、自社内で運営している他の多くの基幹系システムはもとより、外部取引先や顧客会社、公共機関(銀行や税務署など)システムとも、データ共有および機能連携が必須に求められる。
このような外部サービスとの連携やデータ共有といった処理機能も、やはりノーコーディング体制でサポートできるべきである。
 
基幹系システム連携及び統合機能 H01 既存基幹系システム(ERP、CRM、SCM、G/W 等)と機能連携やデータ統合は可能なのか。
 
H02 現在運営中のショッピングモール、マーケットプレイス 等との機能連携やデータ共有(REST、SOAP)は可能なのか。
 
H03 SAP など主要ERP システムRFC やWebサービスと連携したアプリ制作技術はサポートするのか。
 
公共サービス(OpenAPI)連携機能 I01 政府及び公共機関が提供したOpenAPIを活用して高度化したアプリの制作機能をサポートするのか。
 
I02 Google、YouTubeなどが提供したOpenAPIを活用した高機能アプリの制作機能をサポートするのか。
 
AIサービスとの連携·処理機能 J01 Google、Amazon、Microsoft、ETRIなどが提供したAIサービスを活用したアプリ作りの技術をサポートするのか。
 
J02 自社が直接開発したAIロジックと連携して業務を最適化するアプリを作る技術をサポートするのか。
 
J03 制作するアプリプログラムインターフェース方式を音声、映像認識、音声出力などAIを活用できるのか。

 
 

 

 

 

ノーコード技術ジャーナルは下記のような順序で記述されています。
最も良い方法は順番に読むことを推奨します。

 

第1編 ソフトウェア工学とノーコーディング技術

1. [ノーコード技術] なぜ、今...「ノーコードプラットフォーム」ブームが起こっているのか?

2. [ノーコード技術] ソフトウェア産業従事者への深層情報提供が目的

3. [ノーコード技術] ノーコード技術とコーディングの根本的な違いは何か?

4. [ノーコード技術]ノーコードソリューションとローコードソリューションはどのように異なるのか?

5. ノーコード体制を実現するには、何を直すべきか?

6. ノーコードソリューションが、本当にCやJavaの代わりになるのか?

7. ノーコードソリューションの基本的要件は何か?

8. 「ノーコード開発プラットフォーム」が第4次産業革命のエンジンである理由

9. エンタープライズ・ノーコード・プラットフォームの選択基準

10. ノーコード開発プラットフォームは、実務用プログラムの制作に制約のない技術選択が必須