抵当権と不良債権 | 株式会社リデベ(再開発)の社長(こと相澤巧)のブログ

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住宅産業・不動産業界・建設業界の情報や裏話を綴ってます。立退きや地上げの話から戸建住宅のクレームや賃貸契約の話を書いてます。

本日、首都圏マンション販売戸数が出ていましたが相変わらずの2000戸割れでした。

理由は消費の落ち込みによる販売不振と、在庫処理による新規の差し控えによるとニュース記事には出ていますが、そこそこ元気なマンション業者は来期以降の販売用不動産が無くて困っています。

しかし、土地はあるのに販売用不動産が無くて困っているというのは・・・


現状の市況に合致する販売価格の土地が無いという事です。


実際に不動産価格が底値に近い状態だと言う事は解っているのですが、問題はこの底値に近い状態がどの程度続くかは解りません。


最近、こんな話がありました。

現在進行形の案件の為、場所と値段は話せませんが・・・。


その案件は業者Aが立退きを行って、マンションを作る為に平成19年に購入した物件でした。


ご存知の通り平成19年から土地の値段は下落を始めます。


立退きを行っている間にその土地は大幅に値下がりをしてしまいました。


業者Aはノンバンク系金融機関Bから、抵当権による融資を受けて、その物件を購入しました。


しかし、金利もあるし、現在事業化しても利益を見込むことが極めて難しい状況であることから土地の売却を検討しました。


そこで、今年の初めに仲介業者を介して、多くのマンション業者に打診すると、概ね10億円(仮)程度の解答しかありませんでした。当然ですが、借入額ははるかに高い金額です。そして、10億円で抵当権を外すように業者Aは金融機関Bに交渉しました。


結果は門前払い・・・


「14億円以下では抵当権は外せない!」


でした。


しかし、金利負担も大きく、業者Aはなんとか土地を売却する為に再度、その物件の売却を図りました


あまり、結果は変わりませんでした。どの大手も前よりも低い金額を言ってくるのですが・・・


1社だけ12億円!という価格を出してきました。


この価格は私が見ても採算ベースギリギリかな?と思う価格でした。


14億円には届いていませんが、これだけの業者に当って、1社だけ飛びぬけた高い金額です。このチャンスを逃せばしばらくこの物件は売却できないだろうな・・・と思いました。きっと、金融機関も納得するのでは?と思い、業者Aは再度、金融機関Bと交渉しました。


結果はさすがに門前払いではなかったのですが・・・

※まだ、交渉中です。


「来年になれば不動産価格は上昇に転じます。だから、焦って売却するのは辞めましょう。どうしてもというなら、やはり14億円で・・・」


という回答でした。


実は、この類の話はバブル崩壊後の平成5年ごろから平成14年ぐらいにかけて、沢山あった話です。


金融機関が損切りしたくないから、抵当権を解除しない・・・


その結果、持っている業者も破綻し、金融機関も不良債権処理が遅れ、結果としては金融破綻に繋がったのですが、なんの反省もありません。


というか、もうバブル崩壊後の不良債権処理が遅れたことを忘れてしまったのか、知らないのかもしれません。たしかに、バブル崩壊から、もう20年経っていますから、その事を知らない人も大勢いると思います。

その金融機関の言うとおり、来年になったら土地の価格が上昇に転じるかもしれません。それは否定はしません。実際に底値に近い状態であるとは思います。


しかし、それが上昇に転じなかったら・・・。


いずれにしろ、現在の混沌とした状況では極めて予想は難しいと言ってよいでしょう。


とするならば、現在の状況下でベストの価格で売却し、不良債権は処理しておくべきなんですが・・・。


現在、交渉中の話ではありますが、その金融機関がその事に気がついてくれることを切に願います。


ちなみにバブル崩壊後、日本の土地の値段が底を打ったのは平成11年ごろです。しかし、土地の値段が上昇に転じ始めるのは平成16年~平成17年ごろです。つまり、底値の状態が5~6年間続いたわけです。


金融機関の責任で多くの人達が疲弊したということをもう一度よく考えて欲しいと思います。


高値の土地を掴んだ業者も責任はありますが、金融機関は金融機関の本来の社会的責任と社会的存在意義を認識してもらいたいものです。


歯切れの悪い話ですが・・・

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