「デモで社会は変わる」と期待していた人たち、今回の選挙結果でどうなるか、という話。

 デモであんなに民意を示したのに社会が変わらないなんておかしい!不正だ!となるか、それともデモ自体が有意義か無意味か?無意味ではないがもっと別の方向に力を注ぎ、選挙で勝てるような方向に進めよう!そのために我々は何をすべきなのか!と現実に向き合い、効果ある戦略を考え出せかですね。後者に期待したいです。

 こういう国論を二分すべきテーマ受け皿が分散しちゃうと厳しいですね。デモも今まで行われて来なかったことですし、草の根みたいな小さい単位で意思表示をして投票をするといった慣習がなかったことを考えると、次はそちらがブームになって根付いて欲しいと思います。

 デモというのは重要といえば重要なんですけども、それが波及的効果を持たなくては意味が無いと感じています。デモ→各地に波及→全国規模の声。そうならなくてはならないのに、官邸前で留まっていたのは、日本社会の政治組織不在にあるという気がしてます。今回の低投票率とも相関性があるでしょうね。少なくとも投票に行かなくては!とならなくてはならなかったわけですからね。


  「官邸前のような運動が起きたのに、自民党が大勝した」ではなく、「官邸前のような運動しか起こせなかったから、自民党が大勝した」―というツイートを見ましたが、まさにそのとおりでしょうね。

 「脱原発」だけれども「デモ」には違和感を感じるという人たちがかなりいたと思うのです。その人たちをどのように取り込んでいくのかということも重要ですね。今回のデモはやはりローカルなイベントにしかなりえなかったことが悔やまれますね。

 規模ではかつてないくらい人員を動員してそれだけ見ると「全国的」な現象だと錯覚してしまったのかも(己もそのケがありました)。規模では「全国的」といっていいレベルなのに、地方主要都市を見るとイマイチ。そういう点では「ローカル」「局地」的現象だったのかと。

 この辺も、東京への一極集中の裏返しなのかもしれません(関係ないかな?)。東京に問題、デモが集中して地方は「へー」というか、地方レベル止まりというか。東京さえ抑えればなんとかなるみたいな驕りがあったのかも?関係無いですかね?

 デモ、大衆の受け皿として、声を代表する政治組織が地方にあって、こういう問題でルートを通じて団結・繋がること。そういう組織の政治プロ、渉外プロがいれば議員交渉もスッと言った気がするんですよね。
デモ→各議員に働きかけ→政策立案という形もありえたような気がしますね。まあ難しくともそういう動きが現実化しなかったことが大きな問題かと。

 結局のところ、一般人と政治家のルートが単純に国民⇔議員という形じゃなく、国民⇔中間組織⇔議員。そういう中間形態がないことなのかな?と。本来デモも議員働きかけも不可分だと思うのですが、そうなってないのは土壌がないからで、今後はそういう方向に進んでいくかと思いますね。そうじゃなかったら大衆運動なんて力持ち用ないですから。

 今までは企業とか労組とか農協とか、巨大な中間団体が間に入り過ぎていた高度経済成長の時代背景があって、必然的に雇用と組織が不可分の形で政党に直結していたという気がしますが、今はそういう図式も崩れた。だけどもまだ組織化されずに盲流のような感じになっている。ドラッカーじゃないですが、そこを顧客として組織化していくものが勝者になるのかなと感じてます。