リストラ ~第9話~ | 株式会社リデベ(再開発)の社長(こと相澤巧)のブログ

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住宅産業・不動産業界・建設業界の情報や裏話を綴ってます。立退きや地上げの話から戸建住宅のクレームや賃貸契約の話を書いてます。

連載の割りに間隔が空いてしまいました。以前の話はこちらです。


リストラ ~第1話~

リストラ ~第2話~

リストラ ~第3話~

リストラ ~第4話~(番外編「独り言」)

リストラ ~第5話~

リストラ ~第6話~

リストラ ~第7話~

リストラ ~第8話~


本稿のテーマは『組織』なのですが、組織というのは、なかなか難しいものです。

企業という組織は営利団体である以上、利益を追求するのは当たり前のことです。利益を得る為には『安く仕入れて、高く売る』『より多くの販売数を稼ぐ』の二つの方法しかありません。勿論、両立できればそれがベストに決まっています。


『安く仕入れて高く売る』ためには、安く仕入れた物を如何に加工するかの同業他社に負けない技術力が問われます。

『より多くの販売数を稼ぐ』ためには、同業他社との価格競争に勝たなければなりません。


ここでの難題は同業他社に負けない技術力です。

 

日本の製造業分野に於いては世界に負けない技術力は沢山あると思います。しかし、ある一定以上の技術開発は人間の生活レベルに於いて必要かどうかという問題に立たされます。

例えば携帯電話が良い例でしょう。

日本の携帯電話は世界レベルに於いて非常に優れたものです。しかし、世界シェアという意味では決して優れていません。これは日本の携帯電話の付加価値的性能が、利用者に受け入れられてないからに他なりません。私の携帯にも色々な機能が付いています。デジカメ、TV、FMラジオ、もちろんネットもできるし、ダウンロードしたのでドラクエもできます。使っていませんが、音楽も聴けるし、申し込めば、携帯で電車やバスにも乗れるし・・・。

ところが、ここまでの必要性があるかは極めて疑問です。


ただ、人類が技術開発をして売れる分野はまだまだあるのも事実です。医療薬品の分野や電気自動車などの環境産業が典型例だと思いますが、それ以外の多くの分野では、コスト競争が技術開発に勝っていく時代に変化していくと思います。

しかし、技術者は全局面が見えないまま、技術進歩を目指します。これはそれが仕事である以上、仕方がないことです。

組織の中でそれを理解してもらい、世に出すことは大変なことでした。


私が技術者だった時代に思っていたことは


『企業としての社会的使命を考えて、技術開発に臨む』


ということでしたが、企業としての社会使命は当時の私にとっては、その企業が社会的に認められる技術や商品を世に送り出すことであり、企業としての利益を最重要には考えていませんでした。


『利益は後からついてくる。』


ぐらいに考えていました。

しかし、重要なことは『必要な技術とコストバランス』であることが組織運営にとって重要なことです。

これは企業が大きくなればなるほど、重要になってきます。



本タイトル続編で久々にも関わらず前置きが長くてスイマセン。さて本題です。


私は、その会社が力を入れるべく新設した商品技術開発室に配属されました。

しかし、もともとあった部署ではありませんから、何から手をつけるべきかは全く解りませんでした。

また、私はこれからの住宅業界において新築の需要が減っていくと考えていました。理由は・・・


1.人口の減少。また、団塊ジュニア世代を住宅減税や、相続税の前倒し政策などで、需要の先取りをしたことから、新築の需要は全体としては減っていく。


2.当時、創設された住宅性能評価制度などで、住宅寿命の延長化などにより、建て替え需要の減少。


3.当時のバブル崩壊後、立ち直らない日本経済から見て、立ち直ったとしてもスパイラル経済になり、新築よりもリフォームによる住宅などの建築物という資産を大事にしていく。


という考えを持っていました。

今でもこの考えは殆ど間違っていないと思っています。


ですから、新築住宅の技術開発や新規の商品考案をすることが、自分のいる会社にとってメリットになるとは考えていませんでした。しかし、その事業をやっていく以上、誰かがやらなければいけない事だとは思っていました。

ですから、他の社員からしてみれば、エリートの集められた部署と思っていた様ですが、個人的には


『誰かがやらなきゃいけないから、仕方なく自分がやる・・・』


と言った感覚をもっていました。

(自分のことをエリートみたいに書くのは極めて嫌なんですが・・・話の進行上そういうことにしておいて下さい。)


そして、人事発表が社内の掲示板に張り出されたのを見て驚きました。


※当時は社内ネットワークがまだ完成しておらず、社内的な重要な決定事項は社員通用口の掲示板に張り出されていました。なにせ、タイムカードのあった時代ですから・・・。


M部長が『耐震リフォーム部』の部長に異動になっているのです。この部署も新規の部署です。


私の中では、今後の住宅産業は前述の様に将来的には変化していくと考えていましたから、M部長が『耐震補強』や『リフォーム』という、今後の住宅産業の主軸になっていくであろう部署の初代部長になるということは、正しい人選だと思いました。


『やはり、この会社は派閥やコネで人選をしない!』


と勝手に思いました。

ただ、私はその時には自分なりに納得して、『耐震リフォーム部』の他の社員の名前を見ていませんでした。また、私が配属になる『商品技術開発室』は本社ビルの最上階、『耐震リフォーム部』は別館1階でその部署に行くことは殆どありませんでした。


また、その時にもう一つ新しい部署が出来上がりました。


『新規事業部』


です。


「なんじゃ、この部署は・・・」


と思わず口に出してしまいました。名称を見て、普通に


『新しい事業をやる部署なんだろうな・・・』


とは思いましたが、メンバーを見ると・・・

責任者からして、どうしようもない部長です。次長もこれまた、出世に遅れた人。2つの課があり、その一つの課の課長もなにをしているんだか良くわからない人。と言った感じでした。


私はその部署のメンバーを見て


『窓際族って古い表現だけど、まさにこの部署のことだなぁ』


と思っていました。


ただ、よく解らないのが、もう一つの課の課長がN課長ということでした。

私の知る限り、このN課長は営業きっての切れ者です。私もそれまでに随分、一緒に仕事をしてきましたが営業の中堅社員の中では一二を争う人だと思っていました。

さらにI常務のお気に入りでした。


『ありゃ?なんかミステイクしたのかな?』


と思いました。


そんな、社内の辞令を見て、思ったことは


『自分は、明日っから、何すりゃいいんだろう・・・』


で、目の前にある自分の置かれた状況に精一杯でした。


この、3つの新しい部署に込められた、本当の意味を知るのに私は何年という時間を費やします。



久々なのに中途半端だけど・・・

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