国内の乗用車大手8社が28日発表した2012年の生産・輸出実績によると、8社合計の世界生産は1年前より18・6%増え、東日本大震災やタイの洪水被害による減産からの立ち直りを示した。各社の生産は国内・海外ともに順調に回復し、世界生産はマツダと三菱自動車を除く6社が過去最高を更新した。

 8社合計の世界生産台数は約2468万台に達し、震災前の10年の実績(約2200万台)と比べても1割強増えた。

 国内生産は三菱自を除く7社が前年を上回り、8社の合計は18・3%増の約943万台。エコカー補助金の追い風で復調した国内販売にも支えられ、2年ぶりに900万台を回復した。ただ、足元では補助金切れの影響が出ており、昨年12月の国内生産は新型車の輸出が好調なマツダを除く7社が前年割れとなった。

 トヨタ自動車の2012年の世界生産で、目標に掲げた1005万台の計画について、達成できない公算が大きくなった。尖閣問題のあおりで、中国での販売の落ち込みが大きく、減産を強いられているためだ。タイなど東南アジアで販売は好調だが、補うことは難しい情勢だ。

 トヨタは今年8月、ダイハツ工業と日野自動車を含めたグループの世界生産台数で、過去最高となる1005万台とする計画を公表していた。トヨタグループとして、過去最高はリーマン・ショック前の07年の949万台。初めて1千万台を超える計画だった。

 昨年の世界生産は785万台。今年は北米や新興国で多くの新型車を投入して販売を増やし、一挙に200万台以上を上乗せする考えだった。昨年約88万台と過去最高の販売台数を記録した中国では今年、100万台の販売を計画していた。だが、中国市場で急速に販売が低迷したことが大きく響いている。

 ホンダは15日、ハイブリッド車(HV)の累計販売台数が9月末時点で100万台を超えたと発表した。1999年11月に初代インサイトを発売してから12年11カ月での達成となった。内訳は国内で約51万台、海外が約49万台。最量販車種はシビックハイブリッドで、北米を中心に約31万5千台を売った。現在はフィットハイブリッドなど計8モデルを約50カ国で販売。今後も日本で発売予定の高級車レジェンドの後継モデルなど、HVの車種を増やしていく計画だ。

 トヨタ自動車のHVの累計販売台数は今年9月末時点で約451万台(速報値)。