誰が読むんだという去年のCSの話を書き終わったのでそろそろ再開を本家で書く前に書こうと思って書いてなかったネタをPKOとか空母の話です。

 南スーダンへのPKOが終了しました。そういえば2012年から5年もかけてやっていましたね。日本のPKOの歴史の中で言うまでもなく最長。カンボジア・ハイチ・東ティモールなどなど色々ありましたがここまでずっとやってきたのは珍しいことですし、東アジアや太平洋・中南米という域を超えて、初のアフリカでのPKOという点でも興味深い事例だったと思います。

 アフリカや中東となると、不安定度合いが他の地域とは格段に違いますからね。まあ中南米も最近ではベネズエラ情勢などもあって、一概にはいえませんけど。やはり世界情勢を左右する問題といえば、中東近辺を連想しますからね。

 戦争・紛争などでの軍事力展開とは違い、戦後秩序回復の意味合いが強い、ピースメイキングを念頭に軍隊がインフラ整備などを行う。戦争後の混乱→秩序回復→周辺秩序の安定化とかそういう目的があるわけですけど、スーダンはもう安定化が不可能なので、南スーダンを切り離してなんとか秩序を保とうと米欧主体で建国されたもの。この南スーダンが安定化しないことには国際秩序の主催者である米の面目丸つぶれ。シリア情勢などもあって、スーダンが不安定化して・アフリカから中東へ連鎖すれば…。まあどうしてもそう考えるもの。

 国会答弁で一定のめどがついたから撤退とか、PKOが失敗したことをごまかしているとかそんな話がありましたが、新国家建国で明確な権力基盤があって安定化が約束されているわけでもなかったですからね。日本としても死活的な利害があるわけでもないここに長期的に派兵する理由はないですし。外交的に恩を売る、威信のためのPKOですからそこまで問題になる話ではない気がしますね。

 南スーダンに大義がないとか、また現実的に国家として成功する・周辺地域に良い影響を与えるなどの見込みがないとか、そういうことが言われるかもしれませんが、かといって放置しておけば紛争被害が増すだけなのでね。他にどうしようもなかったですし。

 こういうPKOがどういう外交・軍事・政治的なメリットがあったのかそういうものを見せてほしいですね。それが多い少ないで、外交的成功・失敗が判断できると思うので。

 外務省の報告書見ると、道路・用地造成・施設建設がハイチやカンボジアの何倍と書いてありますが、こういうPKOでの展開が増えれば増えるほど、大規模になればなるほど、海外での活動しやすさは増していくでしょうね。

 別にどこかの手合みたいに、海外での侵略に繋がる!なんて主張はしないですけど、米軍の後方支援担当である自衛隊がそういう役割を担ってますます米軍と一体化する、彼らの戦略に組み込まれてしまうことは怖いですね。米軍が戦争する、日本が後始末するなんていう巻き込まれは勘弁していただきたいですね。外交的成果を元に米と交渉しようという勢力が今の自民には皆無なので、ますます従属させられていく図が見えますから。


 ついでに海自最大の護衛艦「かが」が登場したとか、そういうことについても一応触れておきたいと思います。単独で書くことのほどはないのでまとめて。ヘリコプター、オスプレイなどの発着が可能なヘリ空母だと。他の航空機はどうなんでしょうね?まあ不可能ってことはないと思いますけど。全長248メートルということは原子力空母以外の空母と殆ど同じと見て良いのでしょうか?

 中国は4・23が海軍の創設記念日とかで、その日に二隻目の国産空母の進水式を行うと言われています。中国が海洋進出を今後も展開していく。米の10隻ほどではなくても3隻で十分だとか(中国には何隻の空母が必要か?「遼寧号」の設計責任者が中国の空母事情を語る )。

 3隻目の新空母、おそらく原子力空母になるのでしょうけど、そこで止まればいいですが、台湾を睨んで&対米事情からももっと造ることになるかと。建艦競争じゃないですけど、中国が空母をバカバカ作れば、日本としても黙っては見ていられないでしょうね。護衛艦の名のもとに実質空母を作り出しても不思議ではない。

 原子力空母がなければ中国に侵略される!という世論が巻き起こったら、果たしてどうするのでしょうか?非核三原則放棄論も巻き起こってくるのでしょうか?まあ、実際は米の空母を凌ぐだけのものを作ることはないでしょうけどね。そろそろ米の古い空母を払い下げてもらって、日本も空母保有を!議論が起こるかもしれません。いずれ本格的に空母を持つ日が来るかもしれません。

 護衛艦「かが」も中国に先んじたとは言え、中国の空母を念頭に置いて作られたと思われます。初の国産空母「遼寧」はそういえばロシアからの払い下げでしたね。小川さんの本を読むまで失念していましたが、ウクライナ・黒海からソ連・ロシアは空母を展開していて、ソ連解体の流れで中国に空母を払い下げたという流れがありました。ウクライナ・クリミア半島情勢は、その空母払い下げ、中国への軍事的な支援・空母の売却などを通じて海洋ルートをなんとか確保しようという流れがありましたね。そういう意味でもウクライナとの関係強化は欠かせないということを忘れていましたね。

 まあ、そんな思いつきを。そういや「かが」って艦これの加賀さんを連想するなぁ(笑)。まあずっと前から名前は決まってそうなので関係はないんでしょうけどね。艦これ的には早速キャラ化したのでしょうか?やってないので知りませんが。