結果に賛否の声、転機迎えた本屋大賞 「打倒!直木賞」で始まったはず
 以前、芸人の又吉氏が芥川賞を受賞した時に書いたと思いますが、出版事情から話題になる本を大賞に選んで、注目を集める。それによって本を売ろう、業界を活性化させようというのは別におかしい話ではない。それを入り口にしてより多くの人に本を読んでもらうきっかけになればいい。まあそのきっかけをもっと上手く利用する方法はあると思いますが…。

 で、今回の本屋大賞ですが、草の根運動的に下から始まったものですよね。芥川賞や直木賞というのは権威ある賞で、プロたちが「この作品は素晴らしい」と評価することでお墨付きを与えて大々的に世に売り出すもの。だが、本屋大賞は違う。一般の本好き、それも書店員という人達がオススメしてその中から選ばれるもの。成り立ちが違うわけですよね。それなのに直木賞というものと同時受賞と言うのはあまりよろしくないことのような気がします。

 一般の本屋・書店員たちの口コミ的な形のものを貫いたほうが良い気がしますね。プロが凄い!というのと、アマチュア視点で話し合って自然発生的に人気が増えていくというのはルートが違いますし、それを受け付ける・受け付けないというのも人によって変わってくるでしょうからね。

 ただまあ、上のプロの人から見てもすごい作品。下のアマチュアから見ても面白い作品というものは存在しうると思うので絶対ダメだというわけではないので、今回受賞した作品がそういう作品であるというのならそれはそれでいいと思います。プロ・アマ幅広く支持される稀有な作品ということですので。

 変に権威化して変な力学が働いたということでもなければ、まあいいかと。そして本来の賞の目的のためになるべく芥川賞や直木賞のような作品は選ぶべきではないでしょうね。

 まあ業界の人達が、業界活性化のために一番いい形は何かということを考えて、適切な方針でやっていただければ良いのではと思います。